Column ご参考資料 「投資のヒント」 2015年3月26日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 為替介入プログラム終了後のレアル相場の注目点 ・ブラジル中銀は為替介入プログラムを3月末で終了すると公表し、レアル相場を市場に委ねる柔軟姿勢に転換。 ・ブラジル中銀は必要があれば追加為替介入を行う方針は維持。豊富な外貨準備を抱え、政策余力も残している。 ・今後のレアル相場は海外投資家の動向がカギを握る。レアル安が進む中でも、海外投資家の証券投資流入は継続。 ・当面の注目は、①政権と議会の間での財政協議と、②ペトロブラスの2014年度監査済み決算報告の可否に集まる。 ブラジル中銀は為替介入プログラムの終了を決定 ブラジル中央銀行は3月24日、2013年8月より開始した 定例の通貨スワップ入札(為替介入プログラム)の終了を 図1:ブラジル中銀の為替介入残高の推移 第四弾 (15年3月末まで) (10億米ドル) 140 公表しました。公表された政策の詳細は以下の通りです。 新規の通貨スワップ入札は3月31日で終了。ただし、5 月1日以降に満期を迎える既存の通貨スワップに関し ては全額繰越する方針。 為替市場の流動性状況に応じて、買戻し条件付きの 米ドル売り介入(レポ取引によるスポット介入)は今後も 継続。必要があれば、利用可能な政策手段を通じて、 追加的なオペレーションを実施する可能性がある。 為替政策の方針は市場重視の柔軟姿勢に転換 今回、ブラジル中銀が為替介入プログラムの終了を決 定したことは、政府・中銀の為替政策の方針が一定程度 のレアル相場の変動を市場に委ねる柔軟姿勢に転換して 第三弾 100 80 60 40 米ドル売り 介入拡大 レポ取引による為替介入 20 通貨スワップによる為替介入 0 米ドル買い介入拡大 ‐20 13年1月 13年7月 14年1月 14年7月 15年1月 (出所)ブラジル中銀 (期間)2013年1月~2015年2月 いることを示唆しています。 図2:ブラジル・レアルの対米ドル、対円相場 もっとも、中銀は3月23日時点で3,718億米ドルの潤沢 な外貨準備を保有しており、レアル相場が過度に変動す 第二弾 為替介入プログラム 第一弾 120 (円) (レアル) 1.8 52 る場合には、外貨準備を活用した米ドル売り介入などの追 対円相場(左軸) 加的な政策発動余力も残しています。 48 政府・中銀は財政健全化による信認回復に注力 44 2.0 2.2 また、中銀の為替介入プログラムの終了決定は、ブラ ジル政府・中銀が急場しのぎの為替介入政策ではなく、財 政健全化の推進を通じて、投資家の信認回復によるレア ル相場の安定に注力しはじめたと捉えることもできます。 ブラジル現地紙報道によれば、為替介入プログラムの維 2.4 40 36 32 レアル高 持によるブラジル中銀のコスト負担は、2014年に170億レ アル(GDP比0.3%程度)にのぼったとみられています。通 貨スワップ介入は外貨準備の取り崩しがないメリットがある 2013年8月22日 ブラジル中銀、 為替介入プログラム公表 28 レアル安 対米ドル相場 (右軸) 2.6 2014年12月16日 ブラジル中銀、 2015年も為替介入プログラム の継続方針を表明 2.8 2015年3月24日 ブラジル中銀、為替介入 プログラムの終了を公表 3.2 3.0 一方、レアル安が進んだ場合には中銀(政府)のコスト負 24 13年1月 担が高まるリスクも有しています。 (出所)ブルームバーグ (期間)2013年1月1日~2015年3月24日 13年7月 14年1月 14年7月 3.4 15年1月 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 図3:海外投資家によるブラジルへの証券投資 海外投資家が今後のレアル相場のカギを握る ブラジル中銀がレアル相場の変動を市場に委ねる柔軟 姿勢に転換したことを受けて、今後のレアル相場は海外 投資家の投資動向がカギを握ると考えられます。 足元での海外投資家によるブラジルへの証券投資の動 向を見ると、2015年1月の大幅資金流入(+96.9億米ド ル)に続いて2月も+21.8億米ドルの資金流入となりました (10億米ドル) 12 ブラジルへの 10 資金流入 8 6 4 2 0 ‐2 (図3)。2月の資金流入のうち、株式投資が+11.8億米ド ‐4 ル、債券投資が+10.0億米ドルとなり、2015年初以降は ‐6 株式・債券投資ともに海外投資家のブラジルへの資金流 入が継続する傾向にあります。 海外投資家のブラジル国債保有残高は拡大傾向 ‐8 株式投資 債券投資 ブラジルからの 資金流出 ‐10 13年1月 証券投資 13年7月 14年1月 14年7月 15年1月 (出所)ブラジル中銀 (期間)2013年1月~2015年2月 図4:海外投資家が保有するブラジル国債残高 加えて、海外投資家によるブラジル国債の保有残高が 足元でも拡大傾向にあることは、レアル安が進む中でも海 外投資家がブラジル国債への前向きな投資姿勢を継続 していることを裏付けています(図4)。2015年2月末の海 (10億レアル) 500 25% 2015年2月末 4,490億レアル(20.3%) 20% 外投資家のブラジル国債保有残高は、前年比+30.8%の 4,490億レアルへ増加しました。ブラジルの2年国債利回り は3月24日時点で13.4%と高水準にあり、海外投資家に 400 ブラジル国債の発行残高 に占める海外投資家保有比率(左軸) 15% 300 10% 200 よる投資を惹きつけていると考えられます(図5)。 海外投資家が保有する ブラジル国債残高(右軸) 5% 当面は財政協議とペトロブラス問題に注目 海外投資家による信認の面での当面のレアル相場の注 0% 07 08 09 10 11 12 13 14 100 0 15 (年) 目は、①ルセフ政権と議会の協議によりレビィ財務相が進 める財政健全化策の法案成立が実現するかどうか、②国 (出所)ブラジル財務省 (期間)2007年1月~2015年2月 図5:ブラジルの2年国債利回りと政策金利 営石油会社ペトロブラスの汚職捜査の行方と2014年度の 監査済み決算報告を提出できるか、に集まりそうです。 特に、ペトロブラスは債務のテクニカル・デフォルトを回避 するため、汚職に絡んだ評価損を確定し、5月末までに 2014年度の監査済み決算報告書を提出する方針を表 明しています。ペトロブラスは既に137億米ドル規模の資 産売却計画を公表するなど、政府支援に頼らない形での 自主再建の道を模索しはじめています。 4月から5月にかけてはなお不透明な要因も残されてい るものの、財政健全化策を巡る議会との協議やペトロブラ ス問題の解決に向け一定の進展がみられれば、レアル相 場は落ち付きを取り戻す可能性があります。 (%) 14 13.43% ブラジル2年国債利回り 13 12.75% 12 11 10 9 8 ブラジル政策金利 7 6 10 11 12 13 14 15 (年) (出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2015年3月24日 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
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