米国MLPマーケット・ウィークリー - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

米国MLPマーケット・ウィークリー
当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。
≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫
アレリアンMLP指数
トータル
リターン指数
価格指数
米国株(S&P500)
予想配当
利回り
トータル
リターン指数
予想配当
利回り
2015年1月6日
米国REIT
トータル
リターン指数
WTI
原油先物
( ドル/ バレル)
米10年国債
利回り
予想配当
利回り
ヘンリーハブ
天然ガス先物
( ドル/ 百万
BTU)
2014年12月31日
459.40
1,637.25
6.01%
3,769.44
1.94% 14,247.97
3.56%
2.17%
53.27
2.89
2014年12月26日
459.32
1,636.87
6.01%
3,823.00
1.91% 14,420.98
3.49%
2.25%
54.73
3.01
2015年1月2日
469.70
1,674.07
6.26%
3,768.68
2.06% 14,448.84
3.63%
2.11%
52.69
3.00
前週比
2.3%
2.3%
0.25%
-1.4%
0.15%
0.2%
0.14%
-0.14%
-3.7%
-0.1%
年初来
2.2%
2.2%
0.25%
0.0%
0.12%
1.4%
0.07%
-0.06%
-1.1%
3.9%
前年比
2.5%
8.4%
0.07%
14.7%
-0.01%
30.1%
-0.42%
-0.88%
-44.8%
-30.5%
(2009年末=100)
トータルリターン指数(配当込み)
260
8%
240
7%
MLP
米国REIT
220
MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利
MLP
6%
200
5%
180
米国REIT
4%
160
3%
140
S&P500
120
2%
S&P500
1%
100
80
10/1/1
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
15/1/1
0%
10/1/1
米10年国債利回り
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
15/1/1
(出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2010年1月1日~2015年1月2日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index
≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(12月29日~2015年1月2日)≫
上昇率上位5銘柄
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
下落率上位5銘柄
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
1
Seadrill Partners LLC
海上掘削
1,583
16.1 Hi-Crush Partners LP
フラックサンド
1,262
-7.4
2
MPLX LP
石油輸送
6,094
14.8 Ferrellgas Partners LP
プロパン
1,847
-3.4
3
BreitBurn Energy Partners LP
探査・生産
1,511
16,555
-3.3
4
Atlas Resource Partners LP
探査・生産
プロパン
2,557
-2.4
5
Martin Midstream Partners LP
石炭
1,187
-1.7
(出所)ブルームバーグ
その他
923
1,036
8.7 Spectra Energy Partners LP
天然ガス輸送
7.0 NGL Energy Partners LP
6.2 Natural Resource Partners LP
(注)時価総額は2015年1月2日時点。
≪先週の米国MLP市場の動き≫
先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比2.3%上昇し、3週連続の上昇を記録しました。昨年後半に調整
色を強めたMLP相場でしたが、利回り面での投資妙味が相対的に高いこと等を背景に、12月中旬の底値から11.6%反発
しています(同期間のWTI原油先物価格は5.8%の下落、S&P500株価指数は3.5%の上昇)。
2014年を振り返ってみると、MLP相場全体としては株式相場をアンダーパフォームする展開となりました。ただし、MLPの
