*グローバル投資環境 No.1294 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ニュージーランド準銀理事会 ~25ベーシスの利下げを実施、追加利下げの可能性も示唆 2016年3月10日作成 *ニュージーランド準備銀行は10日に理事会を開催、政 【図1】政策金利(%)及びCPI(前年同期比,%) 策金利を2.50%から2.25%に引き下げた。昨年6月以降 の断続的に実施された累積の利下げ幅は125ベーシスに 達している。 政策金利 2.25% *グローバル経済について声明文は、「中国や他の新興 市場の弱い成長によって、グローバル成長見通しは昨年 12月以降悪化した。金融市場の変動性は高まっており、 10-12月 商品価格は引き続き低い」と述べている。一方、国内経 CPI+0.1% 済については、「乳製品セクターは困難に直面しているが、 国内への移住者の強い伸びや、旅行者、建設活動のパイ【図2】GDP成長率(%) 7-9月 プライン、緩和的な金融政策によってサポートされるだろ 前期比 +0.9% う」と述べている。 為替について声明文は、「加重平均の為替レートは12月 * 前年同期比 時点の予想を4%上回っている。輸出物価の下落に鑑み +2.4% れば、為替レートのさらなる下落が適切だ」と述べている。 *声明文は住宅価格について、「オークランドの住宅価格 インフレは最近緩やかになったが、価格はなお高く、追加 の住宅供給が必要だ。住宅市場の圧力は、他のいくつか の地区で高まっている」として引き続き警戒感を示している。 【図3】乳製品国際電子入札価格 *声明文は、「見通しには多くのリスクが存在する」と述べ (米ドル/メタリックトン) ており、具体的には、対外的には、中国周辺を中心とする グローバル成長見通しと世界の金融情勢、国内要因とし ては、弱い乳製品セクター、インフレ期待の低下、高水準 の純移住者数が継続し、住宅市場に圧力がかかる可能 性を指摘している。 *インフレについて声明文は、 「燃料価格と他の輸入物価 の継続的な下落を背景にヘッドラインインフレはなお低位 【図4】為替(ニュージーランドドル) にあるが、コアインフレは1.6%であり、これを上回ってい る」と述べるとともに、「長期のインフレ期待は2%で十分に 固定されているが、インフレ期待レンジはかなり低下してき ↑対円(左軸) た。インフレ期待の低下が自己実現的になって将来のイン フレの結果を抑制するリスクを高めることが懸念材料だ」と ↓対米ドル(右軸) 指摘している。 *金融政策の先行きについて声明文は、 「ヘッドラインイン フレは2016年を通じての上昇が見込まれるが、ターゲット レンジに達するのは、以前の予想よりも遅れよう」という前回理事会の声明文と同様の見方を 示した上で、前回声明文での、「若干のさらなる政策の緩和(Some further policy easing)が 必要になるかも知れない」という表現から「若干の(some)」を削除、「将来の平均インフレ率を 目標レンジ(1~3%)の中央付近で確実に安定させるためには、さらなる政策の緩和(Further policy easing)が必要になるかも知れない」述べ、今回利下げを実施した上で、追加利下げの 可能性を前回理事会の声明文よりも強く示唆しているといえ、このことが今後のニュージーラ ンドドルの上値を抑える要因になると思われる。 (文責:勇崎 聡) (ニュージーランド準備銀行、同統計局及びBloombergより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/ 1/1
© Copyright 2024 ExpyDoc