利下げ指向も、米国利上げの影響見極めで政策金利据え置き(2015/12

*グローバル投資環境
インドネシアの金融政策~
No.1227 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
利下げ指向も、米国利上げの影響見極めで
政策金利据え置き
2015年12月18日作成
インドネシア中銀は17日に金融政策会合を開催、政
策金利を10会合連続で7.50%で据え置いた。
会合後に公表された声明文はその冒頭で「マクロ経
済の安定の保持、とりわけ2015年末のインフレは3%
を下回ることが見込まれるほか(11月17日に開いた前
回会合では2015年のインフレは4±1%の目標レンジの
下限近くに維持されると述べていた)、経常赤字は
GDPの2%程度が予想されることを背景に、金融緩和の
余地が拡がっていることを確信している」と述べてい
る。また、2016年のインフレについて中銀は引き続き
4±1%のターゲットレンジ内にとどまるとの見方を示
している。
インドネシアの経済について中銀は「世界経済の弱
い成長に沿って、2015年のインドネシア経済もまた減
速し、2014年の5.0%から4.8%への鈍化が見込まれ
る」と述べている。一方、2016年については、「主と
してインフラプロジェクトという形での財政刺激と、
頑強な消費に支えられて5.2~5.6%の成長が見込まれ
る」と述べている。
▼政策金利及びインフレ率(%)
政策金利7.50%
↑インフレ率 (前年同月比)
11月+4.89%
▼GDP(前年同期比、%)
▼為替(インドネシアルピア)
円/ルピア(左軸) ↓
ちなみに、先に述べた中銀の緩和指向のスタンスは、
11月17日に開いた前回の会合で政策金利を据え置く一
方、従来8.0%としていた預金準備率を12月1日付けで
7.5%に引き下げることを決定したことにあらわれて
ルピア/米ドル(右軸) ↑
いるが、今回の声明文で中銀は、「短期的には、国内
経済とともに、米国の利上げ後のグローバル金融市場 ▼10年国債利回り(右軸、%)と株価
(ジャカルタ総合指数、左軸)
をモニターする」と述べている。マクロ経済の改善を
背景にした利下げは、本質的には「良い利下げ」であ
10年国債利回り(右軸) ↓
り、インドネシアの通貨ルピアや同国の債券市場に
とってポジティブな要因だが、米国の利上げは新興国
通貨全般に対する売り圧力を惹起するため、その影響
が見極められるまでは静観する構えのようだ。
ジャカルタ総合指数↑
(文責:勇崎
聡)
(左軸)
(インドネシア中銀、インドネシア中央統計庁及びBloombergデータより髙木証券作成)
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