中国人民銀行が0.25%の利下げを決定

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2015年3月2日
マーケットレポート
中国人民銀行が0.25%の利下げを決定
~3ヵ月ぶりの追加利下げで景気を下支え~
中国人民銀行は2月28日、1年物の貸出基準金利を5.6%から5.35%へ、1年物の預金基準金利を2.75%から
2.5%へ引き下げると発表しました。また銀行の預金金利の上限について、従来の基準金利の1.2倍から1.3倍に
制限を緩和すると発表しました。利下げは2014年11月以来、約3ヵ月ぶりとなります。
◆ 利下げの背景
中国では習近平政権が経済成長の鈍化を「新常態(ニューノーマル)」として容認する中、年明け以降も景気の
減速やインフレ率の鈍化が続いています。1月の貿易統計では輸出・輸入とも前年同月比でマイナスとなったほ
か、1月の中国国家統計局発表の製造業PMI(購買担当者指数)は景気判断の分かれ目となる50を下回りました。
また1月の消費者物価指数は前年同月比+0.8%と5年2ヵ月ぶりの低い伸びとなっていました。
中国人民銀行は2月初旬、約2年9ヵ月ぶりに市中銀行の預金準備率の0.5%引き下げを決定するなど金融市
場への流動性供給の強化に努めていましたが、金融市場では景気減速やデフレ・リスクへの対応としては不十
分であるとして、追加利下げなど一段の金融緩和に動くとの予想が強まっていました。
◆ 今後の見通しについて
2月の中国国家統計局発表の製造業PMIは前月から僅かに上昇したものの、2ヵ月連続で50を下回っており、
金融市場では追加緩和への期待が残存しそうです。一方、中国人民銀行は声明で「利下げは実質金利を経済
成長、物価、雇用の基調的トレンドに見合う水準に維持することを狙ったもの」と強調しました。また「金融政策の
方向性の変更を意味しない」とし、本格的な金融緩和を期待する金融市場をけん制しています。
中国では3月5日から開催される全人代(全国人民代表大会、国会に相当)で2015年の成長率目標の発表が予
想されており、金融市場では従来の7.5%前後から7.0%前後へ引き下げられるとの見方が大勢となっています。
こうしたイベントを前に中国人民銀行が利下げに動いたことは株式市場では好感されそうですが、景気やインフ
レの動向を睨みつつ小刻みな金融調節を行うとの同行方針には変更はないとみられます。
以上
製造業PMIと消費者物価指数(前年同月比)の推移
(2011年1月~2015年2月*、月次)
55
(%)
消費者物価指数(右軸)
54
貸出基準金利と預金基準金利の推移
7
8
6
7
53
5
52
4
51
3
50
2
(2011年1月~2015年3月、月次)
(%)
貸出基準金利
5.35%
預金基準金利
2.5%
6
5
49
4
1
3
0
2
製造業PMI(中国国家統計局公表)(左軸)
48
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
11/1
12/1
13/1
14/1
(年/月)
15/1
(年/月)
*消費者物価指数は2015年1月まで
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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