6会合連続で金利据え置き(2015/3/27作成);pdf

*グローバル投資環境 No.939*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
メキシコ中銀金融政策会合~6会合連続で金利据え置き
2015年3月27日作成
メキシコ中央銀行は3月26日に金融政策会合を開催し、
政策金利を6会合続けて3.0%で据え置いた。
会合後に公表された声明文における景気判断は、 1
月29日に開催された前回会合での「メキシコの経済活
動は緩やかな回復を続けている」から「メキシコの経
済活動はいくぶん弱いパフォーマンスをみせた」に下
方修正された。米国の製造業の活動鈍化に起因する輸
出のスローダウンや、価格下落による原油の生産減の
影響に加え、投資はゆるやかな回復をみせているもの
の、消費関連の指標にも大きな改善はみられないこと
を要因として挙げており、成長に対するリスクバラン
スは悪化したとの見方を示している。
(3月のインフレ率は前半のデータ)
GDP成長率(%)
前期比↑
↓前年同期比
メキシコ中銀は3±1%をインフレターゲットとして
いるが、インフレ率は2月には3%、さらに3月の前半に
は2.97%に低下してターゲットの中央値を僅かに下
回っているが、中銀のインフレ見通しは、「今後数ヶ
月間は3%近辺にとどまった後、年末にかけてはそれを
若干下回り、2016年は3%程度での推移が見込まれる」
であり、2月18日に発表された四半期レポートでの見方
を維持している。また、インフレ見通しに対するリス
クはバランスしていると述べており、上振れの要因と
しては、メキシコペソのさらなる下落の可能性を排除
できないことを指摘する一方、国内経済減速の可能性
と通信サービス及びエネルギーのさらなる価格下落を
下振れの要因として挙げている。
ところで、メキシコの中央銀行は従来から一貫して米国の金融引き締め観測に伴う米
ドル上昇の裏返しとしてのメキシコペソ安に強い警戒感を示しており、今回の声明文で
も、先のFOMCの「ハト派」な内容にもかかわらず、「米国の金融政策正常化の開始時期
の不透明感に起因するグローバル金融市場のボラティリティーの高まりがメキシコペソ
の影響を与えることは避けられない」との見方を示しており、「メキシコと米国の間の
政策スタンスと為替のパフォーマンスを特にモニターする」と述べている。以上の声明
文の内容に鑑みると、今後のメキシコ中銀の政策運営は為替の安定を第一義として行わ
れる可能性が高く、今年に入ってから多くの新興国の中央銀行が利下げに動いているが、
メキシコの場合、中央銀行の次の一手は利下げではなく利上げになる可能性を考慮して
おく必要があるだろう。
(文責:勇崎 聡)
(データ出所:メキシコ中央銀行及びBloombergより髙木証券作成)
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