ECB理事会〜量的緩和の効果を強調し、景気に自信(2015/4/16作成)

*グローバル投資環境
No.959*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
ECB理事会~量的緩和の効果を強調し、景気に自信
2015年4月16日作成
ECBは4月15日に理事会を開催、政策金利である主要借換金利を0.05%、中銀貸出金利を
0.30%、中銀預金金利を▲0.20%でそれぞれ据え置いた。
ECBは3月9日から開始した資産買入プログラムは、予定通り月額600億ユーロ規模で順調に
進んでいるとした上で、金融市場環境や民間部門の対外調達コストが過去1ヶ月で相当程度改善
し、企業や家計の借入環境が改善し、資金需要が目に見えて持ち直すなど、政策が効果を発揮
しつつあることの明確な証拠がみられると述べている。また、資産買入は少なくとも2016年9
月まで継続し、2%のインフレ目標達成に向けた持続的な調整を確かなものとするために必要な
場合には延長することも確認した。
昨年第4四半期が前期比0.3%成長となったユーロ圏の経済についてECBは、「3月のサーベイ
データを含む経済指標は、昨年末以降さらなるモメンタムを得ていることを示しており、我々
は、景気の回復が幅広く、緩やかに強まることを見込んでいる。国内需要は、現在進行中の金
融情勢の改善や、財政強化と構造改革にさらにサポートされるだろう。加えて、低い石油価格
が家計の実質可処分所得や企業の収益性を、さらには民間消費や投資を下支えし、価格競争力
の改善がユーロ圏の輸出に恩恵を与えよう」と述べている。
ヘッドラインインフレは1月の▲0.6%、2月の▲0.3%から3月は▲0.1%となったが、ECBはそ
の主な要因は1月半ば以降のユーロ建ての石油価格の上昇によると述べている。ECBは、「最近
の石油価格に関する情報に基づけば、インフレは今後数ヶ月低位あるいはマイナスで推移した
後、金融政策が需要に与える好ましい影響とユーロ安効果により2015年の遅くから上昇に転じ、
2016年と2017年を通じてさらに上向くだろう」と述べている。
ECBは4月10日時点で616億ユーロの国債等を購入しており、うち3月末までに買入れた473億
ユーロについては国別の内訳が示されているが、これによると概ねECBへの出資比率に応じて
買入れている模様である。 《国債の国別買入れ額》
(億ユーロ)3/31現在)
国
市場では、ユーロは対
米ドルでパリティ(1
ユーロ=1米ドル)まで
下げるとの見方も出てい
るが、ECBによる追加の
政策対応は考えにくいた
め、ユーロのさらなる下
落には、米国の利上げに
対する思惑を背景にした
米国債券利回りの上昇が
必要になのではないだろ
うか?
(文責:勇崎 聡)
保有残高 保有割合 出資額
出資比率
(億ユーロ)
(億ユーロ)
オーストリア
12.15
2.6%
2.13
2.8%
ベルギー
15.27
3.2%
2.68
3.5%
ドイツ
110.63
23.4%
19.48
25.6%
スペイン
54.44
11.5%
9.57
12.6%
フィンランド
7.74
1.6%
1.36
1.8%
フランス
87.52
18.5%
15.35
20.1%
アイルランド
7.21
1.5%
1.25
1.6%
イタリア
76.04
16.1%
13.33
17.5%
リトアニア
0.39
0.1%
0.45
0.6%
ルクセンブルク
1.83
0.4%
0.22
0.3%
ラトビア
0.75
0.2%
0.31
0.4%
マルタ
0.05
0.0%
0.07
0.1%
オランダ
24.86
5.2%
4.33
5.7%
ポルトガル
10.73
2.3%
1.89
2.5%
スロベニア
2.09
0.4%
0.37
0.5%
スロバキア
5.06
1.1%
0.84
1.1%
エストニア
0
0.0%
0.21
0.3%
ギリシャ
0
0.0%
2.2
2.9%
キプロス
0
0.0%
0.16
0.2%
欧州機関債
56.8
12.0%
―
―
合計
473.56
100%
76.2
100%
※ECBには非ユーロ圏からも英国など9ヶ国が出資している
(出所:ECB及びBloombergデータより髙木証券作成)
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