脅威均衡論 JJ1SXA/池 村井友秀・防大教授は、「産経新聞・正論」で、…「脅威になる国とは、面積・人口・ 経済力が大きく、地理的に近く、攻撃能力があり、攻撃意図もある国である。 攻撃意図とは、軍事力を使って現状を変更しようとする意志である。中国は尖閣諸 島周辺の日本の領海に侵入を繰り返し、現状を変更しようとする攻撃意図がある。 地理的に近く、攻撃能力があり、攻撃意図があるのは中国だけである、従って日本 にとり最大の脅威は中国ということになる。 戦争のコストは軍拡競争のコストよりも大きい、軍拡競争によって平和が維持される のであれば、日本はより小さなコストを選ぶべきである。 軍事バランスを維持することによって平和が保たれ、ソフトパワーの競争になれば豊 かな民主主義国家である日本が独裁国家に負けることはない…中略…強大な隣国 の圧力にさらされた国家が進む方向は二つある、一つは追従、もう一つの方向は均 衡である、もし日本が中国に対して追従の方向に進めば、中国は好意的に対応し、 日本の対中貿易は増大して日本の経済的利益は拡大するであろう…中略…もし、日 本が中国に対して均衡の方向に進めば、中国は日本との貿易を拒否し、対中貿易に よる日本の経済的利益は縮小することになる、しかし、中国の圧力と威嚇に苦しむア ジア諸国の信頼と尊敬を獲得することができるであろう…」…と述べている。 中国と対等の軍事力を保有することは、ほぼ不可能に近い、日本ができる範囲で防 衛予算を最大限にとり、軍備を進め、後は、日米同盟に頼り、集団的自衛権で世界の 他の国々、特にアジアの国々と連携するしか無い。 中国脅威論は、誰でもわかる理論だと思うが、これがわからないというか、わかろうと しない人達も多いだろう。 来年度予算が、近く開催される国会で議論が交わされることと思うが、多分防衛費 の膨張に異論が出ることでしょう、異論を挟む政党・政治家は、前記の村井教授の中 国脅威論に、明確に反論できるのだろうか? 国家予算には限度がある、パイの切り分けで如何に大きい取り分にするかだ、防衛 費を大きくすれば、その他の分が小さくなる、国家の価値観の中で、小さくなったとこ ろを我慢するのは、国民の義務だ、前にも書いたが、生活が第一は当然だが、国家 の安泰が無くては元も子も無いことを知るべきだ。 防衛費のために福祉の予算を削るなどとんでも無いとわめく政党・政治家がいるで しょう、また、同じ事を言う大手メディアもあるでしょう、そんな甘言に拍手を送る国民も 多くいるでしょうが、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ事も大事であることを肝に銘じて もらいたいものだ。 (14,Jan,2015 記)
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