基本例題1

2015 年度 入門物理学 基本例題集 その 1
最低限このレベルは解けるようになっていてほしいという問題を挙げました。参考にしてください。
等加速度運動
1
1.1
等速度運動
(1) 変位とは何か答えよ.
(2) 速さと速度の違いを答えよ.
(4) この問題設定における a − t, v − t, x − t グラフを
書け.
(5) (やや難) 物体を落下させるときに下に投げつけ
て初速度を与え,地面に当たるまでの時間を前問の
時間の半分にするには,初速度をいくらにすればよ
いか.
(3) 物体が x 軸に沿って 1 次元運動をしている.時刻
t = 0 で x = 1 にいた物体が一定の速度 v0 = 3 で
進むとき,時刻 t = 3 での位置 x を求めよ.また
t = 0 から t = 3 までの変位はどれだけか.
(4) 物体が x 軸に沿って 1 次元運動をしている.時刻
t = 0 で x = 1 にいた物体が一定の速度 v0 = −4
で進むとき,時刻 t = 3 での位置 x を求めよ.また
2
2.1
運動方程式
力のつり合い
(1) 図の物体 A に働く力の矢印を全て書き込み,それ
がどのような力であるかを答えよ.
t = 0 から t = 3 までの変位はどれだけか.
!!
1.2
!!
等加速度運動
図 1: 水平な床の上物体
(1) 時刻 t = ti [s] から t = tf [s] の間に物体の速度が
vi [m/s] から vf [m/s] に変化した.このときの平均
の加速度 ā を単位も含めて答えよ.
また,時刻 t = ti [s] における瞬間の加速度をより
正確に求めたければどのようにしたらよいか考えよ.
(2) 物体が 1 次元の等加速度運動をしている.時刻 t = 1
で速度 v = 4 であった物体が,時刻 t = 5 で速度
(2) 図の物体 A, B に働く力の矢印を全て書き込み,そ
れがどのような力であるかを答えよ.また,重力加
速度の大きさを g ,物体 A, B の質量をそれぞれ M ,
m,物体 C の斜面の角度を θ とするとき,それぞ
れの力の大きさを求めよ.
v = −20 に減速した.t = 1 から t = 5 における加
速度はいくらか.また,この間に進んだ距離はいく
らか.
#!
!!
"!
1.3
等加速度運動の例:落体の運動
物体を地上 h の高さから自由落下させる.地面を座
標原点として,鉛直 上向き に座標軸を取る.重力加速
図 2: 水平な床の上の物体
度の大きさは g とする.
(1) 時刻 t での物体の速度と速さはそれぞれいくらか.
ただし物体は地面に当たっていないものとする.
(2) 時刻 t での物体の位置・変位・道のりはそれぞれい
くらか.ただし物体は地面に当たっていないものと
(3) (やや難) 前問の設定で,物体 C に働く力の矢印を
書き込み,その力の大きさを求めよ.物体 C に付け
られた滑車は C の一部分であるとする.
(4) (講義では扱っていない問題)
する.
質量 10 kg の荷物に水平方向から力を加えて動か
(3) 物体が地面に当たる時刻と,当たる直前の速度およ
び速さを求めよ.
す.大きさ 49 N の力で押したときに荷物が動き出
したとすると,荷物と床の間の静止摩擦係数 µ はい
くらだと考えられるか.重力加速度の大きさを 9.8
[m/s2 ] として考えよ.ここで,静止している物体が
動かされまいと踏ん張る最大の力を最大静止摩擦力
(4) 1 次元上を互いに逆向きに運動している物体 A, B
がある.A は質量 2 kg で速さ 8 m/s,B は質量 4
kg で速さ 4 m/s で進んできて,衝突した.衝突後,
A と B がくっついて一つになったとすると,その物
体の速さはいくらになるか.
というが,この力 fmax と物体が床から受ける垂直
抗力 N とは
fmax = µN
という関係にある.
2.2
(5) 前問の設定で,今度は物体 A, B が硬いものででき
ていて衝突後に互いを弾き飛ばしたとする.物体 A
が速さ 6 m/s で跳ね返されたとすると,B の速さは
運動方程式
いくらになったと考えられるか.
(1) 質量 10 kg の物体に力 20 N を加えるときに物体に
生じる加速度 a はいくらか.力の方向を加速度の正
の向きとする.
(2) (やや難) 2 次元平面で質量 10 kg の物体に力
3.2
力学的エネルギー保存則
(1) 物体に力 F [N] を加えて,力の方向に距離 s [m] だ
け動かしたとき,物体に加えた仕事 W [J] はいく
らか.
F = (Fx , Fy ) = (20N, 30N)
を与えるとき,x, y 方向の加速度 ax , ay をそれぞれ
(2) 物体に力 F [N] を加えて,力の方向と角度 θ をな
す方向に距離 s [m] だけ動かしたとき,物体に加え
求めよ.
た仕事 W [J] はいくらか.
(3) 質量 M, m の物体 A, B が図のように滑車を通して
軽くて伸び縮みしないひもで結び付けられている.
(3) 質量 60 kg の物体が速さ 10 m/s で動いているとき
台と A の間の摩擦は無視してよく,重力加速度の大
に持っている運動エネルギー K はいくらか.
きさを g とするとき,物体 A, B の加速度を a とし
(4) 質量 m の物体は,存在するだけで潜在的に E = mc2
てそれぞれの運動方程式を立てよ.ひもの張力の大
という静止エネルギーを秘めていることがわかって
きさは T とせよ.またその運動方程式から a と T
いる.ここで c は真空中の光の速さで,c = 3.0×108
を求めよ.
m/s である.この値は前問の運動エネルギーと比べ
て何倍か.
!!
(5) 保存力の例を挙げよ.また,保存力でないものの例
を挙げよ.
"!
"!
(6) 重力が一定であるとするとき,質量 m の物体を地面
から高さ h の地点に持ち上げるのに必要な仕事 W
はいくらか.またそのことから,物体に蓄えられる
位置エネルギー U は地面を基準としたときにいく
図 3: 2 体系の運動
らだとわかるか.重力加速度の大きさは g とする.
(7) 高さ h の地点から坂を転がした物体が高さ h − ℓ の
地点にきたときの速さを,力学的エネルギー保存則
(4) (やや難) 前問の設定で,物体 A, B をひとまとまり
の物体と考えたときに運動方程式がどうなるかを考
えよ.
を使って求めよ.摩擦などは無視できるものとする.
(8) (やや難) ばね定数 k のばねが自然長から A だけ縮
んでいるときに持つ位置エネルギーは,自然長の状
態を基準とすると U = 12 kA2 となることを導け.
3
3.1
保存則
運動量保存則と力積
(9) ばね定数 k のばねを摩擦のない水平面に置き,その
先に質量 m のおもりをつけて振動させる.ばねを
自然長から A だけ縮めて振動させるとき,ばねが
(1) 力積と運動量の定義をそれぞれ答えよ.
自然長になったときのおもりの速さを力学的エネル
(2) 力積と運動量の間にはどのような関係があるか.
ギー保存則を使って求めよ.
(3) 運動量保存則が成り立つのはどのようなときか.