Column ご参考資料 「投資のヒント」 2015年3月6日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 RBAの政策金利据え置きを受けた豪ドル相場の展望 ・豪州準備銀行(RBA)は政策金利の据え置きを決定。2月会合での利下げの効果見極めのため、様子見姿勢を示唆。 ・RBAは先行きの追加利下げの可能性に含みを残す。先物市場は5月までの追加利下げを概ね織り込んでいる。 ・RBAは豪ドル安を志向する姿勢を維持。ただし、量的緩和を継続するユーロや円に対しては豪ドル安は限定的。 ・豪ドルは対米ドルでの適正価格に近い水準と推定される。鉄鉱石価格安定や日欧との金利差は豪ドルの下支え要因。 図1:主要先進国の政策金利の推移 豪州準備銀行(RBA)は政策金利を据え置き (%) 豪州準備銀行(RBA)は3月3日の金融政策理事会で、 5 政策金利を2.25%で据え置く決定を下しました(図1)。前 回2月3日の0.25%の利下げ決定を受けて、2会合連続で 4 の利下げを予想する市場参加者も少なくなかったものの、 豪州 RBA総裁は「当面は政策金利の据え置きが適切と判断」 3 と述べ、利下げ効果を見極める様子見姿勢を示しました。 2.25% 2 RBAは今後の追加利下げの可能性に含みを残す ユーロ圏 カナダ 同時に、RBAは先行きの金融政策に関して、需要下支 1 えのための追加利下げの可能性に含みを残しました。次 米国 回4月7日および5月5日の理事会において、追加緩和の 0 日本 必要性に関して議論がなされる見込みです。 現在、先物市場では5月までに0.25%の追加利下げが 実施される確率がおよそ8割程度織り込まれています。足 元の豪州景気は設備投資や雇用の面で弱含みがみられ ることから、家計や企業の景気への信認回復を図るため、 スイス ‐1 09 10 11 12 13 14 15 (出所)ブルームバーグ (期間)2009年1月1日~2015年3月3日 図2:米ドル・ユーロ・円に対する豪ドル相場の推移 追加緩和が決定される可能性は高いと考えられます。 (米ドル、ユーロ) 1.2 豪ドル高 RBAは従来通りの豪ドル安志向の姿勢を維持 対米ドル(右軸) 1.1 一方、RBAは豪ドル相場に関して、①「豪ドルは米ドルに 豪ドル安 1.0 対して著しく下落してきたものの、通貨バスケットに対して はそれほどでもない」、②「豪ドルはファンダメンタルズから みた大方の推計値を依然として上回っている」と述べ、従 来通りの豪ドル安志向の姿勢を示しました。 足元での豪ドル相場の推移を見ると、米ドルに対しては1 豪ドル=0.78米ドル前後まで豪ドル安が進んでいる一方、 大規模な量的緩和を継続しているユーロや円に対しては 0.9 (円) 120 0.8 0.7 110 対ユーロ(右軸) 0.6 100 調整は限定的に留まっています(図2)。RBAはユーロや円 90 なども含む通貨バスケットに対する豪ドル安を志向してい 80 対円(左軸) るとみられるものの、世界的に金融緩和が拡大する中では、 各国間の金融緩和度の強弱が為替相場の方向性を左右 する要因となっていると言えます。 (年) 70 11 12 13 14 (年) 15 (出所)ブルームバーグ (期間)2011年1月3日~2015年3月3日 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 図3:豪ドル相場の適正価格の推定値 豪ドルは対米ドルでの適正価格に近い水準にある また、主要資源価格と金利差の面から豪ドル相場の適 正価格を推定してみると、対米ドルでの豪ドルの割高度は 既に相当な程度解消されつつあると考えられます(図3)。 (米ドル) 1.3 1.0 鉱石を中心とした主要資源価格の下落や豪・米間の国債 0.9 利回り格差の縮小などを背景に、豪ドルの適正価格は 0.8 2015年2月には1豪ドル=約0.82米ドルまで緩やかに切り 0.7 下がってきたとみられます。一方、足元の豪ドルの実勢相 0.6 場は1豪ドル=0.78米ドル前後で推移しており、現状の資 0.5 源価格および金利環境から判断すると、豪ドルは既に適 0.4 ます。 豪ドルの適正価格 (資源価格と金利差に 基づく推計値) 豪ドル安 米ドル高 0.82 0.78 推計値 -20% 豪ドルの対米ドル相場 (年) 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 (出所)ブルームバーグよりレッグ・メイソン・アセット・マネジメント作成 (期間)1990年1月~2015年2月 図4:中国向け鉄鉱石のスポット価格 中国の利下げ受けて鉄鉱石価格に底打ちの兆し 豪州の主要輸出資源である鉄鉱石市場では、中国人 推計値 +20% 1.1 レッグ・メイソン・アセット・マネジメントの推定によれば、鉄 正価格に近い水準まで調整が進んでいるとの見方ができ 豪ドル高 米ドル安 1.2 (米ドル/トン) 170 民銀行が2月28日に追加利下げに踏み切ったことを受け て、中国経済の持ち直しへの期待から鉄鉱石価格に安定 化の兆しがみえつつあります。 市場関係者の予想コンセンサスでは、中国向け鉄鉱石 価格は2015年は1トン=70米ドル前後で推移し、2016年 央には同80米ドル近辺まで回復が見込まれるとの見方が 150 130 110 大勢となっています(図4)。中国経済の先行きにはなお 70 慎重な評価が必要とみられるものの、今後、鉄鉱石価格 50 中国向け鉄鉱石 スポット価格 12 の底打ちが明らかとなれば、豪ドル安圧力の緩和要因とな ると考えられます。 13 14 15 (年) 16 (出所)ブルームバーグ (期間)2012年1月~2015年2月 (注)市場予想は2015年2Qから2016年2Qまでの四半期予想値 図5:主要国の10年国債利回りの推移 金利差は豪ドルの対円・ユーロ相場の下支え要因 金利環境の面では、豪州と米国の10年国債利回りの格 市場予想 (中央値) 90 (%) 6 差は2014年初以降、緩やかな縮小傾向にあります(図5)。 2015年は6月以降に米国での利上げ開始が見込まれる ことから、豪米間の国債利回り格差が今後も縮小する公 算が高いとみられます。 5 4 豪州 3 2.50% 米国 2.08% 一方、量的緩和を継続する日本や欧州では国債利回り の低下が顕著であり、豪州との金利差は依然として一定の 2 水準が維持されています。日本や欧州の投資家からみれ 1 ば豪州国債の利回りは相対的に魅力的な水準にあり、金 利差は豪ドルの対円、対ユーロ相場の下支え要因になる と期待されます。 0 10年 11年 12年 13年 14年 ドイツ 0.36% 0.35% 15年 日本 (出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2015年3月2日 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
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