2015/4/7作成

*グローバル投資環境
No.949*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
2会合連続で金利据え置きも追加利
オーストラリア準銀理事会~下げを見込むスタンスは変わらず
2015年4月7日作成
オーストラリア準備銀行は7日に理事会を開催し、政策金利を2.25%で据え置いた。同準銀は2
月3日に開いた前々回の理事会において、16会合ぶりに25ベーシスの利下げを実施した後、2会合
続けて利下げを見送っている。
オーストラリア経済について声明文は、「得られた指標は、かなり弱い国内需要の伸びによって、ト
レンドを下回るペースでの成長が続いていることを示唆している」という前回(3月3日)理事会の声明
文で示した見方を維持しており、その理由として企業の資本支出の減少を挙げている。その上で、先
行きについても「失業率は過去1年間の間に緩やかに高まった。経済はしばらくの間、余剰能力のも
とに運営されるだろう」という前回声明文の表現を踏襲しているほか、 「賃金の伸びが抑制されてい
ることにより、より低い為替レートにも関わらず、今後1~2年間のインフレは目標に一致するだろう」と
いうインフレに対する見通しも変わらない。
住宅市場について声明文は、「住宅価格はシドニーで引き続き大きく上昇しているが、他の都市で
はここ数ヶ月の間異なるトレンドが観察される。住宅市場から起因する経済のリスクの評価あるいは
抑制は、別の規制を通じて行う」と述べており、こちらの表現も前回理事会の声明文と同じである。
声明文は為替について、「豪ドルは米ドルに対して著しく下落したが、通貨バスケットに対してはそ
れほど下落していない。とりわけ最近の商品価格のさらなる下落を考えると、さらなる下落が有り得る
だろう。経済がバランスのとれた成長を達成するためには、より低い為替レートが必要だ」と述べてお
り、前回理事会の声明文とその大意は変らないものの、「さらなる下落が有りうるだろう」という一節は、
前回理事会の声明文の「ファンダメンタルズに基づくほとんどの推定を上回っており」から置き換わっ
ており、今回の声明文は豪準銀の通貨安志向をより直接的にあらわしているといえるだろう。
声明文の末尾に記されている今後の政策スタンスに
関する記述は、「今のところ金利を据え置くことが適切
だが、需要の持続的な成長を促進し、インフレをター
ゲットに一致させるためには、政策のさらなる緩和が適
切になるだろう。我々は、来るべき会合においてさらな
る評価を実施する」であり前回とほぼ同じである。
今回の理事会について市場では金利据え置きとの見
方と、25ベーシスの利下げ予想が拮抗しており、とりわ
け直前の豪ドルの下げと1年債利回りの下落は利下げ
を相当程度織り込んでいたと思われる。今回の金利据
え置き決定を受けて、為替市場では豪ドルが反発する
とともに、債券市場では利回りが上昇しているが、準銀
が追加利下げを視野に入れていることに変わりはない
ため、5月5日に予定されている次回の理事会が近づく
につれて、通貨豪ドルと債券市場は徐々に神経質な展
開になっていくと思われる。 (文責:勇崎 聡)
円/豪ドル(上段左軸)と米ドル/豪ドル(同右軸)及び
政策金利と国債利回り(下段、%)
(出所:オーストラリア準備銀行及びBloombergのデータより髙木証券作成)
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