*グローバル投資環境 No.1295* ご参考資料 髙木証券投資情報部 「金融市場のボラティリティーは和ら ぎつつあるようだ」 カナダの金融政策会合~ 2016年3月10日作成 カナダの中央銀行(Bank of Canada)は9日に金融政 策会合を開催し、政策金利を0.5%で据え置いた。中銀 は昨年の1月と7月の金融政策会合において25ベーシス ずつの利下げを実施した後、金利の据え置きは5会合連 続である。 会合終了後に公表された声明文はグローバル経済に ついて、「概ね1月の金融政策レポートでの予想に沿っ て推移、経済モメンタムに対する懸念を背景にした金 融市場のボラティリティーは和らぎつつあるようよう だ」と述べており、最近開かれた他の国の中央銀行の 政策会合で示された認識よりもやや楽観的な印象があ る。 声明文は、石油や他の商品の価格が最近の週におい てリバウンド、カナダドルも直近の安値から上昇した ことを指摘した上で、「こうした動きによって、石油 価格と為替レートの平均は、1月の金融政策レポートで の予想に近い線になった」と述べている。 カナダの経済について声明文は、「第4四半期のGDP成 長率(前期比年率0.8%増)は予想を上回ったが、短期 的な経済見通しは概ね1月時点と同じである。資源との 関係が強い地域での雇用喪失にもかかわらず、国の雇 用は持ちこたえており、家計の支出は引き続き国内需 要を下支えしている。非エネルギー、とりわけ為替動 向に対する感応度の高いセクターの輸出がモメンタム を得ているが、企業による投資は、資源セクターにお ける切り詰めで極めて弱い」と述べている。 《中銀のGDP見通し》 (寄与度、%) 2015年 2016年 2017年 消費 1.1 1.0 1.1 住宅 0.3 0.1 0.0 政府 0.3 0.2 0.3 企業設備 -1.0 -0.5 0.5 国内需要 0.7 0.8 1.9 輸出 0.9 0.9 1.7 輸入 0.0 0.5 -1.3 純輸出 0.9 1.4 0.4 在庫投資 -0.4 -0.8 0.1 GDP 1.2 1.4 2.4 (1/20発表) カナダのトータルCPIは、昨年12月の1.6%から今年 の1月には2.0%に加速し、2014年11月以降で初めて中 銀のターゲットを上回ったが、声明文はインフレの先 行きについては、「カナダ経済の本質的な過剰能力が 引き続きインフレを弱めるだろう」と述べている。 声明文は今回の政策決定の背景について、 「全ての 事項を考慮すれば、インフレプロファイルのリスクは 概ねバランスしている」として、「現在の金融政策ス タンスが適切だと判断した」と述べている。 また、次 回の金融政策会合は4月13日に開かれるが、その際に公 表する「金融政策レポート」で示す経済予想に、3月22 日に明らかになる連邦予算のインパクトを盛り込むと 述べている。 (文責:勇崎 聡) (Bank of Canada、カナダ統計庁及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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