豪ドル円の推移 南ア・ランド円の推移

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
February 13, 2015
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
■豪ドル円の推移
■南ア・ランド円の推移
11.00
104.00
102.00
100.00
98.00
96.00
94.00
92.00
90.00
88.00
10.80
10.60
10.40
10.20
10.00
9.80
来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 89.00-94.00円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
南ア・ランド円
2015/2/9
2015/2/3
2015/1/28
2015/1/22
2015/1/16
2015/1/6
2015/1/12
2014/12/31
2014/12/25
2014/12/19
2014/12/9
2014/12/15
2014/12/3
2014/11/27
2014/11/21
2014/11/17
2015/2/9
2015/1/30
2015/1/22
2015/1/14
2015/1/6
2014/12/29
2014/12/19
2014/12/11
2014/12/3
2014/11/25
2014/11/17
9.60
9.90-10.50円)
豪ドル円は戻りの鈍い展開を見込む。3 日に 89 円台をつけた後は戻り歩調が続いている。目先の抵抗だった日
足一目均衡表・転換線を上抜けたことで、上方向が多少軽くなったイメージがある。しかし、93 円台には同基準
線や 21 日移動平均線の抵抗が残ることから、
上値は抑制された状態が続くだろう。政局の不透明さも重しとなる。
石油輸出国機構(OPEC)が、先々の需給が改善するとの見通しを示すなど、原油価格の下落に歯止めがかか
る兆しが出始めた。商品相場の下落にも底打ち感がみられるため、豪ドルが切り返す可能性もある。しかし、国
際エネルギー機関(IEA)が 2020 年まで世界の石油供給の伸びに米国が最も貢献するとの見解を明らかにしたこ
とで、今後も需給の緩みは続くとの見方が残っている。さらに、中国経済に対する不安も払しょくされておらず、
資源需要が増加するかどうかは不透明である。こうした点を踏まえれば、豪ドルが今後も順調に回復するとの期
待を抱くのは早計かもしれない。
アボット豪首相の支持率低下による政局への不安も豪ドルの上値を重くする可能性がある。自由党は、政策運
営などを理由に議員総会で党首交代に関連した動議を提出。動議は賛成 39、反対 61 で否決されたが、反対が全
体の約 4 割に達するなどアボット首相の求心力低下は避けられない。首相の去就が注目される。もっとも、今回
の動議は昨年の歳出削減策などへの反発が動機であるため、今後、首相が方針を修正する可能性がある。また、
首相が交代した場合も、これまでより緩やかな緊縮路線に移行することも考えられる。その場合、成長期待から
豪ドルが持ち直すことはありうる。
南ア・ランド(ZAR)円は足元のレンジでの推移が継続か。食品・エネルギー価格の下落が、消費拡大を後押
しするとの見方が広がりつつある。18 日に発表される 12 月小売売上高が好調な結果なら、景気の改善期待が進
むだろう。消費は南アの国内総生産(GDP)の約 60%を占める。南ア準備銀行が政策金利を低水準で据え置いて
いる点も、成長をけん引するだろう。ただ、先行きはインフレ鈍化で収入も減少するうえ、電気料金の値上げも
見通せるため、消費が一方向で拡大するかどうか不明。また、HSBC は今年の成長率をこれまでの+2.0%から
+1.6%、来年の見通しを+2.2%から+1.6%へ引き下げた。不安定な電力供給が成長を阻害するとの観測からだ。
好材料と不安材料が混在して、目先の方向性は見極めづらく、足元レンジでの推移が中心シナリオになるだろう。
今週の回顧
豪ドルは上値の重い展開。NY原油先物がOPECの需給改善見通しを受けて底堅く推移したため、93円前半まで
買いが先行した。しかし、失業率の大幅な悪化から追加利下げを織り込む流れが強まったほか、日銀内で現時点
の追加緩和に懐疑的な見方が強まっているとの報道から、91円前半へ反落した。ZAR円はじり安。中国経済に対
する不透明感が重しとなり、10.05円付近へ低下した。ただ、独自材料が少なかったことで、足元のレンジから離
れる展開にはならなかった。(了)
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