セクター別パフォーマンスは強弱がはっきりと分かれる結果となりました。原油価格下落によって収益悪化が見込まれる探
査・生産(上流セクター)のMLPが大幅な下落に見舞われる一方、エネルギー価格の変動に対して安定した収益構造を有
するパイプライン事業を営むMLPは株式市場を上回るリターンを記録しました。石油パイプライン事業は、長期輸送契約に
基づく安定した輸送量が確保されていることに加え、輸送料(単価)は米連邦エネルギー規制委員会(FERC)によってインフ
レ連動での引き上げが認められており、原油価格変動への耐性を備えていると考えられます。
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
米国MLPマーケット・ウィークリー
≪MLP関連トピック≫ 安定した収益構造を有する中流MLPのパフォーマンスは良好
図1:2014年のMLPの年間騰落率
MLP相場のパフォーマンスは強弱分かれる
2014年のMLPは、安定した配当成長への期待などを背景
に、年初より良好なパフォーマンスが続きました。8月末時点
探査・生産
でアレリアンMLP指数の年初来リターンはS&P500指数を8%
石油輸送
(パイプライン)
上回りました(価格指数)。しかし、 年後半にかけて原油相
-52.2
25.8
天然ガス輸送
(パイプライン)
場の下落基調が強まると、MLP相場は急速に伸び悩む展開
20.0
-7.9
集積・処理
となり、2014年末時点では、同株価指数を12%下回る結果
に止まりました。
-17.5
その他
MLPのセクター別には、2014年のパフォーマンスは強弱が
S&P500指数
はっきりと分かれる結果となりました。原油価格下落によって
収益悪化が見込まれる探査・生産(上流セクター)のMLPは
-0.9
アレリアンMLP指数
(%)
11.4
-60
-50
-40
-30
-20
大幅な下落に見舞われました。一方、エネルギー価格の変
動に対して安定した収益構造を有するパイプライン事業を営
(前年比、%)
14
むMLPは20%を上回るリターンを記録しました。
12
ファクトセットによる予想コンセンサス集計によれば、2015年
のMLP全体の一株当たり配当伸び率は前年比8.2%と安定し
た配当成長が見込まれています。
は2015年が8.6%、2016年が10.2%と堅調な配当成長の
原油価格変動への耐性を備えていると考えられます。
第一に、石油パイプラインの輸送量は長期輸送契約に基
づくため、過去の原油価格の変動期でも安定する傾向がみ
られます。2009年の原油下落局面でも、大手MLP2社の原
油パイプライン輸送量の落ち込みは軽微でした(図3)。
第二に、石油パイプラインの輸送料(単価)は、米連邦エネ
MLP全体
0.9
上流MLP
0
10
11
12
9.3
2.6
3.2
2
13
14
実績
0.0
15
16
予想
(年)
(出所)ファクトセット
(注)予想は2014年12月15日時点。MLP全体の母集団は2014年11月末時点の
122銘柄。配当伸び率は母集団の銘柄の中央値。
図3:原油先物価格とパイプライン輸送量
(米ドル/バレル)
110
WTI原油先物価格(年平均値)
99.75
100
90
80
70
79.61
62.09
(2006年=100)
115
105
げが認められています。2014年7月の価格改定では3.9%の
100
石油パイプライン輸送料の引き上げが実施されました。足元
95
の物価動向を考慮すると、2015年7月には5%前後の輸送
90
95.11
72.36
50
110
前年比
-37.8%
66.26
60
ルギー規制委員会(FERC)によってインフレ連動での引き上
料の引き上げが見込まれます。
30
10.2
8.2
6.9
6.2
4
が二極化する傾向がみられます(図2)。
また、MLPの石油パイプライン事業は、以下二つの点から
20
8.6
7.1
6
継続が予想されるなど、業種によってMLPの配当成長見通し
パイプライン輸送量は原油価格下落期でも安定
10
中流MLP
8.9
8
ただし、原油価格変動の影響を受けやすい上流MLPでは今
後、配当成長の急速な鈍化が予想される一方、中流MLPで
0
図2:MLPの一株当たり配当伸び率
10
中流MLPと上流MLPで配当成長見通しが二極化
-10
(出所)ブルームバーグ、アレリアン、上記は価格指数の騰落率。
アレリアンMLP指数のセクター別騰落率は各構成銘柄の単純平均値。
原油パイプライン輸送量(数量)
プレーンズ・オール・
アメリカン・パイプライン
(PAA)
前年比-2.7%
前年比-2.3%
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)
(陸上パイプライン輸送量)
2006
2007
2008
2009
2010
2011 (年)
(出所)ブルームバーグ、各社公表資料
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。