地歴公民(地理)

地歴公民(地理)
名古屋大学 文学部、情報文化学部(社会システム情報学科)
(前期) 1 / 2
<全体分析>
試験時間 90 分
解答形式
論述式、記述式が中心で、客観式問題や描図問題も含まれる。
分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化)
大問4題が定着し、論述量もほぼ同じである。論述問題には定番問題もあるが、教科書には記述のない事
項や内容について深い理解を要する問題も出題され、難化した。
出題の特徴
系統地理分野が中心であるが、地誌も1題出題された。各大問とも4問程度の論述問題が含まれる。地形
図の読図も昨年に続いて出題され、描図問題もあった。
その他トピックス
描図問題が復活した。
<大問分析>
番号
出題形式
出題分野・テーマ
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
Ⅰ
論述
記述
選択
描図
Ⅱ
論述
選択
Ⅲ
論述
選択
Ⅳ
論述
記述
選択
地理の基礎的事項 Aはアジア、オセアニア地域の火山、河川、海岸地形
と自然環境、地形 などが問われた。論述はピナトゥボ山とハワイ島の火
図
山の特徴、海岸段丘が分布しない地点の理由説明(写
真使用)の2問で、後者は海岸段丘の成因についての
深い理解を要する。Bの地形図は尾根・谷の読図で、
尾根線の描図を含む。
工業・水産業
Aは日本の製造企業の海外現地法人数の統計を使用
し、ベトナムで近年の増加率が高い理由、1980 年代
以降の日本の企業の海外進出の推移などが問われた。
Bは2つのエビ養殖池の写真を使用し、土地生産性の
違い、土地生産性を極度に追求することによる課題が
問われた。問5は一般論として説明するのか、エビ養
殖池について説明するのか、判断に迷う。
交通と都市
問1はアメリカ合衆国、ドイツ、日本の輸送手段の統
計を使用し、統計判定のほか、日本とドイツの船舶貨
物輸送の特徴の違い、3か国の鉄道輸送の違いについ
ての論述を含む。問2は日本の輸送手段別のCO2排
出量の統計問題とパークアンドライドの説明、問3は
5つの首都の街路形態の説明と都市間の距離が問わ
れた。論述問題はいずれも定番問題で答えやすい。
赤道以南のアフリ 赤道以南のアフリカの白地図を用いて、南部アフリカ
カ地誌
の自然、旧宗主国、貿易などを問う。問1、問2の自
然についての論述は基本的であるが、問3のコンゴ民
主共和国の難民発生理由は時事問題で難問。問7の死
因と国名の判定も難しい。白地図から国名がわかると
いうことが解答の前提となる。
難易度
やや難
やや難
標準
やや難
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し
ています。
© 河合塾
2016 年
地歴公民(地理)
名古屋大学 文学部、情報文化学部(社会システム情報学科)
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<学習対策>
自然、社会、産業などの重要テーマについて、教科書レベルの知識をもとに分布図や統計表を読み取ら
せて論述させる問題が中心である。そのため、地理用語や地名とその地図上の位置などの地理の基本的
な知識だけでなく、自然は成因から、社会・産業は背景から説明できるような地理的見方・考え方を身
につける必要がある。教科書をよく読みこなし、参考書などで補足しながら、地理用語や地理的事象を
100~200 字程度の文章で説明する練習を繰り返し行うことが効果的である。描図問題は、グラフの作
成や地図への記入などのほか、過去には白地図や地形図の作成なども出題され多彩であるので、地図帳
をよく見ておくとともに過去問の研究もしておくとよい。地形図読図は、難易度も高いことが多いため、
過去問を見て傾向を把握し、対策を行っておきたい。時事問題も出題されたので、機会があれば新聞や
テレビのニュース特集などを見て、世界で起こっている出来事や問題などに興味・関心を持っておこう。
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2016 年