ご参考資料 2016年5月6日 マーケットレポート オーストラリア準備銀行が1年ぶりの利下げを決定 政策金利は1.75%に ~インフレ率低下と豪ドル高に対応~ ◆1年ぶりの利下げ (図1)オーストラリアの政策金利の推移 RBA(オーストラリア準備銀行)は5月3日に、政策金利であ るオフィシャル・キャッシュ・レートを5月4日より0.25%引き下 げ、過去最低となる1.75%にすることを発表しました(図1)。 利下げは昨年5月以来、1年ぶりとなります。市場では直近に 発表されたインフレ指標が市場予想を大幅に下回ったものの、 足もとの経済指標は概ね堅調に推移していたこともあり、5月 会合での利下げの有無については意見が分かれていました。 ◆利下げの背景 今回の利下げの理由は以下の3点と考えられます。 第一には、インフレ率の低下への対応です。先月発表され た2016年1-3月期の消費者物価指数上昇率は市場の予想に 反して前期比でマイナスとなり、RBAが重視している基調イン フレ率も前年同期比で大幅に伸びが鈍化しました(図2)。 RBAは最近インフレ率の低い状況が続く中で、労働コストの 伸びの低さや、海外のインフレ圧力の弱さを踏まえると、先 行きのインフレ見通しが従来予測していた水準よりも低くなる ことを懸念しています。 第二には、オーストラリア経済のテコ入れです。オーストラリ ア経済は、昨年は底堅い成長を示したものの、最近の労働 市場の指標が強弱まちまちの内容になっていることなどから、 経済活動の下支えを意識したものと見られます。 第三には、豪ドル高の抑制です。オーストラリアは鉱業部 門から非鉱業部門への比重を高めていく経済構造改革の途 上にありますが、RBAは豪ドル高はこのような経済構造改革 を妨げる要因と考えており、豪ドル高抑制も目的の一つであ ると考えられます。 ◆今後の着目点 4 (2013年5月1日~2016年5月5日、日次) (%) 5月4日より 1.75%へ 3 2 1 13/5 14/5 16/5 (年/月) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 (図2)オーストラリアの基調インフレ率(前年同期比)の推移 3.5 (2011年1-3月期~2016年1-3月期、四半期) (%) インフレ ターゲット 上限 3.0 2.5 インフレ ターゲット 下限 2.0 1.5 1.0 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 (年/月) ※基調インフレ率は消費者物価指数のトリム平均値と加重中央値の平均により算出 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 (図3)豪ドルの為替レートの推移 110 (2013年5月1日~2016年5月5日、日次) (豪ドル/米ドル) (豪ドル/円) 今回の利下げを受けて足もとの豪ドル相場は対米ドルでや 豪ドル高 100 や弱含みで推移しており、豪ドル高抑制には一定の効果が 見られています(図3)。ただし、先行きのインフレ率低下に歯 90 止めがかかったことを確認できなければ、RBAとしても追加 利下げの可能性は排除できないと見られます。中国経済の 80 減速が一服し、鉄鉱石などの商品市場が回復を見せるなど 豪ドル安 外部環境は徐々に安定化していることから、8月の金融政策 70 会合での追加利下げの有無を見極める意味でも、7月下旬 60 発表予定の4-6月期インフレ率の動向が注目されます。 13/5 以上 15/5 1.1 対円(左軸) 1.0 0.9 0.8 対米ドル(右軸) 0.7 14/5 15/5 0.6 16/5 (年/月) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。本資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/2 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 2/2
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