地理短答記述問題1 ~人文地理(1)総合~ 〔解答〕 26

地理短答記述問題1 ~人文地理(1)総合~ 〔解答〕
★★★☆☆
1.
世界最大の約 13.5 億人の人口を有する中国では、漢民族(漢族)が 90%以上を占めるが、他にも 55 の少数民族
やや易
が暮らしている。それぞれの民族で文化にも違いがみられるが、中でも宗教につき、チベット民族が信仰する宗
教(a)とウイグル民族が信仰する宗教(b)を、それぞれ答えなさい。 【a チベット仏教 b イスラム教 】
ラマ教
2.
難
イスラーム教、イスラームも可
信徒の人口は仏教を遥かに上回るものの、インドの民族宗教という位置づけのヒンドゥー教は、インドネシアの
ある観光地として有名な島においても信仰されている。この島名を答えなさい。
3.
標準
【 バリ島 】
一国の中で、人口が第1位の都市に集中し、第2位以下の都市の人口を大きく引き離す現象がみられることがあ
る。このような国における人口第1位の都市を何と呼ぶか(a)と、そのような現象が起きている国の例(b)
を一つ挙げ、それぞれ答えなさい。 【a プライメートシティ(首位都市) b メキシコ、タイ、韓国など 】
プライメイトも可
4.
標準
他、チリ、ケニア、フランス、イギリスなど多数
人々の生活様式や消費行動の変化に伴い、従来の商店街でなく幹線道路沿いのショッピングセンター(モール)
で買い物をすることが近年では一般化したが、この理由として考えられることを一行程度で述べなさい。
【自家用車の普及で駐車場が必須となった他、豊富な商品群に加え娯楽施設も併設しレジャー需要も満たすため。 】
大規模小売店舗立地法による大資本の進出、等質なサービス、商店街の老朽化・シャッター街化、家族構成の変化、商店街利用年齢層の減少など
5.
世界では数多くの通貨が使用され、経済を動かしている。そのうち、市場に出回っている量(=流通量)の多い
標準
上位3通貨を順に答えなさい。
【第1位:ドル(米ドル、アメリカドル) 第2位: ユーロ 第3位: 円(日本円)
】
6.
アフリカの国々の国境に直線が多いことはよく知られているが、その代表的弊害として異なる部族間での紛争が
やや易
多発することが挙げられる。度重なる内戦を経て 2011 年に独立した国を答えなさい。
【 南スーダン(共和国)
】
頻出論点。歴史的経緯や政治的・経済的背景に加え、言語や教育など文化的な観点からの弊害も押さえておきたい。
7.
やや難
パキスタン(a)とバングラデシュ(b)はともにイスラム教国であり、WWⅡ後にインドから独立したという
経緯を持つ(インドからパキスタンが分離独立→パキスタンから東パキスタンがバングラデシュとして分離独立)
が、自然環境や歴史的背景が異なっている。この点をふまえ、それぞれの主要生産作物と使用言語を答えなさい。
【
(a)主要作物: 小麦 言語: ウルドゥー語 (b)主要作物: 米 言語: ベンガル語 】
首都イスラマバード、乾燥気候大半
/
首都ダッカ、ガンジスデルタ、
「ベンガル人の国」の意
ともに人口は 1.5 億人超
8.
ともに先進国として挙げられるカナダとオーストラリアは、国内における都市の立地に顕著な偏在が見受けられ
やや難
る。この原因として考えられることを、自然的要因と経済的要因の両側面についてそれぞれ触れながら、相違点
にも留意して合わせて2~3行程度で述べなさい。なお、カナダは加、オーストラリアは豪と表記してよい。
【 加は寒冷な北部よりも、温暖かつNAFTAなど経済的な結びつきが強いアメリカとの国境付近の南部に、
豪は乾燥した内陸部を避け、湿潤かつ貿易の輸出入に便利であり観光客も多い海上交通に適する沿岸部に、
それぞれ都市が発達するため。 】 (歴史的な入植・開発過程も理解しておきたいところです)
9.
標準
日本やヨーロッパの先進国が少子高齢化に悩む中で、アメリカとフランスは比較的合計特殊出生率が高い。この
理由として考えられることを、それぞれ一行程度で述べなさい。
(日:1.27 米:2.09 仏:1.89 2005-2010)
【米: 移民の流入が多く、特に若年層のヒスパニックの出生率が高いため。
【仏: 早くから国策として、出産や育児にかかわる手当など社会保障を厚くする対策を講じたため。
】
】
10. 日本では高度経済成長期に大都市圏の人口が急増したことを受け、公共交通機関が発達した郊外にベッドタウン
標準
やニュータウンが建設され、地方や都心部からの人口を吸収した。しかし、バブル崩壊後の失われた20年と呼
ばれる長い不況やデフレの影響で地価が下落し住宅供給が増え、通勤に便利などの理由から特に若年層が流入し、
都心部の人口は増加に転じている。この現象を何と呼ぶか、漢字四文字で答えなさい。
【 都心回帰 】
高層のタワーマンションや商業施設の建設、駅周辺の再開発が進んでいて、年に1回ほど訪れるたびにビックリします。
記述はポイント採点で、要素ごとに、減点分を差し引きつつ上限まで加点します。
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