株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ 東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階 March 6, 2015 週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド) ■豪ドル円の推移 ■南ア・ランド円の推移 10.80 102.00 100.00 10.60 98.00 96.00 10.40 94.00 10.20 92.00 10.00 90.00 2015/3/2 2015/2/20 2015/2/12 2015/2/4 2015/1/27 2015/1/19 2015/1/9 2015/1/1 2014/12/24 2014/12/8 2014/12/16 2014/12/8 2014/12/12 2014/12/18 2014/12/24 2014/12/30 2015/1/5 2015/1/9 2015/1/15 2015/1/21 2015/1/27 2015/2/2 2015/2/6 2015/2/12 2015/2/18 2015/2/24 2015/3/2 9.80 88.00 来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 90.00-96.00円 5日線 21日線 90日線 200日線 イエロー オレンジ スカイブルー グレー 転換線 基準線 先行1 先行2 遅行 ブルー グリーン レッド ピンク ブラウン 南ア・ランド円 10.00-10.60円) 豪ドル円は戻りを試す展開を見込むも、上値は重いか。緩やかながら成長拡大を示唆する指標を受けて、豪準 備銀行(RBA)の追加利下げ観測に若干修正が入ったため、戻りを試す流れが先行しそうである。しかし、RBA のスタンスはハト派なままで豪ドルの戻りは鈍いだろう。 10-12 月期国内総生産(GDP)では、低金利が消費を後押ししていることが示唆されるなど、これまでの政策 効果が一部に見られた。2 月に予防的な利下げを実施したことから、次回の緩和までには余裕が生じている。もっ とも、RBA は声明文で「今後、利下げが適切となる可能性」があると、数カ月以内の利下げを示唆しているため、 時間的余裕もそれほど大きくはない。経済指標を見極めながら次回の利下げ時期を推し量る展開が続くだろう。 来週は 12 日の 3 月期待インフレや、ぶれが大きい失業率などが注視される。 経済指標がさえない結果になれば、対ドルではスティーブンス RBA 総裁が以前述べた水準 0.75 ドルを目指す 流れが強まる可能性がある。豪ドル円はドル円がある程度サポートになるも、上昇の勢いは弱いだろう。中国懸 念も残る。中国人民銀行は直近 3 カ月で 2 度目となる利下げに踏み切った。緩和による景気刺激は経済的な結び つきが強い豪州にも好影響を及ぼし、豪ドルの支援材料になる。しかし、急減速する経済を支えるためにはもう 一段の措置が必要との見方もあり、見通しは明るくない。 南ア・ランド(ZAR)円は下振れ警戒。2 月製造業 PMI は 47.6 と 1 月の 54.2 から低下した。一方で、商工会 議所が公表する企業信頼感は 13 年 2 月以来の水準へ上昇した。経済指標は強弱まちまちながらトレンドは全体的 にもち直し基調で、経済成長に対する不安はいく分和らいでいる。 しかし、格下げへの懸念が ZAR 円の動向に大きく影響する可能性がある。格付け会社フィッチの EMEA (Eastern Europe, the Middle East and Africa)ソブリン担当責任者であるエド・パーカー氏は「格下げリスク が高い」との見解を示した。昨年 7 月には S&P が投資適格級では最低ランクとなる「BBB-」へ引き下げている。 フィッチも格下げを行うとファンドが資金を引き揚げるとの見方から、ZAR 売り圧力が強まるリスクがある。米 国の今年の利上げ開始は相当に織り込んだが、今度は格付け問題が意識されるなど、ZAR への不透明感は払しょ くされづらい。 今週の回顧 豪ドル円は買い先行。RBAが市場予想に反して政策金利を2.25%に据え置いたことで、豪ドルのショートポジ ションが巻き戻された。豪ドル円は93円後半まで下値を切り上げた。また、10-12月期GDPが前期比+0.5%と7-9 月期から成長が加速したことも、豪ドル円を下支えした。ZAR円は下落。格下げ懸念が浮上したことが上値を重 くした。景況感の改善など前向きな材料はあったが、ほとんど手掛かりにはならなかった。ZAR円は10.09円台ま でレンジ下限を広げた。また、金価格が軟調に推移したことも、ZAR円の上値を重くした。(了) 本レポートはお客様への情報提供のみを目的として作成したもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。実際に投資をなさる場合の最終ご判断は、お客様ご自身でご判断なさる ようお願い致します。本レポートを原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については一切補償には応じません。 Copyright DZH Financial Research, Inc.
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