ご参考資料 マーケットレポート 2016年6月16日 日米が金融政策の現状維持を決定 ~ 米利上げ観測後退、日銀の緩和見送りで、円高・株安が進行 ~ FRB(米連邦準備理事会)は6月14-15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で大方の予想どおり追加利 上げを見送った一方、FOMC参加者による先行きの政策金利の見通しが引き下げられました。イエレン FRB議長は会見で次回7月のFOMCでの利上げ可能性を否定しなかったものの、金融市場ではFRBは早 期利上げに慎重との見方が強まりました。15日のニューヨーク市場では、利上げ観測の後退から米国10 年国債利回りが1.5%台に低下し、一時105円台半ばまで円高・米ドル安が進行しました。米国株式は、英 国のEU(欧州連合)離脱懸念など海外のリスク要因が意識されており、FOMCの結果に対する反応は限 定的となりました。 16日の東京市場は日銀金融政策決定会合の結果発表を前に手控えムードが強い中、円高・米ドル安 傾向が強まり、午前の日経平均株価は前日比▲174.78円の15,744.80円で引けました。その後昼前に日 銀が金融政策の現状維持を決定した直後、米ドル/円は104円台半ばまで下落、日経平均先物9月物は 前日比で一時▲400円以上の急落となりました。 ◆FOMC参加者の見通しのポイント ① 年内の利上げ回数は、2回との予想が多数。一方、年1回の予想も増加 ② 2017~18年の利上げ回数の予想は、年約4回から年3回に引き下げ 今回公表された参加者(17名)の2016年末時点 の政策金利予想(中央値)は、前回3月時の予想と 同じ0.875%(年内2回の利上げに相当)が多数とな りました。一方、16年末時点で0.625%(年1回に相 当)を予想する参加者が前回の1名から6名に増加 しました。 また2017~18年の予想(中央値)が大幅低下し た結果、0.25%刻みでの実施を前提とすると、年間 の利上げ回数の見通しが前回の約4回から3回に 引き下げられる形となりました。(右グラフご参照) FOMC参加者の政策金利予想(中央値) (%) 3.5 前回(3月) 3.0 今回(6月) 1.875 2.0 1.0 0.5 0.0 3.250 3.000 2.5 1.5 3.000 0.875 2.375 1.625 0.875 2016年末 2017年末 2018年末 長期均衡 ◆今後の注目ポイント FRB議長は会見で、今回の利上げ見送りについて「英国のEU離脱問題も判断材料の1つだった」と述べ ています。6月23日の英国国民投票で英国の「EU残留」が決定すれば、米追加利上げの時期を巡って米 国の景気やインフレの動向に再度金融市場の注目が集まりそうです。一方、「EU離脱」となった場合、現 時点では英国ほか欧州全般の景気や世界の金融市場にどの程度の影響が出るのか未知数ながら、短 期的には金融市場全般にリスク回避志向が高まると見られ、FRBも一段と利上げに慎重となるとの見方 が強まりそうです。 一方、日銀の動向も注目されます。年初来の円高・米ドル安傾向を受けて日銀が重視する生鮮食品、 エネルギーを除くコア消費者物価指数の伸びが鈍化しつつあり、7月28-29日の金融政策決定会合では 物価見通しの引き下げと合わせて追加金融緩和に動くとの見方は根強いと見られます。 以上 (出所)FRBのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。本資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/2 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 2/2
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