マレーシア金融政策会合 * *

*グローバル投資環境
No.1058 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
マレーシア金融政策会合
~金利据え置き。外部環境による景気下振れへの警戒強める
2015年7月13日作成
*マレーシア中央銀行は今月9日の金融政策会合におい
2015年
1-3月+5.6%
▼政策金利及び消費者物価(前年同期比,%)
↑政策金利
3.25%
(2011年1月~
2015年7月10日)
消費者物価
5月+2.1%
▼原油価格(WTI原油先物,期近物)
(2012年1月~2015年7月10日)
(円)▼為替の推移
(マレーシア
リンギ)
↑対米ドル[右軸]
←対円[左軸]
リンギ高
て、政策金利を3.25%で据え置いた。2014年7月に25
bp利上げして以降、6会合連続して据え置いている。
*声明文はマレーシア経済について、「最近の指標はより
緩やかなペースながら第2四半期も経済の拡張が続い
ていることを示している。個人消費は第1四半期に導入
した物品・サービス税(GST)前の駆け込み需要の反動
で減速が見込まれるが、継続的な賃金の伸びや安定し
た労働市場情勢により下支えされよう。投資活動は、製
造業、サービス業の資本支出とインフラ投資に牽引され
るとみられ、これらは対外セクターの弱いパフォーマンス
を相殺することに寄与しよう」と述べ、「マレーシア経済
は内需をドライバーに引き続き安定した成長軌道にあ
る」と総括している。
*インフレについては、「4、5月のヘッドラインインフレは平
均で2%だったが、GST導入の影響と最近の国内燃料
価格の調整で高まった後2016年下期に向けて鈍化し
よう。しかし、基調インフレは安定した国内需要動向を
背景に抑制されるだろう」と述べている。
*中銀は、「現在の政策金利の水準において、金融政策
は引き続き緩和的であり、経済活動に対してサポーティ
ブである」と述べている。しかし、「中銀は世界の成長と
金融のコンディションのリスクの高まりを理解している」と
の記述は、外部要因に起因する景気の下振れに対して
中銀が警戒を強めていることを示していよう。
*マレーシアの通貨リンギは、6月30日に大手格付け会社
のフィッチが格付け(外貨建:A-、自国通貨建:A)の見
通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げたことを
きっかけに買われる場面もあったが、最近の原油安を
受けて足下では対米ドルでの過去最安値を更新してお
り、当面は原油価格の動向がリンギのパフォーマンスの
鍵を握るだろう。
(文責:勇崎 聡)
▼GDP成長率(前年同期比,%)
(2011年1月~2015年7月10日)
(マレーシア中央銀行及び統計局、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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