Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年2月3日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 豪州準備銀行は市場の混乱を注視し政策金利を据え置き ・豪州準備銀行(RBA)は政策金利の据え置きを決定。RBAは声明文で世界的な金融市場の混乱などに言及。 ・今後の金融政策に関しては、「国内での雇用回復の持続性」や「金融市場の混乱の影響」を注視する姿勢を示す。 ・RBAは豪ドル相場への警戒感は示さず。緩和的な金融政策や低水準の豪ドルは、豪州景気の回復を促す要因に。 ・日本や欧州でのマイナス金利の拡大や米国での利上げ観測後退などから、金利差が豪ドル相場の下支え役に。 豪州準備銀行は政策金利の据え置きを決定 図1:豪州準備銀行(RBA)の政策金利とインフレ率 豪州準備銀行(RBA)は2月2日の金融政策理事会にお (%) いて、大方の市場予想通り、政策金利を2.00%で据え置 5.0 く決定を下しました(図1)。スティーブンスRBA総裁の声明 4.5 の冒頭では、新興国の経済環境悪化やコモディティ価格 4.0 の下落、世界的な金融市場の混乱などへの言及に従来 3.5 の声明と比べても長く割かれ、足元の外部環境の変化を RBAが注視している姿勢が示されました。 一方、豪州景気に関しては、「2015年には非資源部門 2.5 2.0 2015年後半には豪州の雇用回復の基調が増しており、 1.5 世界経済の不透明感が高まる中でも、内需中心に豪州 1.0 2015年10-12月期に目標レンジの下限に当たる前年比 +2.0%へ低下しています。RBAでは、「賃金上昇率の弱さ や世界的に抑制されたインフレ環境を踏まえ、今後1~2 年の豪州のインフレ率は低水準に留まる公算が高い」との インフレ見通しを示しました。 インフレ目標 レンジ(2~3%) 09 景気は底堅さを維持している模様です(図2)。 また、RBAが政策判断の際に重視する基調インフレ率は、 2015年10-12月期 2.0% 3.0 の景気拡大が強まった」とのRBAの判断が示されました。 今後1~2年のインフレ率は低水準に留まる公算 豪州準備銀行の政策金利 (キャッシュ・レート) 10 11 2.00% 基調インフレ率 (前年比) 12 13 14 15 16 (年) (出所)豪州準備銀行(RBA)、豪州政府統計局(ABS) (期間)基調インフレ率:2009年1-3月期~2015年10-12月期 政策金利:2009年1月1日~2016年2月2日 (注)基調インフレ率は消費者物価指数(CPI)のトリム平均値と加重中央 値の平均により算出。 図2:豪州の雇用者数の前月比増減 (3ヵ月移動平均値) (千人) 50 40 今後は雇用情勢と金融市場混乱の影響を注視 今後の金融政策の決定に際しては、RBAは「国内での雇 30 用回復の持続性」や「最近の金融市場の混乱が国内外 20 景気に及ぼす影響」を注視する姿勢を示しており、追加利 10 下げの可能性にも引き続き含みを残しました。 市場関係者の間では、今後の追加利下げの可能性につ いては見方が分かれているものの、直近の市場コンセンサ スでは政策金利は2016年末まで2.00%で据え置かれる と予想されています。当面は次回3月1日のRBA理事会の 政策決定に注目が集まりそうです。 0 ‐10 パートタイム雇用 正規雇用 ‐20 雇用者数 ‐30 13年1月 13年7月 14年1月 14年7月 15年1月 15年7月 (出所)ABS (期間)2013年1月~2015年12月 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 2016年の豪ドル相場は軟調なスタート切る 2016年の豪ドル相場は、世界的な金融市場の混乱に 伴うリスク回避姿勢の強まりから、軟調なスタートを切りま した。豪ドルの対米ドル相場は、1月中旬には一時1豪ドル =0.68米ドル台へ下落し、足元では0.70米ドル前後の水 準で推移しています(図3)。一方、豪ドルの対円相場は、 1月中旬には1豪ドル=80円台へ下落したものの、日銀の マイナス金利導入を受けて円安が進行したことから、1月 末には85円台の水準を回復しました。 足元の豪ドル相場は適度に緩和的な水準に 為替相場の動向に関して今回のRBA理事会の声明文で 図3:豪ドル相場の推移(対円、対米ドル) (米ドル) 1.05 (円) 105 対円レート(左軸) 100 95 0.95 90 0.90 85 0.85 80 0.75 75 対米ドルレート(右軸) 70 ドルの適正価格水準は、2016年1月時点で1豪ドル= 0.75米ドル近辺にあるとみられ、0.70米ドル前後の足元の 豪ドル相場は豪州景気にとって適度に緩和的な水準にあ 65 14年1月 (米ドル) 1.3 1.0 図4:豪ドルの適正価格の推定値 推計値 +20% 豪ドル安 米ドル高 豪ドルの適正価格 (推定値) 0.8 0.6 0.5 0.75 0.71 推計値 -20% 豪ドルの対米ドル相場 0.4 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (年) (出所)RBA、ブルームバーグ (期間)1990年1月~2016年1月 (注)豪ドルの適正価格は、豪州の主要資源価格(農産物・鉱物資源・ 石油・天然ガスなどの加重平均価格)と対米金利差からレッグ・メイソ ン・アセット・マネジメントが推定。 金利化が拡がっています。また、米国でも連邦準備制度 図5:豪州と日・米・独の2年国債利回りの推移 理事会(FRB)におる利上げ観測の後退から2年国債利回 りの上昇ペースが鈍化する兆しがみられ、足元でも2%前 3.5 後の金利水準が維持されている豪州の2年国債は主要先 3.0 進国との金利差が拡大しつつあります(図5)。 2.5 当面の豪ドル相場は、依然として世界的な金融市場の 16年1月 0.9 要因になると考えられます。 示唆などを受けて、日本や欧州では2年国債のマイナス 15年7月 1.1 水準の豪ドル相場は、2016年の豪州の景気回復を促す 金利政策の導入や欧州中銀(ECB)による追加緩和策の 15年1月 豪ドル高 米ドル安 1.2 0.7 主要先進国の金融政策に目を転じると、日銀のマイナス 0.65 14年7月 (出所)ブルームバーグ (期間)2014年1月1日~2016年2月1日 ると考えられます(図4)。RBAの緩和的な金融政策や低 日欧の金利低下から豪州債との金利差が拡大 0.70 豪ドル安 との言及がなされるに留まり、豪ドルの水準に対してRBAの 豪州の主要資源価格と金利差を基に当社で推定した豪 0.80 豪ドル高 は、「豪ドルは引き続き経済見通しの変化に適応している」 警戒感は示されませんでした。 1.00 2.0 1.5 混乱や資源価格動向など外部要因への警戒が必要と考 1.0 えられるものの、豪州の景気回復の進展や海外との金利 0.5 差などが豪ドル相場の下支え役となると期待されます。 0.0 (%) 豪州 1.88% 豪州準備銀行の政策金利 米国 0.80% 日本 -0.16% ‐0.5 ‐1.0 13年1月 14年1月 15年1月 -0.47% ドイツ 16年1月 (出所)ブルームバーグ (期間)2013年1月1日~2016年2月1日 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
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