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欧州
2016年7月15日
英国、政策金利据え置き、再び市場予想に反する
英中央銀行(BOE)は、2016年7月14日に金融政策委員会を開催し、市場予想に反し、政策金利を据え置くことを決
定しました。EU離脱の決定による経済への影響などを精査し、政策を調整するものと考えます。
英中央銀行:市場予想に反し、政策金利を据
え置き
英中央銀行(イングランド銀行、BOE)は、2016年7月14日に
金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を0.5%で据え置く
ことを決定しました。
市場の事前予想では0.25%の利下げが優勢だったこともあ
り、サプライズの内容と捉えられたことから、発表後は英ポン
ドが上昇する動きとなりました(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
ポンド安、インフレレポート、カーニー総裁
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:年初来の英ポンド(対円)の推移
(日次、期間:2015年12月30日~2016年7月15日)
180
円/ポンド
政策金利据え置
き決定を受け、英
ポンドは反発
170
160
150
140
高 英ポンド 安
事前の市場予想では大半が利下げを予想する一方、一部
は据え置きを予想していました。据え置きの決定を受け為替
市場ではポンドが上昇しましたが、8月に金融緩和の実施が
想定される内容の声明だっただけにポジション調整の可能
性もあります。
まず、そもそも英国の金融政策について、何故事前の市場
の予想が分かれたのか?据え置きを想定する見方の背景
には、英国ポンドが大幅に下落する中、更にポンド安を進行
させる恐れのある利下げは慎重に進めるのではないかとい
う見方がありました(図表1参照)。
また、細かな話ですが、英国は金融政策委員会(MPC)とイ
ンフレレポートなどを同時に発表することが多いのですが、
今回、英国の欧州連合(EU)離脱を反映した経済成長率や
インフレ率見通しを示すインフレレポートは8月4日に公表予
定であり、新たな予想の公表まで、政策金利の変更を待つ
べきとの考え方も、今回、政策金利を据え置いた理由と考え
られます。
一方で今回、利下げを見込んでいた市場関係者が多かった
背景としては、英中央銀行のカーニー総裁が刺激策が近く
必要になる可能性が高いとの見解を繰り返し表明していた
ことがあります。また、カーニー総裁の過去の実績を利下げ
を予想の理由として挙げる人もいます。カーニー総裁はBOE
の前はカナダ中央銀行総裁として2008年の金融危機に対
応しています。当時のカナダ中央銀行の政策金利を見ると
2007年12月に利下げを開始しています(図表2参照)。一方、欧
州中央銀行(ECB)は直前まで引き締め姿勢で、2008年6月に
利上げを実施しています。サブプライム問題は2007年には顕
在化するなどリスクは顕在化していたことから、当時、カーニー
総裁が予防的な対応をとった姿を、足元の状況に重ね合わせ
た模様です。
しかし、英国にとっては深刻なEU離脱も、世界的な経済への影
響となると違いもあると考えられます。英国の新政権後の展開
も読まねばならず、少なくとも様子見が必要と思われます。
130
120
15年12月
16年2月
16年4月
16年6月
図表2:カナダとユーロ圏の政策金利推移
(日次、期間:2007年7月15日~2009年7月15日)
5 %
カナダ
4
ユーロ圏
3
2
1
カーニー氏がカナダ中銀総
裁だった際、カナダはユーロ
圏に先行して利下げを実施
0
07年7月
08年1月
08年7月
09年1月
09年7月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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