株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ 東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階 February 27, 2015 週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド) ■豪ドル円の推移 来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 90.00-95.00円 5日線 21日線 90日線 200日線 イエロー オレンジ スカイブルー グレー 転換線 基準線 先行1 先行2 遅行 ブルー グリーン レッド ピンク ブラウン 南ア・ランド円 2015/2/23 2015/2/17 2015/2/5 2015/2/11 2015/1/30 2015/1/26 2015/1/20 2015/1/8 2015/1/14 2015/1/2 2014/12/29 2014/12/23 2014/12/17 2014/12/5 2014/12/1 2015/2/23 2015/2/13 2015/2/5 9.60 2015/1/28 9.80 88.00 2015/1/20 10.00 90.00 2015/1/12 10.20 92.00 2015/1/2 10.40 94.00 2014/12/25 10.60 96.00 2014/12/9 10.80 98.00 2014/12/17 11.00 100.00 2014/12/1 102.00 2014/12/11 ■南ア・ランド円の推移 10.00-10.60円) 豪ドル円は戻りを期待しつつも、上値の重さが意識されそうである。月初めとあって、各種の経済指標が目白 押しとなる。豪準備銀行(RBA)の追加利下げ観測はいく分後退しているが、指標結果次第では、緩和観測が再 燃することも考えられるため、予断は許されない。 3 日に住宅建設許可件数、RBA 理事会、4 日に 10-12 月期国内総生産(GDP)、5 日に小売売上高、貿易収支と 続く。また、中国で各種 PMI や米国の 2 月雇用統計が発表される。 RBA 理事会は、2 月議事録で「利下げを 3 月まで待つことも議論した」としている点を踏まえれば、連続利下 げはなさそうである。注目されるのは、いったんハト派に振れた声明文の内容を踏襲するのかそれとも修正する のかである。2 月理事会以降に金融政策を左右するような新たな指標の積み上がりは少ないため、大きく内容が変 更される可能性は低いとみる。そのため、追加緩和に対する期待はそれなりに維持されることで、豪ドルの持ち 直しは限定的となりそうだ。 4 日の GDP が落ち込むなら、4 月理事会での追加緩和という見方が浮上しかねない。また、中国も内需が振る わない中で、各種 PMI が弱い結果となれば、豪ドルへの売り圧力が強まってもおかしくはない。豪州の利下げ期 待が払しょくされるまで時間がかかりそうである。 豪ドル円は、1 月 20 日高値 97.39 円からの下落幅の 61.8%戻しが位置する 94.40 円を超えたところでは、いっ たん上昇の勢いが鈍る展開もありうる。 南ア・ランド(ZAR)円の上値は限定的か。昨年 10-12 月期 GDP は前期比年率で+4.1%と、ストライキが終了 し製造業が持ち直したことで、成長が大きく加速した。しかし、前年比では+1.0%にとどまり、本格的な回復に はほど遠い。今回は、製造業が元の水準へ戻したことによるところが大きく、今後はこうしたアドバンテージが なくなるとみて良いだろう。 ネネ財務相は、予算方針演説で今年の成長率見通しを+2%とし従来の+2.5%から引き下げた。電力供給の不安 定さが要因。また、格下げの懸念もあって財政再建は待ったなしの状態で、中高所得者に対する所得税や燃料課 税が引き上げられる。財政の改善期待で格下げへの不安は和らぎそうだが、低成長が続きそうなため、ZAR 円の 買い材料は限られるだろう。 今週の回顧 豪ドル円は上値の重い展開。ギリシャの債務問題への不安が和いだほか、中国経済への期待から94円付近まで 買いが先行した。しかし、10-12月期民間設備投資がさえない結果となると、93円割れまで押し戻された。隣国の ニュージーランドで期待インフレ率が低下したため、豪州の低インフレ継続が意識されたことも重しとなった。 ZAR円は上昇。10-12月期GDPが好調だったほか、バランスがとれた予算案の内容が好感され、10.40円台まで上 昇した。ただ、ドル高の流れが大きく変わることはなく、ZAR円の上値は限られた。(了) 本レポートはお客様への情報提供のみを目的として作成したもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。実際に投資をなさる場合の最終ご判断は、お客様ご自身でご判断なさる ようお願い致します。本レポートを原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については一切補償には応じません。 Copyright DZH Financial Research, Inc.
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