Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年1月22日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 2016年1月のブラジル中銀の金融政策とレアル相場の動向 ・ブラジル中銀は市場予想外となる政策金利の据え置きを決定。中銀は国内外の不透明感を考慮し、様子見を維持。 ・ブラジル中銀は、海外では中国や原油相場の行方、国内では高水準のインフレ率や低迷する景気動向を注視へ。 ・世界的にリスク回避の動きが広まり、レアル相場は軟調地合い続く。ブラジル政治は議会休会により小休止の状態。 ・海外投資家によるブラジルへの証券投資の流出に歯止めがかかる兆し。ブラジル国債の保有残高も高水準を維持。 図1:ブラジル中銀の政策金利とインフレ率 ブラジル中銀は政策金利を14.25%で据え置き ブラジル中央銀行は2016年1月19-20日(現地時間) (%) 15 の金融政策委員会(COPOM)において、政策金利を 14 14.25%で据え置く決定をしました(図1)。ブルームバーグ 13 集計の市場予想では0.25%の利上げが予想されていたこ 12 とから、予想外の金利据え置きとなりました。 11 全8名のCOPOM政策委員のうち、6名が政策金利据え 10 置きを支持した一方、2名が0.50%の利上げに投票し、前 9 回2015年10月のCOPOMと同様に政策委員間での意見 8 が分かれる結果となりました。 7 ブラジル中銀は国内外の不透明感を考慮 6 今回のCOPOM声明文では政策金利を据え置いた背景 として、「国内外の不透明感」を考慮したことが指摘されま した。海外では、年明け以降、中国市場を巡る不安の高 まりや、原油価格の下落に歯止めがかからないことから、 世界的に株安基調が強まる傾向にあります。 一方、ブラジル国内では、インフレ率の高止まり傾向が 続く中、景気低迷が長期化する様相にあります。1月19日 14.25% ブラジル中銀 政策金利 2015年12月 前年比 10.7% 拡大消費者物価指数 (IPCA、前年比) インフレ目標(上限) 5 4 インフレ目標(中心) 3 2013年1月 2014年1月 2015年1月 2016年1月 (出所)ブラジル中銀、ブラジル地理統計院 (期間)2013年1月1日~2016年1月20日 拡大消費者物価指数は月次統計(2013年1月~2015年12月) 図2:ブラジル経済見通し(市場コンセンサス、IMF) に国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでは、 項目 ブラジルの実質GDP成長率予想の2016年が-3.5%(従 来は-1.0%)、2017年が0.0%(同+2.3%)に引き下げら 単位 2016年 2017年 市場コンセンサス (ブラジル中銀調査、1月15 日時点) れました(図2)。もっとも、直近の市場コンセンサス(ブラジ ル中銀調査)では、2016年の実質GDP成長率は-3.0%、 実質GDP成長率 % -3.0 1.0 2017年は+1.0%と予想されており、IMFはコンセンサスと 拡大消費者物価指数(前年比、年末) % 7.0 5.4 政策金利(年末) % 15.25 12.88 レアル 4.25 4.30 比べてやや慎重な見方を採っていると考えられます。 当面、ブラジル中銀は様子見姿勢の継続へ レアル相場(対米ドル、年末) 当面の金融政策に関しては、国内外の経済環境を注視 しながら、ブラジル中銀は様子見姿勢を継続するとみられ ます。市場コンセンサスでは、政策金利は2016年末には 国際通貨基金( IMF)見通し( 1 月1 9日時点) 実質GDP成長率 % -3.5 0.0 % -1.0 2.3 15.25%への引き上げが予想されているものの、国内外の 不透明感が長期化すれば利上げ見通しが下方修正され る可能性もあると考えられます。 2015年10月時点予想 (出所)ブラジル中銀、国際通貨基金 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 リスク回避の動きからレアル相場も軟調地合い 中国市場や原油相場の急変動から世界的にリスク回避 48 の動きが広まり、年明け以降のレアル相場は軟調な地合 46 いが続いています。レアルの対米ドル相場は1米ドル=4.0 44 レアル台で推移し、対円相場は米ドル安・円高の進行も あって1レアル=28円台へ下落しました(図3)。 ブラジル政治は議会休会により小休止の状態 2015年末にかけてはブラジルの政治的不透明感がレア ル相場の下落要因となったものの、昨年12月下旬から2 月1日までのブラジル議会の休会に伴って、ルセフ大統領 の弾劾手続きや財政健全化法案の審議は小休止の状態 にあります。もっとも、大統領弾劾に向けた野党陣営の追 足元で後退しつつある模様です。 2月の議会再開後は、昨年12月21日に就任したバルボ サ財務相を中心にしたルセフ政権の新経済チームが始動 することから、財政健全化と国内景気安定に向けた財政 図3:ブラジル・レアル相場の推移 (レアル) 2.50 2.75 対米ドル相場(右軸) 3.00 42 3.25 40 3.50 38 3.75 36 4.00 34 4.25 レアル高 32 4.50 対円相場(左軸) 30 4.75 レアル安 28 15年1月 5.00 15年4月 15年7月 15年10月 16年1月 (出所)ブルームバーグ (期間)2015年1月1日~2016年1月20日 い風となると見込まれた世論の動きは、昨年12月13日の 抗議デモが小規模となったことで、弾劾を推進する勢いが (円) 図4:海外投資家によるブラジルへの証券投資 (10億米ドル) 15 2015年11月 債券投資:+53.5億米ドル 株式投資:+9.0億米ドル 10 5 政策のかじ取りに注目が集まりそうです。 0 海外投資家の資金流出に歯止めがかかる兆し 海外投資家のブラジルへの証券投資は、2015年6月以 株式投資 ‐5 債券投資 降は資金流出傾向が続きましたが、2015年11月の統計 では資金流出に歯止めがかかる兆しが示されました。 2015年11月の海外投資家の証券投資は、債券投資が ‐10 14年1月 14年7月 15年1月 15年7月 (出所)ブラジル中銀 (期間)2014年1月~2015年11月 +53.5億米ドル、株式投資が+9.0億米ドルの純流入となり、 図5:海外投資家によるブラジル国債保有残高 6月以降の資金流出が相殺される結果となりました(図4)。 海外投資家のブラジル国債保有残高は高水準 また、2015年11月の海外投資家の資金流入回復を受 けて、海外投資家が保有するブラジル国債残高も高水準 が維持されています。2015年11月末時点の海外投資家 (10億レアル) 600 30% 2015年11月末 4,989億レアル (国債発行残高の19.4%) 500 400 によるブラジル国債の保有残高は4,989億レアル(約15 300 兆円*)へ拡大し、2007年1月の統計開始以来の最高水 200 20% 国債発行残高に占める 海外投資家の保有比率(右軸) ションを維持していることは、レアル相場の下支え要因と なっていると考えられます。 15% 10% 準を更新しました(図5)。ブラジルの政治・経済環境が悪 化する中でも、海外投資家がブラジル国債への投資ポジ 25% 海外投資家のブラジル国債 保有残高(左軸) 100 5% 0 0% 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年) (出所)ブラジル財務省 (期間)2007年1月末~2015年11月末 (*)換算レート:1レアル=30円 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
© Copyright 2024 ExpyDoc