ダイワ投資情報ウィークリー 2013.1.21 号 内外株式 今週の中国・香港株式ストラテジー ~製造業の景況感改善が期待されて、株式相場は上昇へ~ 明暗を分けた上海株と香港株 上海A株指数と香港H株指数 先週の上海 A 株指数は大幅反発で始まり、火曜日 も続伸した。金融当局が「本土市場における適格外 国機関投資家の投資枠を現状から 10 倍に拡大する ことは可能」と示したため、海外からの資金流入増 を期待した買いが入った。ただ、水、木曜日は、利 益確定売りが優勢となって続落し、前週末比 43pt (1.9%)高の 2,391pt で取引を終えた。 一方、香港 H 株指数は上海株高を好感して反発で スタート。火曜日はほぼ変わらずであったが、水、 木曜日は週末の経済指標発表を控えた利益確定売 りや、大手生保の投資判断が引き下げられたことに よる保険株売りに押されて続落し、前週末比 15pt (0.1%)高の 11,858pt で引けた。 景気は緩やかな回復基調へ 13,000 2,800 12,000 2,600 11,000 2,400 10,000 2,200 9,000 2,000 香港H株指数(左軸) 上海A株指数(右軸) 8,000 1,800 1/17 3/7 4/26 6/15 8/4 9/23 11/12 1/1 2012 2013 (注)データは2013/1/17まで (出所)上海証券取引所、香港証券取引所 (%) 中国の実質GDP成長率、鉱工業生産、小売売上高 1/18 発表の中国の 2012 年 10-12 月期実質 GDP 成 14 長率は、前年同期比+7.9%となり、7-9 月期の同 12 2013年通期は +7.4%から伸び率が拡大した。また、同日に発表 +8.3%程度と 10 予想 された 2012 年 12 月の鉱工業生産指数は前年同月比 +10.3%、小売売上高は同+15.2%と、11 月から伸 8 び率が改善。景気は緩やかな回復を辿っていること 6 が確認された。 2013 年もインフラ投資が牽引役となり、景気回復 4 実質GDP成長率(左軸) は継続しよう。3/5 開幕予定の全国人民代表大会(全 2 小売売上高(右軸) 鉱工業生産指数(右軸) 人代、国会に相当)では、今年の実質 GDP 成長率の 0 目標は+7.5%に設定されると見られるが、あくま 07 08 09 10 11 12 13 で目標の下限であろう。大和総研では+8.3%程度 (注)実質GDP成長率は前年同期比、鉱工業生産指数、小売売上高は前年同期比。鉱工業 生産指数、小売売上高は、旧正月の影響を取り除くため、1、2月は累計の前年比。 の成長を予想している。 (出所)実質GDP成長率の実績は中国国家統計局、予想は大和総研 中国製造業 PMI は上昇する可能性 今週の香港 H 株指数は、利益確定売りをこなしな がら緩やかに上昇すると想定する。同指数には高値 警戒感が広がっているが、中国の景気回復期待の方 が優勢となろう。実質 GDP 成長率には改善が確認さ れ、加えて 1/24 に発表が予定されている HSBC 集計 の 2013 年 1 月中国製造業 PMI 速報値(中小企業の 景況感を表す)も、2012 年 12 月の 51.5 を上回る可 能性が高い。中国政府が内陸部の都市化を推進する ためにインフラ投資を加速させていることを踏ま えると、同 PMI は上昇して株式相場の下支えに寄与 すると考えられる。 (1/18 午前 目野 博之) (%) 24 21 18 15 12 9 6 3 中国の製造業PMI 60 どちらも企業の仕入れ担当 者に対するアンケート結果を 指数化したものであるが、 CFLPの方は大企業へのア ンケートが多いのに対し、 HSBCの方は中小企業への アンケートが多い 58 56 54 12/12 景気拡大 52 50 48 PMI(HSBC) 46 12/12 景気縮小 PMI(中国物流購入連合会) 44 2010 2011 2012 2013 (出所)CFLP(中国物流購入連合会)、HSBC 本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼 できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予 測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。 -6-
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