Column ご参考資料 「投資のヒント」 2015年4月9日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 豪州金融政策と豪ドル相場の見通し ・豪州準備銀行(RBA)は2ヵ月連続で政策金利を据え置き。RBA総裁は引き続き今後の追加利下げの可能性に言及。 ・緊縮型の財政政策が続く中、次回5月5日のRBA理事会で景気下支えのための追加利下げが実施される見通し。 ・RBAは「割高」としてきた豪ドル相場への警戒感を緩和。今後は主要国の金融政策の方向性が豪ドル相場を左右へ。 ・5月理事会に向け豪ドルは上値の重い展開が予想されるも、利下げ打ち止め感が生まれれば豪ドルに見直し余地。 図1:豪州準備銀行の政策金利 豪州準備銀行(RBA)は政策金利据え置きを継続 豪州準備銀行(RBA)は4月7日の金融政策理事会におい て、2ヵ月連続で政策金利を2.25%で据え置く決定を下しま した(図1)。スティーブンスRBA総裁は理事会後の記者会見 で、「当面は政策金利の据え置きが適切と判断」と述べ、3月 会合に続いて政策の様子見姿勢を示しました。 (%) 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 RBAは5月理事会で追加利下げの是非を判断へ 2.5 同時に、RBA総裁は景気下支えのための追加利下げの 2.0 可能性にも言及しました。当面のスケジュールを踏まえる 1.5 と、RBAは2015年第1四半期の消費者物価指数(CPI)の 結果を確認した後、次回5月5日の理事会において追加 政策金利(キャッシュ・レート) 09 12 13 14 (年) 15 図2:中国向けの鉄鉱石スポット価格 理事会では、「四半期金融政策報告(MPS)」で公表され 更の経済的な背景を説明しやすい面もあります。 11 (出所)ブルームバーグ (期間)2009年1月1日~2015年4月7日 利下げの是非を判断すると考えられます。特に5月のRBA るRBAの経済見通しの改定が行われることから、政策変 10 2.25% (米ドル/トン) 200 175 150 125 【当面の金融政策関連スケジュール】 4月22日: 消費者物価指数(2015年第1四半期) 5月5日: RBA理事会 政策決定公表 5月8日: RBA「四半期金融政策報告(MPS)」を公表 100 75 50 25 10年 11年 12年 13年 14年 15年 (出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2015年4月2日 足元の豪州景気は強弱分かれる状況 図3:豪州の企業信頼感指数の推移 足元の豪州景気は、2月の小売売上高が前月比0.7% 増となるなど個人消費は比較的底堅さを維持しているもの (中立=0) 20 の、鉄鉱石価格の一段の下落や企業信頼感の悪化など 15 の面では景気減速懸念が増しつつあります(図2-3)。 10 今後、5月に公表される2015年度(2015年7月~2016 年6月)の政府予算案では、中期的な財政均衡化に向け た緊縮財政政策が採られるとみられることからも、RBAは 金融政策の面で景気下支えのための追加緩和策を打ち 出す公算が高いと考えられます。 信頼感改善 5 0 ‐5 ‐10 信頼感悪化 10年 11年 12年 13年 14年 15年 (出所)ナショナル・オーストラリア銀行 (期間)2010年1月~2015年2月 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 図4:豪ドル相場の適正価格の推定値 RBAは豪ドル相場への警戒感緩和を示唆 (米ドル) RBAは従来から豪ドルに関して、「ファンダメンタルズから 1.3 みた推計値を上回っている」と述べ、高水準の豪ドル相場 1.2 への警戒感を示してきました。しかし、今回のRBA理事会 1.1 の声明文では、「資源価格の下落を考慮すると一段の豪ド 1.0 ル安が見込まれる」との文言へ修正がなされ、RBAの豪ド 0.9 ル高への警戒感緩和が示唆されました。 豪ドル高 米ドル安 推計値 +20% 豪ドルの適正価格 の推計値 豪ドル安 米ドル高 0.81 0.76 0.8 0.7 当社の推定でも、既に豪ドル相場は主要資源価格と対 0.6 米金利差の面で適正価格を小幅に下回る水準まで調整 0.5 が進んでおり、豪ドルの割高感は相当な程度解消されて 0.4 推計値 -20% 豪ドルの対米ドル相場 (年) 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 いると考えられます(図4)。 (出所)ブルームバーグよりレッグ・メイソン・アセット・マネジメント作成 (期間)1990年1月~2015年3月 (注)豪州の主要資源価格と対米金利差から豪ドルの適正価格を推定 今後の豪ドル相場は金融政策の方向性が左右へ 図5:豪ドルの対米ドル、対ユーロ、対円相場 (米ドル、ユーロ) 1.2 豪ドル相場の割高感の解消が進みつつあることで、今後 豪ドル高 の豪ドル相場の先行きは各国の金融政策の方向性によっ 対米ドル(右軸) 1.1 て左右されると考えられます。 豪ドル安 1.0 実際、主要通貨に対する豪ドル相場の推移を見ると、対 0.9 米ドルでは1豪ドル=0.76米ドル近辺へ緩やかな豪ドル安 が進んできた一方、量的金融緩和を拡大するユーロに対 しては緩やかな豪ドル高基調が続いています(図5)。 当面の豪ドル相場の注目点 0.6 90 80 けて追加利下げ観測から豪ドル相場は上値の重い展開が 70 対円(左軸) 11 想定されます。ただし、実際にRBAが追加利下げを実施し、 12 13 14 15 (年) (出所)ブルームバーグ (期間)2011年1月1日~2015年4月7日 年後半に向けて豪ドルへの見直しの動きが広がる可能性 もあります。 0.7 対ユーロ(右軸) 100 豪州の金融政策の面では、5月5日のRBA理事会に向 市場でRBAによる利下げ打ち止め感が生まれれば、2015 0.8 (円) 110 図6:主要国の10年国債利回りの推移 (%) 6 直近の市場コンセンサスでは、RBA政策金利は2.00% まで引き下げられた後、2015年末まで据え置かれるとの 5 見方が大勢となっています。 4 また、主要国との金利環境の比較の面では、量的緩和 を継続する日本や欧州では引き続き国債利回りの低下が 顕著であり、豪州国債との間に一定の金利差が維持され 豪州 米国 3 2.30% 1.90% 2 ています(図6)。日・欧との金利差は、引き続き豪ドルの 1 対円相場の下支え要因となると期待されます。 0 ドイツ 0.34% 0.19% 日本 10年 11年 12年 13年 14年 15年 (出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2015年4月6日 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
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