米国MLPマーケット・ウィークリー 当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。 ≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫ アレリアンMLP指数 価格指数 トータル リターン指数 米国株(S&P500) 予想配当 利回り トータル リターン指数 予想配当 利回り 2016年3月8日 米国REIT トータル リターン指数 米10年国債 利回り 予想配当 利回り WTI 原油先物 ( ドル/ バレル) ヘンリーハブ 天然ガス先物 ( ドル/ 百万 BTU) 2015年12月31日 289.76 1,103.67 8.53% 3,821.60 2.15% 14,650.51 3.83% 2.27% 37.04 2.34 2016年2月26日 246.71 963.13 9.81% 3,656.42 2.38% 14,084.08 4.75% 1.76% 32.78 1.79 2016年3月4日 264.50 1,032.58 9.12% 3,755.47 4.57% 1.87% 35.92 1.67 前週比 7.2% 7.2% -0.69% 2.7% -0.06% 3.9% -0.18% 0.11% 9.6% -7.0% 年初来 -8.7% -6.4% 0.59% -1.7% 0.17% -0.1% 0.74% -0.40% -3.0% -28.7% 前年比 -40.3% -35.5% 2.90% -2.6% 0.28% 0.5% 0.91% -0.24% -30.3% -39.8% (2012年末=100) 2.32% 14,640.37 トータルリターン指数(配当込み) 180 14% S&P500 160 MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利 12% 10% 140 8% 120 100 MLP 6% 米国REIT 米国REIT 4% 80 2% MLP 60 13/1/1 13/7/1 14/1/1 14/7/1 15/1/1 15/7/1 0% 13/1/1 16/1/1 米10年国債利回り S&P500 13/7/1 14/1/1 14/7/1 15/1/1 15/7/1 16/1/1 (出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2013年1月1日~2016年3月4日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index ≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(2月29日~3月4日)≫ 上昇率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 下落率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 1 Seadrill Partners LLC 油田サービス 325 53.9 Crestwood Equity Partners LP 2 Teekay Offshore Partners LP 石油海上輸送 401 30.2 Global Partners LP 卸売販売 451 -1.7 3 Vanguard Natural Resources LLC 探査・生産 342 29.2 Ferrellgas Partners LP 小売販売 1,808 -1.1 集積・処理 559 -10.3 4 DCP Midstream Partners LP 集積・処理 2,700 27.7 EQT Midstream Partners LP 天然ガス輸送 5,606 -0.2 5 EnLink Midstream Partners LP 集積・処理 3,605 25.6 Spectra Energy Partners LP 天然ガス輸送 13,530 -0.1 (出所)ブルームバーグ (注)時価総額は2016年3月4日時点。 ≪先週の米国MLP市場の動き≫ 先週のアレリアンMLP指数(トータル・リターン)は前週末比+7.2%と3週連続の上昇となりました。アレリアンMLP指数は年 初来安値を付けた2月11日から3月4日まで30.2%上昇しており、同一期間の米国株(+9.5%)や米国REIT(+12.0%)を 大きくアウトパフォームしています。 先週はMLPの決算発表が一巡する中、原油相場の回復がMLP市場の上昇要因となりました。2月16日にサウジアラビア、 ロシア、カタール、ベネズエラの4ヵ国が原油増産の凍結で合意して以降、原油相場に底入れの兆しがみられつつあります。 3月4日にはWTI原油先物価格(期近物)は、2016年1月5日以来となる1バレル=35ドル台の水準を回復しました。 