第14回 補充問題

(別紙)
力学2演義スタンダード問題 14(阿久津)(2016年7月19日実施)補充問題
http://wwwacty.phys.sci.osaka-u.ac.jp/~acts/mechanics2/mechanics2.html#engi
補充問題:総合演習問題(番号は前回からの通し番号)
[補.12] (標準)ネーターの定理は何を主張しているのか述べよ。また、その適用例を具体的に示せ。
[補.13] (標準)「変数変換 {qi }, {pi } → {Qi }, {Pi } が正準変換であるための必要十分条件は、基本
ポアソン括弧が不変に保たれることである」ということが知られている。ここで言う、基本
ポアソン括弧が不変とは、性質 {Qi , Qj }q,p = 0, {Pi , Pj }q,p = 0, {Qi , Pj }q,p = δij が成り立つ、
ということである。このことを踏まえて、変数変換 q, p → Q = q α cos βp, P = q α sin βp が正
準変換となるための α, β に対する条件を求めよ。
[補.14] (やや難)張力一定の膜の微小振動が2次元波動方程式を満たすことを示せ。
[補.15] (やや難)
「球面上の2点を最短で結ぶ曲線は大円の一部である」ということを、ラグランジュ
未定乗数法をもちいた変分法で導出せよ。
(ヒント)まず、単位球面上の曲線上の点 x, y, z を
ある変数 t でパラーメータ化し(x = x(t), y = y(t), z = z(t))、曲線の長さ ℓ を
∫ 1√
dx
ℓ=
ẋ2 + ẏ 2 + ż 2 dt (ẋ =
, . . .)
dt
0
と表す。「単位球面上にある」という拘束条件を x(t)2 + y(t)2 + z(t)2 − 1 = 0 と表現し、ラ
グランジュ未定乗数 λ を導入して
∫ 1 {√
[
]}
ℓ̃ =
ẋ2 + ẏ 2 + ż 2 − λ(t) x(t)2 + y(t)2 + z(t)2 − 1
dt
0
の変分問題を考える。中心力ポテンシャル中の力学の問題と近い問題となり、
「角運動量」に
相当する保存量の存在が言える。これから、解曲線が原点を通る平面上にあることが言え、
大円の一部となることが示される。