Column - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

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「投資のヒント」
2015年3月9日
※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。
ブラジル中銀の追加利上げとレアル相場の動向
・ブラジル中銀は0.5%の利上げを決定。レアル相場等の動向次第で、年内に0.25~0.5%の追加利上げの可能性も。
・財政政策への不透明感や、ペトロブラス汚職問題、経済状況の悪化から、足元でレアル相場の下落基調が続く。
・ルセフ政権は財政健全化の方針を維持しており、2015年にはプライマリー収支をGDP1.2%へ黒字化させる計画。
・ブラジル国債利回りは13%前後で安定推移。海外投資家による債券投資の流入回復はレアル相場の下支え要因に。
図1:主要新興国の政策金利の推移
ブラジル中銀は0.5%の追加利上げを決定
ブラジル中央銀行は3月3-4日(現地時間)の金融政策委員
(%)
14
会(COPOM)において、大方の市場予想通り、0.5%の利上げを
決定しました(図1)。ブラジル中銀の政策金利は今回の利上げ
により12.75%と2009年以来の高水準に達しています。主要
12
10
新興国でも中国やインドなどで金融緩和の動きが拡大する中、
ブラジル中銀はインフレ抑制のための金融引き締め姿勢を示し
12.75%
ブラジル
トルコ
インド
8
ています。
中国
6
レアル等の動向次第では追加利上げの可能性も
今後の金融政策に関しては、市場関係者の間では年末まで
4
メキシコ
政策金利が12.75%で据え置かれるとの見方が大勢となって
います。ただし、足元で下落基調にあるレアル相場等の動向次
第では、年内に0.25~0.5%の追加利上げが実施される可能
性も残されていると考えられます。
2
09
目となる1米ドル=3.0レアルまで下落しました(終値は1米ドル
ル相場の下落基調が続いている背景には、次の3つの点が挙
12
13
14
15
(年)
図2:ブラジル・レアルの対米ドル、対円相場
(レアル)
1.0
(円)
70
対米ドル相場
(右軸)
レアル高
=2.98レアル、図2)。一方、レアルの対円相場は2013年8月
以来となる1レアル=40円台まで調整しています。足元でレア
11
(出所)ブルームバーグ (期間)2009年1月1日~2015年3月4日
(注)中国の政策金利は1年物貸出基準金利。
レアル相場の下落基調が続く
3月4日の為替市場では、レアルの対米ドル相場は一時は節
10
60
1.5
レアル安
50
2.0
40
2.5
げられます。
 【財政健全化への不透明感】 3月3日にルセフ政権が提案
した財政緊縮策(給与減税廃止)に関する大統領令を上院
議長が拒否。
 【ペトロブラスの汚職問題】 米格付会社ムーディーズは国営
石油会社ペトロブラスの社債格付をジャンク級へ引き下げ(2
月24日)。また、検察当局は同社の汚職に関与したとされる
政治家への捜査を開始。
 【経済状況の悪化】 中銀コンセンサス調査(2月27日時点)
では、2015年のブラジルの実質GDP成長率予想は-0.58%
へ下方修正される(4週間前は+0.03%)。
30
対円相場
(左軸)
20
3.0
3.5
10
4.0
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年)
(出所)ブルームバーグ (期間)2001年1月1日~2015年3月4日
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終
ページをご覧ください。
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図3:ブラジル公的部門の財政収支の実績と計画
ルセフ政権は財政健全化を進める方針を維持
一方、3月3日に上院議長が財政緊縮策の大統領令を
(GDP比、%)
4
政府計画
プライマリー収支
拒否したことを受けて、既にルセフ大統領は同一内容の法
案を議会へ送るなど、ルセフ政権は引き続き財政健全化
2
を進める方針を崩していません。
0
ブラジル政府のプライマリー収支(利払い費を除く基礎的
1.2
‐0.6
‐2
財政収支)は2014年にGDP比-0.6%の赤字となったもの
の、政府は緊縮型財政政策を進めることで、2015年に
‐4
GDP比+1.2%、2016-2017年にGDP+2.0%までプライマ
‐6
リー収支の緩やかな改善を図る計画です(図3)。
‐2.7 ‐2.5
‐4.1
財政収支
‐6.7
‐8
07
ブラジル国債利回りは高水準での推移が続く
2.0 2.0
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17 (年)
(出所)ブラジル財務省
(注)プライマリー収支は利払い費を除く基礎的財政収支。
ブラジル中銀が利上げを継続する中、ブラジルの国債
図4:ブラジルの政策金利と2年国債利回り
利回りは足元で高水準での推移が続いています(図4)。3
(%)
月4日時点で、ブラジル2年国債利回りは13.00%、10年
14
国債利回りは12.68%の水準にあります。
13
2月24日の国営石油会社ペトロブラスの格下げを受けて、
12
一時は国債格付への波及を懸念する見方もあったものの、
11
ルセフ政権が財政健全化方針を改めて表明したことや、
10
ペトロブラスは総額137億米ドル相当の資産売却による自
9
主再建の計画を示したことなどから、国債利回りへの財政
8
リスクの波及は足元では限定的なものとなっています。
7
ブラジル2年国債利回り
13.00%
12.75%
ブラジル政策金利
6
海外投資家による証券投資の流入に回復の兆し
10
11
12
13
14
15
(年)
(出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2015年3月4日
2014年末にかけて一時的に流出がみられた海外投資
家によるブラジルへの証券投資は、2015年に入ると資金
図5:海外投資家によるブラジルへの証券投資
流入に回復の兆しがみられます。2015年1月の海外投資
家による証券投資は+97億米ドルの大幅な流入超となり
ました(図5)。資金流入の大半は債券投資の純流入
(+80億米ドル)が占め、高水準の国債利回りが海外投資
家による資金流入を促す要因となったと考えられます。
当面のレアル相場は不安定な展開が続く可能性
当面のレアル相場は、財政緊縮策を巡る政権と議会の
間での協議や、ペトロブラスの汚職捜査の進展次第によっ
ては不安定な相場展開が続く可能性があります。一方で、
ルセフ政権による中期的な財政健全化方針の維持や、
金利差に着目したブラジルへの債券投資の流入はレアル
(10億米ドル)
12
10 ブラジルへの
資金流入
8
6
4
2
0
‐2
‐4
‐6
‐8 ブラジルからの
資金流出
‐10
13年1月
13年7月
株式投資
債券投資
証券投資
14年1月
14年7月
15年1月
(出所)ブラジル中銀 (期間)2013年1月~2015年1月
相場の下支え要因になることが期待されます。
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、
金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終
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