米国MLPマーケット・ウィークリー - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

米国MLPマーケット・ウィークリー
当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。
≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫
アレリアンMLP指数
トータル
リターン指数
価格指数
米国株(S&P500)
予想配当
利回り
トータル
リターン指数
予想配当
利回り
2014年11月26日
米国REIT
トータル
リターン指数
米10年国債
利回り
予想配当
利回り
WTI
原油先物
( ドル/ バレル)
ヘンリーハブ
天然ガス先物
( ドル/ 百万
BTU)
2013年12月31日
463.80
1,562.21
5.78%
3,315.59
1.90% 11,128.83
3.79%
3.03%
98.42
4.23
2014年11月14日
501.75
1,787.07
5.58%
3,724.92
1.95% 13,676.75
3.53%
2.32%
75.82
4.02
2014年11月21日
518.23
1,845.76
5.40%
3,770.03
1.93% 13,824.34
3.48%
2.31%
76.51
4.27
前週比
3.3%
3.3%
-0.18%
1.2%
-0.02%
1.1%
-0.05%
-0.01%
0.9%
6.1%
年初来
11.7%
18.2%
-0.38%
13.7%
0.03%
24.2%
-0.31%
-0.72%
-22.3%
0.9%
前年比
14.7%
21.3%
-0.52%
17.3%
-0.04%
23.5%
-0.24%
-0.47%
-19.8%
15.2%
(2009年末=100)
トータルリターン指数(配当込み)
260
8%
240
MLP
220
米国REIT
200
7%
MLP
6%
5%
180
米国REIT
4%
160
3%
140
S&P500
120
2%
S&P500
1%
100
80
10/1/1
MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
0%
10/1/1
米10年国債利回り
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
(出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2010年1月1日~2014年11月21日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index
≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(11月17日~11月21日)≫
上昇率上位5銘柄
1 NGL Energy Partners LP
業種
5 Atlas Resource Partners LP
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
1,491
-1.8
1,437
2,279
-0.4
3,014
7.7 Memorial Production Partners LP
探査・生産
1,415
-0.3
石炭
1,642
7.4 Spectra Energy Partners LP
16,617
-0.2
探査・生産
1,390
7.4 Genesis Energy LP
4,471
-0.0
集積・処理
20.9 Exterran Partners LP
業種
ガス圧縮
3 Atlas Pipeline Partners LP
(出所)ブルームバーグ
下落率上位5銘柄
船舶輸送
探査・生産
3,503
週間騰落率
(%)
9.3 Teekay Offshore Partners LP
プロパン
2 Legacy Reserves LP
4 Natural Resource Partners LP
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
天然ガス輸送
石油輸送
(注)時価総額は2014年11月21時点。
≪先週の米国MLP市場の動き≫
先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比3.3%の上昇に転じました。先週は原油市況が安定的に推移し
たことなどがMLP市場の下支え要因になったと考えられます。今週は11月27日に石油輸出国機構(OPEC)総会が予定さ
れており、OPECの減産合意がなされ、原油市況の安定が継続するかが目先の争点となりそうです。
また、先週11月18日、米上院はカナダから米国のメキシコ湾岸へ原油を輸送する「キーストーンXLパイプライン」の建設
を承認する法案の採択を行いましたが、可決に必要な60票に1票差で届かず、法案採決は先送りとなりました。共和党が
上下両院で過半数の議席を獲得した中間選挙(11月4日)を受けて、2015年1月より開会する新議会で共和党は改めて
キーストーンXL計画法案の採択を図るとみられます。さらに、共和党は、キーストーンXLパイプライン計画の法案承認を皮
切りに、2015年以降、エネルギー業界の規制緩和や法人税改革などを推進する意向を示しています。今後は、法案の拒
否権を持つオバマ大統領と共和党主導の議会との協調がなされるかが注目されます。
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
米国MLPマーケット・ウィークリー
≪MLP関連トピック≫ 米中間選挙とキーストーンXLパイプライン計画の今後
米上院は11月18日、カナダから米国のメキシコ湾岸へ原
図1:キーストーンXLパイプラインの提案ルート
油を輸送する「キーストーンXLパイプライン」の建設を承認
する法案の採決を行いましたが、賛成59票:反対41票と可
決に必要な60票には1票差で届きませんでした。
カナダ
モーガン
今回の採決は11月4日の中間選挙の結果が反映される
前の、民主党の影響力を保持している上院で行われたもの
です。共和党が上下両院で過半数を獲得した中間選挙を
受けて、2015年1月より開会する新議会で、共和党は改め
てキーストーンXL計画法案の採択を図るとみられます。
バッケン・
シェール
モンタナ州
ノースダコタ州
バッケンとの連結施設
キーストーンXLパイプライン
提案ルート
キーストーンXLパイプラインは、カナダで産出するオイル・
サンド原油および米ノースダコタ州近郊バッケンで産出され
約1,400km
るシェール・オイルをテキサス州南部の精油所へ輸送する
計画ですが、これまで環境問題への懸念からオバマ大統
領は計画の承認を先送りしてきました。
サウスダコタ州
ワイオミング州
ネブラスカ州
これに対して、パイプラインの建設を担当するトランスカナ
ダ社は、オガララ帯水層への影響が懸念されるネブラスカ
新提案ルート
旧提案ルート
州のパイプライン・ルートを変更する新提案を行っています
オガララ帯水層
(図1)。また、米国務省も2014年1月31日に公表したキー
ストーンXL計画をめぐる環境評価報告書において、環境へ
の影響は限定的との見解を示しています。
スティール
シティ
コロラド州
オクラホマ州クッシングへ
(建設済パイプライン)
米国務省によれば、キーストーンXLパイプラインの建設に
よって、合計4.2万人の雇用創出と約34億ドル(約4000億
円*、GDP比0.02%)の経済効果が見込まれています。
(出所)米国務省、各種資料
さらに共和党はキーストーンXLパイプライン計画の法案承
認を皮切りに、2015年以降、影響力を握る上下両院で米
図2:米共和党が志向する主な経済政策
エネルギー業界の規制緩和や企業寄りの政策を推進する
意向を示しています。具体的には、法人税引き下げを含む
法人税改革や、液化天然ガス(LNG)輸出認可の促進、環
境規制の緩和、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の締
結などが大きな政策の争点となりそうです(図2)。
キーストーンXLパイプライン計画の認可
法人税改革(法人税引き下げなど)
液化天然ガス(LNG)輸出認可の促進
一方、2年余りの任期を残したオバマ大統領には議会が
採択した法案に対して拒否権を発動する権限があることか
ら、共和党が提唱する規制緩和が実現されるには大統領と
の歩み寄りが必要と言えます。大統領と議会の協調により
「決められない政治」が解消に向かえば、米エネルギー業
界や米株式市場にとって追い風となると期待されます。
環境規制(温室効果ガスの排出規制)の緩和
TPP締結など自由貿易の推進
(出所)各種報道
(*)換算レート:1ドル=118円
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
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また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
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