ご参考資料 2016年8月2日 マーケットレポート オーストラリア準備銀行が3会合ぶりの追加利下げ ~政策金利は1.50%に。低インフレと通貨高に対応~ (図1)オーストラリアの政策金利の推移 ◆3会合ぶりの利下げ RBA(オーストラリア準備銀行、以下中央銀行)は8月2日、政策金利 であるオフィシャル・キャッシュ・レートを3日より0.25%引き下げ、過去 最低となる1.50%にすることを発表しました(図1)。利下げは今年5月 以来、3会合ぶりとなります。中央銀行は前回の金融政策決定会合に おいて今後の物価指標次第では今会合で追加利下げに踏み切る姿 勢を明確に示していましたが、前月27日に発表された4-6月期のイン フレ指標が市場予想を上回っていたこともあり据え置きの可能性も残 ることから、利下げの有無については注目が集まっていました。 (2013年8月1日~2016年8月3日、日次) (%) 3.5 8月3日より 1.50%へ 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 13/8 ◆利下げの背景 今回の利下げの理由は以下の3点と考えられます。 第一には、インフレ率の低下への対応です。前月に発表された4-6 月期の消費者物価指数上昇率は概ね市場予想並みの伸びを示しま したが、中央銀行が重視している基調インフレ率は目標レンジ(前年 同期比+2~3%)を下回る状況が続いています(図2)。声明文でも労 働コストの低い伸び、海外のインフレ圧力も弱いことを踏まえると、イ ンフレ率はしばらくの間は低い状況が続くと中央銀行は見ています。 第二には、豪経済のテコ入れです。豪経済は緩やかな回復基調が 続いているものの、労働市場や設備投資関連の指標などは回復感に 乏しい状況です。政府の財政発動余地が限られるなか、今回の追加 利下げも経済活動の下支えを意識したものと見られます。 第三には、通貨高の抑制です。オーストラリアは鉱業部門から非鉱 業部門への構造調整を進めていますが、中央銀行は通貨高がこのよ うな経済の調整を複雑にしている要因であると考えており、通貨高抑 制も目的の一つと考えられます。 14/8 15/8 16/8 (年/月) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 (図2)オーストラリアの基調インフレ率(前年同期比)の推移 (2011年4-6月期~2016年4-6月期、四半期) (%) 3.5 インフレ ターゲット 上限 3.0 2.5 インフレ ターゲット 下限 2.0 1.5 1.0 11/6 12/6 13/6 14/6 15/6 16/6 (年/月) ※基調インフレ率は消費者物価指数のトリム平均値と加重中央値の平均により算出 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 ◆今後の着目点 今回の利下げは事前に織り込みが進んでいたこともあり、豪ドル相 場は概ね落ち着いた動きとなっています(図3)。オーストラリアでは7 月に上下両院の総選挙が行われましたが、与党保守連合と野党のね じれ状況が解消されず、財政が改善する見通しが弱まったとして米格 付会社S&Pは国債格付の見通しを引き下げました。今後は格付維持 のためにも政府の財政出動余地は限られ、金融政策による景気下支 え効果への期待は高まるものと見られます。声明文では、追加利下 げに言及する文言は見られないものの、インフレ圧力が弱い状況はこ の先しばらく続くと中央銀行は見ています。従って5日発表のRBA金融 政策報告書のインフレ見通し、10月下旬に発表予定の7-9月期インフ レ率の結果次第では11月会合での追加利下げ観測が高まる可能性 があり、今後の通貨動向を見る上でも同国のインフレ動向に注視が必 要です。 (図3)豪ドルの為替レートの推移 (2013年8月1日~2016年8月1日、日次) (豪ドル/円) 110 100 対円(左軸) (豪ドル/米ドル) 1.1 豪ドル高 1.0 90 0.9 80 0.8 70 豪ドル安 0.7 対米ドル(右軸) 60 13/8 14/8 15/8 以上 0.6 16/8 (年/月) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。本資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/2 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 2/2
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