一方、国際エネルギー機関(IEA)は2月22日に「中期石油市場報告2016」を公表し、2018年から2021年にかけては世 界の石油需給が供給不足状態に転換するとの見通しを示しました。こうした中、2021年までの世界の石油生産は米国がけ ん引役となると予想されており、中期的な原油増産余力の面での米国の優位性が改めて注目される可能性があります。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。 米国MLPマーケット・ウィークリー ≪MLP関連トピック≫ 中期的に供給過剰の解消が見込まれる世界の原油需給 増産凍結合意を受けて原油相場に底入れの兆し 2016年2月16日に、サウジアラビア、ロシア、カタール、 図1:WTI原油先物価格の推移 (ドル/バレル) 55 ベネズエラの4ヵ国が原油増産の凍結で合意して以降、 50 原油相場に底入れの兆しがみられつつあります。3月4日 45 にはWTI原油先物価格(期近物)は、2016年1月5日以来 となる1バレル=35ドル台の水準を回復しました(図1)。 ロシアのノバク・エネルギー相は、増産凍結に関する石 油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の会合が、3月 2016年3月下旬 石油輸出国機構(OPEC)加盟国 と非加盟国の会合開催予定 40 35 30 2016年2月16日 サウジアラビア、ロシア、 カタール、ベネズエラが 原油増産の凍結で合意 20日から4月1日の間に開催される可能性を示唆しており、 25 今後、増産凍結に賛同する産油国が増えるかどうかに注 20 15年10月 目が集まりそうです。 IEAでは、世界の石油需給は2015年の200万バレル/ 日の供給超過から2017年には概ね需給が均衡化すると 予想しています(図2)。さらに、中期的には、世界経済の 成長持続を背景に世界の石油需要は安定した増加が見 込まれ、2018年から2021年にかけては世界の石油需給 が供給不足の状態に転換するとの見通しを示しました。 中期的には米国が世界の石油生産をけん引へ 供給サイドでは、2015年から2021年までの石油生産量 16年1月 16年2月 16年3月 図2:世界の石油需給の中期見通し 一方、国際エネルギー機関(IEA)は2月22日に公表した 界の石油市場の見通しを示しました。 15年12月 (出所)ブルームバーグ (期間)2015年10月1日~2016年3月7日 中期的に石油は世界的な供給不足が予想される 「中期石油市場報告2016」の中で、2021年のまでの世 15年11月 (100万バレル/日) (100万バレル/日) 5 105 需給バランス(左軸) 4 IEA予測 100 世界需要(右軸) 世界供給(右軸) 3 95 供給超過 2.0 2 90 1.1 1 85 0.1 0 -0.4 -1 -2 80 -0.7 需要超過 -1.0 -1.1 75 70 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 (年) (出所)国際エネルギー機関(IEA) は国によって強弱が分かれるとの見方が示されています。 図3:主要産油国の石油生産量増減(2015~2021年) OPEC加盟国では、原油の生産能力増加が見込まれる 限られ、OPEC全体でも生産能力の増加は80万バレル/ 日に留まると予想されています(図3)。 OPEC非加盟国でも、ロシアや中国、メキシコ、コロンビア などでは2021年までに石油生産量は減少に向かうと予想 されており、中期的には米国が世界の石油生産のけん引 役となるとみられています(IEAでは米国の石油生産量は 2021年までに131万バレル/日増加と予想)。 短期的に米国にも原油の過剰在庫問題やシェール・オ イル減産の可能性などの懸念要因が残っているものの、 中期的な原油増産余力の面での米国の優位性が改めて 注目される可能性があります。 非加盟国( 主要産油国) 内訳 OPEC 国は主にイランやイラク、アラブ首長国連邦(UAE)などに 米国 ブラジル カナダ 豪州 マレーシア ノルウェー -3 アルゼンチン -4 英国 -5 インド -10 オマーン -12 エジプト -14 コロンビア -18 メキシコ -19 中国 -20 ロシア -28 5 7 -50 22 131 石油生産量増減 (2015~2021年) OPEC原油生産能力 イラン イラク UAE サウジアラビア (万バレル/日) 83 80 0 80 34 27 原油生産能力増減 27 (2015~2021年) 50 100 150 (出所)国際エネルギー機関(IEA) ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
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