2016 年度 化 学

2016 年度
化 学
■ 大学・学部(日程):東京医科歯科大学(前期)
■ 出題構成(時間/配点): 2科目 120 分/120 点
■ 分量/難易度の変化(昨年度比):変化なし / やや易化
大問
1
形 式
空欄補充
計算,論述
2
記述,論述
3
記述,論述
計算,描図
理論
無機
理論
有機
理論
無機
分野・内容 等
難易度 変化
ケイ素,二酸化ケイ素の結晶と反応,共有結合結晶
標準
→
と分子の融点,シリカゲルの総表面積
化学発光,ルミノール・シュウ酸ジフェニル,酸化 標準~
↓
還元反応,反応速度,化合物の構造と発光の関係
やや難
オキソ酸の酸性度,酸化数,イオンの立体構造,次
標準
↓
亜塩素酸の分解・電離平衡,水道水の消毒
※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化
■ 出題傾向:
・近年は大問数は3題で落ち着いている。総小問数は 20 問前後。小問はすべて長めのリード文に関
連した内容であるが,読み込まなくても解けるものが多い。素早く目を通す方が良い。
・出題形式や分野に比較的ばらつきがある。2006 年度~2008 年度,2013 年度は大問3題のうち1
題が分野横断的な総合問題,残り2題が分野別であった。2009 年度~2012 年度,2014 年度は2
題が分野横断的な総合問題,残り1題が分野別であった。近年理論を中心として無機・有機が絡む
問題になっている。
・用語・反応式・構造式の記述問題と計算問題・論述問題が中心である。計算問題では,途中の計算
式とその説明文も解答用紙に書くように指示される。論述問題では,字数の制限は示されないこと
が多い(2013 年度は問 15,17 で字数制限あり)。
・応用力を必要とする問題が多い。時間的にはあまり余裕はない。
・説明は加えられるが高校化学では扱わない内容も含むので,推察力が要求される。
■ 2016 年度入試の特記事項:
・1の前半は基本的な問題である。正確な知識が大切になるが,得点源にしたい。問6は与えられ
た反応式から考えることができるので正確な計算を心がけたい。問7は単位変換が必要である面積
が nm2,m2 と 2 種類与えられているが,ミスなく解答して完答をめざしたい。
・2は化学発光に関連する反応であるが,化合物に馴染みのないものが多い。今までの経験から推
測・思考しながら解き進めることになる。前半は,与えられた図表などを活用しながら解き進める
ことができる。問6・問7の論述は,ポイントを押さえて解答したい。とくに問7は難しいが,2
種類の化合物の構造と発光した色の情報から,波長と化合物の構造に関連があることを読み取るこ
とができるかがポイントとなる。
・3は標準的な頻出問題だが比較的解きやすい問題が並ぶ。問6は問4,問5が絡む問題であり,前
問で正確な解答が出ていることが大切になる。
■ 求められる力とその養成:
・基礎をしっかりと固めることが最も重要であるが,柔軟な思考力と応用力は欠かせない。難易度が
高めの問題量のある総合問題にあたり,分野の枠を超えて自分のもっている知識を使いこなせるよ
うに練習しておきたい。
・問題文が長く全体像をつかむのに時間がかかるが,過去問をしっかり研究して臨みたい。
・論述や計算の過程を示すなど,答案の作成能力が問われるので,理論分野に関して日々の学習で意
識的に取り組むとともに,論点を素早く見つける力を身につけておきたい。