マイナス金利付き量的・質的金融緩和 - 三井住友トラスト・アセット

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マーケットレポート
2016年2月3日
「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入による
国内債券運用への影響について
日銀は、1月28日~29日の金融政策決定会合において、2%の物価目標を早期に実現するために、金融機関
が保有する日銀当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用することを決定しました。具体的には、当座預金を3
段階の階層構造(基礎残高、マクロ加算残高、政策金利残高)に分割し、それぞれの階層に応じて+0.1%、0%、
▲0.1%を2月16日から適用するものです。
また、一方でマネタリーベースの増加については年間約80兆円相当の現状維持とし、国債やJ-REITなどの資
産買入れについては従来どおりの金額を維持しました。
◆国内債券市場の反応について
日本国債のイールドカーブの変化
マイナス金利の導入について日銀は消極的と見
られていたことから、1月29日にマイナス金利の導 1.4
入決定が報じられると債券先物は過去最高値を
1.2
大幅に更新する150円70銭(前日比+1円17銭)ま
1.0
で一時上昇しました。また、日本国債についても
中期・長期ゾーン中心に金利低下圧力が高まった 0.8
ことを受けて、残存8年程度までの国債利回りがマ
0.6
イナスとなったほか、10年国債の利回りも現行の
日銀当座預金に対する付利水準(0.10%)まで低
0.4
下しました。
0.2
2月3日には、日銀総裁が都内の講演にて、金融
0.0
緩和手段が限界に近づいているとの見方が出て
いることについて「違和感のある表現」と述べ、「果 ‐0.2
たすべき目的のために必要であれば、そのために
‐0.4
新しい手段や枠組みを作っていけばよい」と語っ
たこともあり、金利水準はさらに低下しました。
(%)
1月28日
1月29日
2月3日
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 15 20 30
(年:国債の残存期間)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
◆国内債券運用への影響について
今後の国内債券市場については、日銀総裁がさらなる追加緩和策も辞さないことを表明する中、金利低下圧力
がかかりやすい状況が続くと考えられます。一方で、マイナス金利導入により金利の適正水準を見極めようとする
動きから、国内金利は当面振れ幅の大きい展開となり、国内債券市場の変動が大きくなることに留意が必要と考
えられます。
このような環境の中、国内債券を投資対象とするラダー型ファンド(*1)やインデックスファンド(*2)では、ポート
フォリオの利回りは全般に低下しており、インカム収入の減少が予想されます。このため、今後の国内債券を投資
対象としたファンドの基準価額の値動きにつきましてはインカム収入寄与が限定的となり、金利変動によるキャピ
タル損益の影響がより大きくなると考えられます。
(*1) 各残存年限の投資金額が同程度になるようポートフォリオを構築するファンド
(*2) 債券指数と連動する投資成果を目標としたファンド
以上
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