米国MLPマーケット・ウィークリー 当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。 ≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫ アレリアンMLP指数 トータル リターン指数 価格指数 米国株(S&P500) 予想配当 利回り トータル リターン指数 予想配当 利回り 2015年5月26日 米国REIT トータル リターン指数 予想配当 利回り 米10年国債 利回り WTI 原油先物 ( ドル/ バレル) ヘンリーハブ 天然ガス先物 ( ドル/ 百万 BTU) 2014年12月31日 459.40 1,637.25 6.01% 3,769.44 1.95% 14,247.97 3.59% 2.17% 53.27 2.89 2015年5月15日 445.39 1,634.58 5.98% 3,915.99 2.02% 14,366.81 3.69% 2.14% 59.69 3.02 2015年5月22日 445.04 1,633.32 5.98% 3,924.16 2.02% 14,204.10 3.73% 2.21% 59.72 2.89 前週比 -0.1% -0.1% 0.00% 0.2% -1.1% 0.04% 0.07% 0.1% -4.3% 年初来 -3.1% -0.2% -0.03% 4.1% 0.07% -0.3% 0.14% 0.04% 12.1% -0.1% 前年比 -9.7% -4.4% 0.31% 14.6% -0.04% 12.9% 0.06% -0.34% -42.4% -33.8% (2012年末=100) 0.00% トータルリターン指数(配当込み) 170 8% 160 7% 150 6% S&P500 140 MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利 MLP 5% 130 米国REIT 4% 120 3% MLP 110 2% 米国REIT 100 90 13/1/1 13/7/1 14/1/1 14/7/1 S&P500 1% 0% 13/1/1 15/1/1 米10年国債利回り 13/7/1 14/1/1 14/7/1 15/1/1 (出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2013年1月1日~2015年5月22日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index ≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(5月18日~5月22日)≫ 上昇率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 下落率上位5銘柄 1 Teekay Offshore Partners LP 船舶輸送 2,200 5.8 Natural Resource Partners LP 2 NGL Energy Partners LP 石油輸送 3,184 4.5 Linn Energy LLC 3 Summit Midstream Partners LP 集積・処理 2,126 4.3 Hi-Crush Partners LP 4 Enbridge Energy Partners LP 石油輸送 13,042 5 EQT Midstream Partners LP 天然ガス輸送 6,130 (出所)ブルームバーグ 業種 採掘権 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 550 週間騰落率 (%) -9.5 探査・生産 4,089 -9.0 フラックサンド 1,216 -6.3 4.2 Alliance Resource Partners LP 石炭 2,276 -5.9 3.0 BreitBurn Energy Partners LP 探査・生産 1,215 -5.4 (注)時価総額は2015年5月22日時点。 ≪先週の米国MLP市場の動き≫ 先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比-0.1%と、ほぼ横ばいでの推移となりました。足元ではMLPの1-3 月期決算発表が終了したことや、米国株が高値圏で小康状態にあること、WTI原油先物価格も1バレル=60ドル前後で安 定していることなどから、MLP市場への投資家の様子見姿勢が続いているとみられます。 また、先週5月19日、米カリフォルニア州サンタバーバラ近郊で、大手MLPのPlains All American Pipeline LP(PAA)が保 有・運営する石油パイプラインが破損し、原油が流出する事故が発生しました。各種報道によれば、パイプラインから流出し た原油は最大2,500バレルと推定され、うち500バレルが太平洋へ流出したとみられています。 通常、MLPはパイプライン事故に備えた保険契約を結んでいることや、今回のパイプライン事故の原油流出規模が比較的 小規模とみられることから、PAAへの財務面での影響は限定的との見方があります。なお、先週のPAAの株価は前週末比1.5%と小幅な下落に留まりました。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。 米国MLPマーケット・ウィークリー ≪MLP関連トピック≫ 米西海岸でパイプラインの原油流出事故が発生 米西海岸でパイプラインの原油流出事故が発生 図1:米国における原油・石油製品の パイプライン輸送量と事故による流出量(2013年) 5月19日、米カリフォルニア州サンタバーバラ近郊で大手 (千バレル) MLPのPlains All American Pipeline LP(PAA)が保有・運営 する石油パイプラインが破損し、原油が流出する事故が発生 16,000,000 しました。各種報道によれば、パイプラインから流出した原油 14,000,000 は最大2,500バレルと推定され、うち500バレルが太平洋へ 12,000,000 流出したとみられています。通常、MLPはパイプライン事故に 備えた保険契約を結んでいることや、今回のパイプライン事 149億バレル 10,000,000 故の原油流出規模が比較的小規模とみられることから、 PAAへの財務面での影響は限定的との見方があります。 もっとも、最終的なパイプラインからの原油流出量や事故の 原因等については公表されていないため、今後の事故調査 や原油回収の行方を慎重に見守る必要があります。 近年は重大なパイプライン事故は避けられる傾向 8,000,000 6,000,000 輸送量の 0.0008% 4,000,000 2,000,000 11.9万バレル 0 全米のパイプライン輸送量 (原油・石油製品) 全米のパイプラインからの 原油・石油製品流出量 石油パイプライン輸送の現場では一定の事故は避けられな (出所)米国石油パイプライン協会(AOPL) い面もあるものの、近年はパイプライン業界を挙げての安全 基準の強化等により、重大なパイプライン事故は避けられる 傾向にあります。 図2:米国の石油パイプライン事故の主な原因(2013年) 米国石油パイプライン協会によれば、2013年には全米で 397件の原油・石油製品パイプラインの漏えい事故が発生し、 11.9万バレルの原油・石油製品が流出しました。しかし、 2013年のパイプライン輸送量と比較すると、原油・石油製品 の流出規模は0.0008%と軽微に留まりました(図1)。 また、今回のカリフォルニア州での原油流出量は推定 第三者の掘削に よる損傷 5.3% 運営者による 損傷 4.4% 石油パイプライン事故は自然災害や外部要因によ る損傷が原因の大半を占める 2013年のデータでは、米国における石油パイプライン事故 その他 0.7% 設備の不具合 5.9% 2,500バレルとみられていますが、これは2013年の米国全 体の原油・石油製品流出量の約2%に相当する規模です。 運営ミス 2.0% 自然災害 29.6% 腐食 11.7% 素材・接合部・ 溶接の不具合 19.9% その他外部要因 による損傷 20.5% の原因として、「自然災害」(29.6%)や「その他外部要因に よる損傷」(20.5%)などが過半数を占めています(図2)。一 方で、パイプラインの腐食や、素材・接合部・設備等の不具 合も事故原因として一定程度を占めており、今後はパイプラ (出所)米国石油パイプライン協会(AOPL) (注)原油・石油製品の流出量の原因別構成比(%)。 イン運営企業が点検・整備を強化することで、事故を事前に 予防する余地も残されていると考えられます。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
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