Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 欧州 2016年2月16日 ドラギ総裁に耳を傾けたい 年初から欧州の銀行セクターに対する不安等を背景に周縁国とドイツ国債の利回り格差が拡大する傾向が見られま したが、ドラギ総裁の証言等を受け、2月15日の市場では、とりあえず落ち着きが戻った格好です。 ドラギ総裁欧州議会証言:市場の波乱が見 通しを脅かせば、ECBは行動と示唆 (CET1 比率)は危機当時の9%から足元13%へ拡大しているこ とや、(イタリアで問題となっている)銀行の不良債権も2014 年の資産査定で実態は把握しており、貸倒れ引当金を適切 につんでいるとも述べています。 ただし、経営が悪化した金融機関が当局に実質破綻認定さ れた場合に劣後債などの元本を強制的に削減するベイルイ ンなど新制度への対応が銀行セクターをかえって不安定にし ている実態が見られます。例えば、ポルトガルでは弁済順位 の高い一部銀行債券の投資家に突然、損失を負わせる決定 をしたことが市場を驚かせました。ドラギ総裁は(恐らく)この 新制度の適用を想定してユーロ圏においてどの国でも同じ ルールで運営することの大切さを強調しており、新しい制度 に見られる混乱を防げるものと期待させる内容です。 ただし、ドラギ総裁は銀行株の下落について、銀行が低成 長・低金利環境および、危機後に設けられた世界的規制の 枠組みの強化に適応するため、一段のビジネスモデル調整 が必要になるとの見方によって増幅されたと分析しつつ、規 制改革の維持、重要性を強調しています。全くの想像ですが 仮に今、銀行が流動性危機に直面しているならば恐らく別の 表現になっていた可能性も考えられます。したがって現在の 危機は、過去のビジネスモデルによる利益の減少を、より懸 念しているのかもしれません。そうであるならば、本格的な回 復にはある程度時間が必要となる可能性も考えられます。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2016年2月15日、欧州 議会で証言し、ECBが行動(追加金融緩和)する2つの要因と して金融波乱を踏まえたECBの金融政策が金融システム、 特に銀行を通じて伝わる状況の分析と、加えてエネルギー価 格の下落再開を検証し、これら2つの要素のいずれかが物価 安定に下方向のリスクをもたらせば、行動する用意があるこ とを言明しました。 ドラギ総裁の議会証言を受け、金融部門の不安を背景に利 回りが上昇(価格は下落)傾向であったポルトガルやイタリア の国債利回りは低下(価格は上昇)しました(図表1参照)。 どこに注目すべきか: 欧州議会証言、ベイルイン、不良債権 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:ユーロ圏の主な国の10年国債利回り推移 (日次、期間:2015年2月16日~2016年2月15日) 5 ポルトガル10年国債利回り イタリア10年国債利回り ドイツ10年国債利回り % 4 3 2 1 0 15年2月 15年5月 15年8月 15年11月 低 国債価格 高 年初の頃から欧州の銀行セクターに対する不安等を背景に 周縁国とドイツ国債の信用力の差を反映して利回り格差が 拡大する傾向が見られましたが、ドラギ総裁の証言等を受け、 2月15日の市場では、本格的な回復には程遠いものの、利回 り格差は縮小、とりあえず落ち着きが戻った格好です。 ドラギ総裁の証言等で注目したのは以下の通りです。 まず、3月の政策理事会で「行動する用意」という表現で再度 追加の金融緩和を示唆したことです。その上、「行動」の条件 として、インフレ率の低下は従来通りとして、金融システム不 安の物価への影響を考慮すると説明しています。 これが意味する政策の内容は明らかにされておらず、あくま で想像でしかありませんが、銀行経営に負の影響も懸念され るマイナス金利の大幅な拡大は控え、その分、他の政策、例 えば預金ファシリティ0.1%の引下げにとどめ、国債購入や社 債の購入などの導入が市場では期待されている模様です。 次に、ドラギ総裁は2012年の欧州債務危機と現在では金融 機関の体力、危機への備えが改善している点を指摘、例え ば、ドラギ総裁は巨大金融機関の普通株式等Tier1比率 16年2月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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