自然地理01地形と気候ⅰ

地理短答記述問題2
やや易 1.
~自然地理(1)地形と気候 (ⅰ)~
★★★☆☆
世界の陸地は、地球の歴史約 46 億年の中での形成年代により、安定陸塊(安定地塊)
、古期造山帯、新期造山帯
の3つに分類されるが、いずれも産出される鉱物や天然資源が異なっている。各大地形に特徴的な産出物をそれ
ぞれ答えなさい。
易
2.
【 安定陸塊: 鉄鉱石
古期造山帯: 石炭
1の新期造山帯は、現在の地球上において2つ存在する。それぞれを何と呼ぶか、△△造山帯の形で、両方とも
記しなさい。なお、順番は問わない。
標準
新期造山帯:石油(原油) 】
3.
【 アルプス・ヒマラヤ造山帯、環太平洋造山帯
】
河川は主に侵食・運搬・堆積の3つの作用を有する。では{
(a)U字谷(b)V字谷(c)カール(d)三角州
(e)三日月湖(f)カルスト地形(g)石の角が取れる}は、それぞれ河川のどの作用に最も対応するか、記
号で答えなさい。
【侵食:b,e
運搬:g
堆積:d
該当なし:a,c,f】a,cは氷河、fは石灰岩の溶解による
aとbの形状に注意! aは氷河が削った谷であり、これが海面下へ沈降してフィヨルドを形成。 bは河川の下方侵食により主に上流で険しい谷を形成。
やや易 4.
海岸地形を大別すると、沈水海岸と離水海岸がある。このうち、港に適しているのはどちらか(a)
、宮崎平野は
どちらに該当するか(b)、津波の被害が大きくなるのはどちらか(c)について、それぞれ記号で答えなさい。
【沈水海岸:a,c(山地が沈降。深く入り組んだ湾を形成)
離水海岸:b(海底が隆起。遠浅の砂浜海岸を形成) 】
ギザギザのリアス式海岸となる。三陸海岸やスペインのガリシア地方など。
やや易 5.
千葉の九十九里浜も有名。
陸水は、地球上の全水量の約3%にすぎないが、氷河がその7割超を占めるため、気候変動による量の変化は地
表に大きな影響を及ぼす。では、氷河期において海岸線は前進するか後退するか、答えなさい。【 後退する 】
氷期に陸上で水が凍る→その分海水が減り、水位が下がる→海岸線が後退する(=海退)
。 温暖な時期にはこれと反対に海進が起こる。 約1万年前に最終氷期。
標準
6.
地下水は、陸水のうち氷河に次ぐ水量を有する。山地の急傾斜から緩傾斜に移る部分にできる扇状地において、
地下水が最も多く流れている場所は、扇頂、扇央、扇端のうちどこか、答えなさい。
【 扇央 】
地下水位が深く水が得にくい反面地盤が強固なため、旧来の果樹園から宅地へと土地利用の転換が進んでいる。 他方、扇頂・扇端には湧水がみられる。
やや難 7.
火山は、マグマの粘性(粘り気)によってその形状や噴火の様子が異なる。ハワイの火山は盾状火山(楯状)が
多いが、これらの火山のマグマの性質と噴火の様子について山の形から推測できることを一行程度で述べなさい。
【 粘性に乏しい玄武岩質のマグマであり、噴火は比較的穏やかだが高温の溶岩流が広範に斜面を下る。 】
SiO2(二酸化ケイ素)の含有率でマグマの性質及び噴火の様子が異なる(結晶分化作用)
。流紋岩質マグマはネバネバで水蒸気を多く含み、爆発的な噴火で火山灰等が飛散する。
標準
8.
気候を決定づける気候要素の代表的なものを3つ挙げなさい。
【 気温、風、降水量 他、日照時間、湿度、気圧など 】
緯度、地形、標高、隔海度、海流などの気候因子としっかり区別しましょう。
やや難 9.
日本の東北・北海道と同緯度に位置するヨーロッパの国や地域の気候を比較すると、冬季のヨーロッパは緯度の
割に温暖であることがわかる。この差を引き起こす欧州側の要因の自然現象について一行程度で述べなさい。
【
一年中卓越して吹く偏西風と、
それに伴う暖流の北大西洋海流が低緯度地域の熱を輸送するため。
】
大陸西岸に位置すること(西岸海洋性気候区:Cfb)や低平な地形も関係しますが、自然「現象」にはややピント外れか。スペース的にも大変です。
難
10. 砂漠の形成理由は、大きく3つの要因に分けられる。次に示す各砂漠の成因をそれぞれ一行程度で述べなさい。
【サハラ砂漠: 一年中高気圧が発達する中緯度高圧帯に位置し、下降気流が卓越して降水が少ないため。 】
タクラマカン砂漠【ゴビ砂漠:
広大な大陸の中央部で隔海度が大きく、海洋からの水分を含んだ雲が到達しにくいため。 】
ネフド砂漠
ナミブ砂漠
【アタカマ砂漠:沖合を流れる寒流により低層の大気が冷却されて上昇気流が起こらず雲が生じないため。 】
↑それぞれの例
ある一定の空気の塊(空気塊)は、周囲の大気より高温だと、自身の温度を低下させながら上昇していき、露点を境に雲を生じさせます。
ところが、下層の空気塊が寒流で冷やされて周囲より低温になると、大気が安定し上昇気流が起こりません。これを、
「気温の逆転現象」といいます。
やや難 11. 冬季の日本海側は、世界でも有数の豪雪地帯である。なぜ多量の降雪があるか、理由を一行程度で述べなさい。
【 日本海上で水蒸気の供給を受けた北西季節風が、日本列島の脊梁山脈に衝突して上昇し冷却されるため。】
冬のユーラシア大陸東部に発達するシベリア高気圧からは、低温・乾燥の季節風が時計回りに吹き出し、この風が上記プロセスを経て降雪をもたらす雲となります
やや易 12. 次の文の【 】に適語を入れなさい。「ケッペンは、世界の気候を【 植生(植生の分布) 】によって区分した」
記述問題の難しさは、いかに簡潔にポイントを示して書けるかにあります。特に字数制限がある場合には、問題の要求を的確に把握しましょう。
なお、私のものは解答例の一つにすぎないため、もっとよい解答がバンバン出てくると思われます。もちろん、筋が通っていれば正解です。
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