全般季節予報支援資料

全般季節予報支援資料 1か月予報 2015年1月1日
予報期間:1月3日~2月2日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
なし
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多いでしょう。東・西日本日本海側では、平
年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側では平年と同様に晴れ
の日が多いでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
(3)確率
気温(%)
1か月
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
降雪量(%)
少 並 多
少 並 多
少 並 多
北日本
30:30:40
北日本日本海側
北日本太平洋側
30:40:30
20:40:40
30:40:30
40:30:30
30:40:30
東日本
30:40:30
東日本日本海側
東日本太平洋側
30:40:30
20:40:40
30:40:30
40:30:30
30:40:30
西日本
30:40:30
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
20:40:40
30:40:30
40:30:30
30:40:30
沖縄・奄美
30:40:30
沖縄・奄美
40:30:30
30:40:30
1週目(%)
2週目(%)
3~4週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
20:40:40
30:40:30
30:40:30
東日本
20:50:30
40:30:30
40:30:30
西日本
20:50:30
40:30:30
40:30:30
沖縄・奄美
20:50:30
40:30:30
40:30:30
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(12/25~12/31)は、27 日に高気圧が本州付近へ移動して冬型の気圧配置が弱まった
後、28 から 29 日にかけて本州の南岸沿いを低気圧が通過して全国的に天気が崩れた。そのほかの
日は冬型の気圧配置となり、日本海側では曇りや雪または雨、太平洋側では晴れた日が多かった。
沖縄・奄美では曇りや雨の日が多かったものの、30 から 31 日は、高気圧に覆われて概ね晴れた。
気温は、全国的に平年を下回った。降水量は、東日本と北日本日本海側、西日本太平洋側で平年
を上回り、西日本日本海側と沖縄・奄美で平年を下回った。日照時間は、北日本日本海側で平年を
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下回ったほかは、平年を上回った。
予報資料の解釈
●1か月(1/3~1/30)
・ 500hPa 高度は、日本の北を中心に正偏差、日本の南東海上は負偏差が予想されている。極うず
が大西洋から西シベリア付近に偏っており、極東の高緯度の高度場は高い予想。
・ 850hPa 気温は、日本の北で正偏差、日本の南で負偏差が予想されている。日本付近も正偏差だ
が偏差の大きさは小さい。
・ MJO の対流活発位相は、現在は海洋大陸付近にあり、1週目に太平洋西部に東進する予想。そ
の後は、さらに東進する成分と西部太平洋にとどまる成分が予想され、結果として、不確実な
がらも、西部太平洋で月を通して対流活発な傾向が続くことを想定する。
・ 熱帯の降水量はインド洋北部や太平洋赤道域の西部で正偏差の予想で、200hPa 速度ポテンシャ
ルでは西部太平洋熱帯域を中心に負偏差(上層発散偏差)となっている。
・ 海面気圧では、アリューシャン低気圧が平年の南西側で強い一方、シベリア高気圧は弱い予想。
●1週目(1/3~1/9)
・ 500hPa 高度は、亜熱帯ジェット沿いの波束伝播により、日本の西で正偏差、日本の東で負偏差
の予想。週間予報資料によると、期間の前半は日本付近に負偏差があるが、その後東進して、
日本の西ほど高度場が上がる予想。
・ 850hPa 気温は、日本付近は西ほど正偏差が明瞭で、西日本で+3℃以上と予想されている。
・ 海面気圧は大陸から日本の東にかけて低い予想。週間予報資料では、期間の後半に低気圧が日
本付近を通過する予想で、発達しながら通過する可能性もある。低気圧の通過前は、全国的に
気温が高く、西日本を中心に、かなり高い日もある見込み。
・ 以上から、北・東・西日本太平洋側は多雨・寡照傾向、北日本日本海側は降水・日照時間とも
ほぼ平年並を見込む。東・西日本日本海側は低気圧の影響で多雨傾向(西日本日本海側は降雪
量は少ない)、日照時間はほぼ平年並を見込む。沖縄・奄美は低気圧の影響は小さく少雨傾向
であるが、日照時間はほぼ平年並を見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●2週目(1/10~1/16)
・ 500hPa 高度は、日本の北で正偏差が予想され、特にアラスカ付近からシベリアにかけて正偏差
の極大が予想されている。これは、アラスカ沖から東シベリア付近でのリッジの発達と、寒帯
前線ジェット沿いの波束伝播でバイカル湖の東で正偏差となることが関連している。この南側
の、日本の東には負偏差が予想されている。
・ また、亜熱帯ジェット気流沿いの波束伝播により、日本の南で正、日本の東で負偏差が予想さ
れている。
・ 850hPa 気温は、日本の北で正偏差、日本の南で負偏差の予想。日本付近では、偏差は小さいも
のの、西ほど正偏差、東ほど負偏差の予想。シベリアは広く正偏差で、大陸側の下層寒気の蓄
積は弱い。
・ 海面気圧では、アリューシャン低気圧、シベリア高気圧とも南側で強い予想。ただし、本州以
北の下層風偏差は北西ではなく北~北東で、冬型の気圧配置は強いと見込まず、ほぼ平年並と
考える。
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・ 熱帯の対流活動は、ベンガル湾付近と西部太平洋で活発な予想。1週目の南シナ海付近の対流
活発にかかわる下層低気圧性循環偏差の西進や MJO の予想から、この傾向は採用できると考え
る。ただし、ベンガル湾と西部太平洋で対流活動が活発な場合の日本付近への影響は不確実。
モデルでは、西部太平洋の対流活発傾向が日本付近の高度場を下支えする影響が、ベンガル湾
で対流活発なことで日本付近の高度場を下げる影響に勝ると予想している。しかし、実際には
ベンガル湾付近の対流活発により低温側へ寄与する不確実性もあると考える。
・ 以上から、寒気は少し強めだが冬型の気圧配置はほぼ平年並を考える。東日本以西では、平年
並の範囲内でモデルより低温となることを見込むが、天候はほぼ平年並と見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(1/17~1/30)
・ 500hPa 高度は、日本の北で正偏差、日本の南で負偏差の予想。東シベリアには正偏差の極大が
見られ、メンバーによりリッジの発達を予測している。なお、東シベリアのリッジの発達には、
西部太平洋の対流活発にかかわる波束伝播も一部関連しているように見られる。一方、ユーラ
シア大陸の寒帯前線ジェット沿いの波束伝播も、バイカル湖付近で正、日本付近で負となる傾
向が予想されている。
・ 日本付近の 500hPa 高度のスプレッドは大きいものの、日本の北は正の高偏差確率が見られる。
このため、日本の南ほど高度や気温場が低い傾向となることを、少し考慮する。
・ 熱帯の対流活動は、海洋大陸から西部太平洋で活発な予想。先週の1か月予報資料より西側(海
洋大陸寄り)で対流活発となると予想され、先週資料に見られた日本付近で偏西風が北へ蛇行
するような傾向は不明瞭(200hPa 流線関数など参照)。
・ 850hPa 気温は、日本の北で正偏差、日本の南で負偏差の予想で、日本付近は北日本が偏差ゼロ
線近傍。シベリアは広く正偏差で、大陸側の下層寒気の蓄積は弱い状態が続く予想。
・ 海面気圧では、アリューシャン低気圧は平年より弱く、シベリア高気圧とも弱い予想。
・ 以上から、降水量・日照時間はほぼ平年並を見込むが、気温は東日本以西では低い傾向を少し
考慮する(40:30:30)。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○「向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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