マーケットレポート 米国大統領選挙~共和党ドナルド・トランプ氏が勝利

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2016年11月9日
マーケットレポート
米国大統領選挙
~ 共和党ドナルド・トランプ氏が勝利 ~
◆米国大統領選挙は接戦の末、共和党ドナルド・
トランプ氏が勝利
米国大統領選挙の結果(日本時間9日午後4時半現在)
ドナルド・トランプ氏
ヒラリー・クリントン氏
(共和党)
(民主党)
11月8日(日本時間9日)投票の米国大統領選挙は、共和
党のドナルド・トランプ氏が大方の予想に反して激戦州を制
276人
218人
選挙人
し、勝利しました。また、同時に実施された議会選挙でも
獲得数
過半数270人 (残りはミネソタ州などの44人)
上・下院で共和党が過半数を制するなど勝利したことから、
得票率
50.5%
49.5%
いわゆる大統領と議会のねじれ状況は解消されることとな
りました。
(出所)各種報道等を基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
◆大統領選挙結果を受けた9日の相場動向
事前の世論調査などでは民主党ヒラリー・クリントン氏の
優勢が伝えられていたことから、予想外の結果を受けて金
融市場は大きく変動しました。
9日の東京株式市場は開票経過に一喜一憂する展開と
なりましたが、トランプ氏の優勢が伝えられるとリスク回避
の動きが強まり、日経平均株価は前日比919円84銭安の
16,251円54銭と英国のEU(欧州連合)離脱の国民投票が
あった6月24日以来の下落幅となりました。
また、東京外国為替市場でも、午後には一時101円台前
半まで円高・米ドル安が進みました。一方、国内の10年国
債利回りは前日比ほぼ横ばいの▲0.07%と落ち着いた動
きとなりました。
株式・債券・為替の動き(前日比)
国内金融市場
日経平均株価(円)
11月9日
前日比
変化幅
16,251.54 ▲ 919.84
騰落率(%)
▲ 5.36
TOPIX(東証株価指数)
1,301.16
▲ 62.33
▲ 4.57
日本10年国債利回り(%)
▲ 0.07
▲ 0.01
-
米ドル/円(円)
102.22
▲ 2.30
▲ 2.20
ユーロ/円(円)
112.55
▲ 2.83
▲ 2.45
※株式は終値、債券は9日午後4時半現在、為替は当該日の東京市場
仲値を使用
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント
作成
◆今後の見通しについて
事前の世論調査などの予想を覆してトランプ氏が大統領選挙に勝利したことで世界の金融市場は大きく変動しており、
本日の海外市場もその流れが続くものと予想されます。トランプ氏はかねてより米国第一主義を掲げ、不法移民の排斥
や反グローバリズム、強力な保護貿易主義などを主張してきましたが、これが現実のものとなる可能性が高まったこと
から、米国内にとどまらず世界各国の政治情勢にも影響を与える事態が想定され、当面の金融市場ではリスク回避の
動きが残りそうです。こうした中、短期的には米国内の消費活動や貿易が停滞することなども想定され、市場の不安定
な動きが続く場合にはFRB(米連邦準備理事会)が年内利上げを見送る可能性が指摘されています。
一方、今回の議会選挙では共和党が上・下院で過半数を確保し大統領と議会のねじれ状況が解消しましたが、トラン
プ氏の掲げる政策は必ずしも共和党主流派の考え方に沿ったものではありません。このため、同氏が主張してきた諸施
策がどの程度実行に移せるのか不透明な状況です。
今後はトランプ氏と共和党との政策協調のもとで所得税や法人税の減税、財政拡大によるインフラ投資拡大などの諸
政策が打ち出され、経済に好影響を与えることが確認されれば、不安も徐々に解消に向かうと見られ、中期的には金融
市場も落ち着きを取り戻すことが期待されます。
以上
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