米国FRBがフォワード・ガイダンスを変更

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2015年3月19日
マーケットレポート
米国FRBがフォワード・ガイダンスを変更
~先行きの利上げはより緩やかなペースに~
FRB(米連邦準備制度理事会)は3月17日~18日に開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)において
フォワード・ガイダンス(先行きの金融政策に関する指針)の内容を変更し、約10年ぶりとなる利上げに向け
ての道を開きました。
今回のFOMC声明のポイントは以下の通りです。
◆ 今回のFOMC声明のポイント
●今年6月以降に利上げを行う可能性を示す。
FRBは、利上げ開始について「忍耐強く(can be patient )」あるとの文言を削除し、今年6月以降に利上げ
を行う可能性を示しました。今回の声明では、4月のFOMCで利上げを行う公算は小さいとしたうえで、「労
働市場がさらに改善し、インフレ率が中期的に2%に向かうと合理的に確信できた場合に利上げが適切と
なる」との表現に改めました。また利上げの時期は予め決められたものではなく、あくまで今後の経済指標
次第であることを強調しています。
●先行きの利上げのペースはより緩やかになる見通しであることを示す。
今回示されたFOMC参加者の最新の経済予測では、GDP(国内総生産)成長率、インフレ率、失業率の
見通しが昨年12月時点の予測から下方修正されるとともに、先行きの政策金利の見通しを大幅に引下げ
ました。例えば2015年末時点の政策金利見通し(予測の中央値)については、12月時点の1.125%から
0.625%に引き下げられており、先行きの利上げのペースはより緩やかなものになることを示しました。
◆ 市場の反応
3月18日の海外市場では、今回のFOMCの結果を受けて金融緩和からの脱却のペースは従来考えられて
いたよりも緩やかになるとの見方が強まり、米国株式や米国債が上昇(利回りは低下)する一方、米ドルが
全面安となりました。米国株式市場はNYダウが200ドル以上の上昇、米国10年国債利回りは1.9%台に低
下、米ドル/円は120円台まで下落しています。
◆ 今後の見通し
今回のガイダンス文言の変更により6月利上げ開始に向けた布石は打たれたものの、実際の利上げ開始
時期については、FOMCメンバーがインフレ率が中期目標である2%に向かうことについて確信を得ることが
できるタイミングが焦点となることから、今後発表されるコアインフレ率などのインフレ指標の動向が注目さ
れます。
また、FRBは米ドル高などの影響にも配慮し先行きの景気やインフレ動向についても慎重な見方をしてい
ることから、少なくとも現時点では利上げを急ぐ状況とは捉えておらず、先行きの利上げペースは緩やかな
ものになると想定されています。
従って6月に金利正常化に踏み出す可能性は排除はできないものの、9月以降に先送りされるとの見方が
強まったと見ています。
以上
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