短期予報解説資料1 2015年 1月19日 3時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①18 日 21 時 500hPa 面解析、朝 鮮半島付近のトラフ(5400m 付近、 約-36℃の寒気伴う)が東南東進。 沿海州付近に-39℃以下の寒気伴 う、動きの遅い寒冷渦がある。 ②日本海の低気圧は前項のトラ フと対応よく、 発達しながら東北 地方を指向。西・東日本の日本海 側中心に気圧の傾きが急になり, 風や波が強まってきた。 強風や高 波に注意。 南西と西よりの風のシ アーラインが低気圧中心から中 国地方付近へのび、 この近傍で対 流雲が発達。発雷も検知。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①19 日朝には 1 項②の低気圧は夜にかけ東北地方を通過、トラフが先行するため、19 日夜には三陸沖 で不明瞭化。このトラフ前面で関東の東に新たな低気圧が発生し、前線を伴って東へ進む。これら低 気圧が通過後、日本付近は再び冬型の気圧配置となる。気圧系の動きは速く、20 日後半は次のリッジ が接近し、日本海に高気圧が移動する。このため、西・東日本では冬型は次第に緩む見込み。 ②1 項②の低気圧の南側では下層温度場が上昇し(850hPa の-6℃線は 40゜N)、これと上層寒気の影響で 大気の状態は不安定。シアーラインが日本海側の地方を通過することもあり、東北・北陸を中心に落 雷、竜巻などの激しい突風に、山沿いや山地は降雪の強まりに注意。全国的に風が強まり(最大 18m/s)、 波が高まる(最大 3m)。北日本・北陸を中心に注意報級の大雪のおそれがある。なだれや着雪にも注意。 ③20 日午前中に 1 項①の寒冷渦が北海道付近を通過する。北日本ではメソじょう乱やシアーラインの 南下が予想され、局地的に非常に強い風が吹くおそれがあり、海上ではしける。局地的な降雪の強ま りにも注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①対馬海峡付近の灯台風で 20m/s 以上を観測。浜田の波の高さが 4m 弱まで急に高まる(波浪モデルよ り約 1m 高い)。日本海西部付近では GSM より強い風が吹いていると推定する。シアーライン近傍では 実況に合わせて風と波高の上方修正を検討。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北日本 50、北陸・関東甲信 40、東海 30、近畿 25、中国 15cm。②波(明日まで):北日本・山陰・九州北部 4、その他 2.5~3m。③潮位:大潮期間。北日本太平 洋側で注意報基準を超える可能性あり。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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