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北米
2016年7月7日
FOMC議事要旨から伝わること
6月のFOMC議事要旨は全体的にハト派的な印象です。6月のFOMCのスタッフの政策金利予想分布で利上げペー
スの後退が示唆されたことと整合的な内容で、新たな情報は限られますが、それでも何点かに注目はしています。
FOMC議事要旨:英国国民投票と労働市場
の不確実性から政策金利を据え置き
米連邦準備制度理事会(FRB)は2016年7月6日に米連邦公
開市場委員会(FOMC、6月14~15日開催)議事要旨を公表
しました。 6月のFOMC会合は、英国の欧州連合(EU)離脱
の是非をめぐる国民投票実施前に開催される中、議事要旨
により国民投票の結果を待つのが賢明とFOMCが判断した
ことが示されています。また、議事要旨には、米国の雇用統
計の悪化も政策金利据え置きの背景であることが示されて
います(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
米雇用者数、英国民投票、ドットチャート
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:米国非農業部門雇用者数の推移
(月次、期間:2013年5月~2016年5月、前月比)
35
30 万人
25
20
15
10
5
0
13年5月
非農業部門雇用者数
2016年平均
2014~15年平均
14年5月
4月12.3万人
5月3.8万人
15年5月
16年5月
図表2:米ドル実効為替レートの推移
(日次、期間:2013年7月8日~2016年7月6日)
110
指数
100
高 ドル 安
6月のFOMC議事要旨は全体的にハト派(金融緩和を選好
する傾向)的な印象です。6月のFOMCではスタッフの政策金
利予想分布で利上げペースの後退が示唆されたことと整合
的な内容です。今回の議事要旨で新たな情報は限られます
が次の点には注目しています。
1つ目は雇用市場の評価に苦慮している点です。例えば、非
農業部門雇用者数は前月比で4月と5月に低下しています
(図表1参照)。この雇用者の落ち込みを過去にも見られた
一時的現象と見るか、構造的な要因があるのか意見が分か
れている模様です。また、非農業部門雇用者数の前月比は
2014年~15年まで月平均約24万人増であるのに対し2016
年の平均は約15万人増です。これまでのところ、FOMCメン
バーは20万人を雇用市場の好不調の目安としています。例
えば、アトランタ連銀総裁は5月に20万人が目安と述べてい
ます。しかし、米国は失業率の上では完全雇用に近い可能
性があり、経済成長も緩やかな状況では目安の見直しが検
討されることも必要と思われます。
2つ目は英国国民投票への懸念です。FOMCは投票前に開
催されていたため結果への懸念が議事要旨に指摘されてい
ますが、離脱が支持されたことで、FOMCメンバーは米国経
済への懸念を強めると見られます。気になるのはリスク回避
によるドル高です。円から見ると英国民投票に伴う不透明感
は円高ドル安要因ですが、ユーロなども含めた(貿易加重の)
実効レートでドルを見ると英国国民投票後はむしろドル高の
動きも見られます(図表2参照)。過去の講演でイエレン議長
は2014年9月以降のドル高に懸念を示しましたが解消は道半
ばで、英国のEU離脱がドル高を通じて利上げペースを後退さ
せる可能性に注意が必要です。
最後に、意外だったのはFOMC参加者の政策金利の予想分
布(ドットチャート)にほとんど言及が無かったことです。確か
にドットチャートに言及すると当局が利上げの時期と回数の当
てっこゲームに加担する恐れもあり賢明な選択とも思われま
す。もしかすると経済分析を重視、ドットチャートへの注目度を
低下させたい意向なのかもしれません。ただ、長期の政策金
利予想が低下した点については説明が必要と思われます。
※BOE米ドル実効為替レート:
英国中央銀行が算出する米ド
ルの実効為替レート
90
80
13年7月
BOE米ドル実効為替レート
14年7月
15年7月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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