Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 南米 2016年6月2日 ブラジルは景気後退から抜け出せるか? ブラジルは2016年1-3月期GDP成長率が再びマイナスとなり、景気後退局面が続いています。ただし成長率はマイ ナスながら、マイナス幅は縮小し、一部の需要項目は市場予想を上回るなど、底打ちの兆しも見られます。 ブラジル1-3月期GDP:前年同期比で8四半 期連続でマイナス成長 ブラジル国家統計局(IBGE)は2016年6月1日、1-3月期GDP (国内総生産)成長率は前年同期比でマイナス5.4%と発表し ました。また前期比ではマイナス0.3%と、市場予想(同マイナ ス0.8%)、前期(同マイナス1.3%、速報値のマイナス1.4%から 上方修正)を上回りました(図表1参照)。前期比のマイナス 成長は5四半期連続、前期比年率でのマイナス成長は8四半 期連続となります。 どこに注目すべきか: ブラジルGDP、大統領弾劾裁判、政策金利 ブラジルは2016年1-3月期GDP成長率が再びマイナスとなり、 (定義的な)景気後退局面が続いています。ブラジルのマイ ナス成長がどの程度続くかを占う上で、次の点に注目してい ます。 まず、ブラジルの今後のGDPの動向を占うために、現状を需 要項目別に振り返ります(図表2参照)。前期(10-12月期)と 比べて各需要項目とも輸入を除き改善しています。特に政 府支出は市場予想を上回って改善しています。また、投資 は高い実質金利と、疑惑がもたれている国営石油会社など の投資見直しなどを受けマイナス幅は15%を超えていますが、 1-3月期の投資は市場予想は上回っており、想定ほどには 悪くなかったともいえます。一方、個人支出は前期より改善 していますが、市場予想は下回っており、懸念が残ります。 次に、ブラジル中央銀行が実施しているエコノミスト調査を 見ると、ブラジルのGDPは次の4-6月期は軟調な動きが想 定されています。大統領弾劾裁判の手続きなど政局が不安 定なことで投資が手控えられたことがマイナス要因として想 定されるからです。しかし予想を見ると悪化は一時的で、 2016年末に向けて改善が想定されています。 では、ブラジル景気の回復要因として(先のサーベイで)想 定されるのは、政策金利の引下げで、現在の14.25%から 2016年末には13%程度までの利下げが想定されています。 ピクテ投信投資顧問株式会社 足元低下傾向となっているインフレ率は現在の9%台から7%台 への低下が想定されていますが、条件として通貨レアルの安 定が今後も大切になると見られます。商品価格が回復すれ ばプラス要因として期待されますが、先行きは不透明です。 反対に懸念材料は政治が不安定なことです。この2週間ほど で、テメル暫定政権から2名もの閣僚が退任しています。4-6 月期GDP予想が軟調なのは政局の不安定さが要因と見られ るだけに、マイナス要因として懸念されます。 なお、ブラジルではオリンピックが開催されますが、格付け会 社の予想などを見ると、スポンサー企業のマーケティング等 にプラス効果が期待されるものの、開催は短期間で、プラス 効果は限られると見られています。 ブラジルの今後は、政局など不安要因はあるものの、商品価 格の回復や利下げ環境が整うようであれば最悪期を脱する 可能性も考えられます。 図表1: ブラジルGDP成長率の推移 (四半期、期間2011年1-3月期~2016年1-3月期、前期比) 2.0 % ブラジルGDP 1.0 0.0 -1.0 -2.0 11年3月 13年3月 15年3月 図表2:ブラジルGDP構成項目別の成長率 (四半期、期間:2015年10-12月期~2016年1-3月期、前年比) 15% 2015年10-12月期 10% 5% 2016年1-3月期 0% -5% -10% -15% -20% -25% 個人支出 政府支出 投資 輸出 輸入 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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