株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ 東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階 January 9, 2015 週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド) ■豪ドル円の推移 ■南ア・ランド円の推移 102.00 100.00 98.00 96.00 94.00 92.00 2015/1/5 2014/12/26 2014/12/18 2014/12/10 2014/12/2 2014/11/24 2014/11/14 2014/11/6 2014/10/29 2014/10/21 2014/10/13 90.00 2014/10/13 2014/10/17 2014/10/23 2014/10/29 2014/11/4 2014/11/10 2014/11/14 2014/11/20 2014/11/26 2014/12/2 2014/12/8 2014/12/12 2014/12/18 2014/12/24 2014/12/30 2015/1/5 11.00 10.80 10.60 10.40 10.20 10.00 9.80 9.60 9.40 104.00 5日線 21日線 90日線 200日線 イエロー オレンジ スカイブルー グレー 転換線 基準線 先行1 先行2 遅行 ブルー グリーン レッド ピンク ブラウン 来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 95.00-99.00円 南ア・ランド円 10.00-10.50円) 豪ドル円は、足元の水準で上下し方向が見定めづらい。原油価格の下落に伴って商品相場全体が軟調に推移し ていることに加えて、25 日のギリシャ総選挙を控えて先行き不透明感もあり上値は重いだろう。さえない原油価 格を受けて世界的にインフレ見通しが低下していることを受けて豪長期金利が下げていることも、豪ドルの上昇 力を弱めている。しかし、豪州の高格付けや金利水準が主要国と比較して高いことから逃避通貨としての役割も 持つため、これらの要因が絡み合って方向感は出づらいか。各種経済指標で上下するかもしれないが、ギリシャ 総選挙を通過するまでは、方向は明確にならないだろう。 経済指標では、13 日に中国 12 月貿易収支、15 日に豪 12 月雇用統計が発表される。中国の貿易収支は大幅な 黒字を維持しそうだが、輸入は 11 月に続き前年比マイナスとなる見込みで、国内の需要回復が鈍いことが意識さ れそうである。インフラ投資に今年 7 兆元が投入されるとの観測は好材料となるが、直ちに効果が出るかどうか は不明で期待感が先行している感は否めない。ヘッドラインの数字もさることながら、内容によっては振れ幅が 局所的に拡大する可能性もあり、結果が注目される。 豪州の雇用は材料視されづらい。就業者数は単月の偏りは大きいが全体的には緩やかに増加している。しかし、 同時に失業者数も増えており失業率の改善は遅れている。労働市場に目立った改善の兆しはなく、結果を受けて 相場が上下しても、トレンド形成までには至らないだろう。 南ア・ランド(ZAR)円は上値が抑制された展開が続くか。幅広い産業の景況感を示す HSBC の PMI は 50.2 と、11 月の 50.5 から低下。新規受注や生産がさえなかったことが影響した。原油価格の低下で生産コストは記録 的な低水準となり、商品価格の上昇も鈍くなっている。鉱山会社のストライキが終了して経済は回復基調が続い ているが、そのスピードが鈍化する兆しが出始めている。 ユーロの下落も重しとなる。ユーロの下落で経済的な結びつきが強いユーロ圏の購買力が低下しており、今後 輸出への悪影響が不安視される。ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)問題や、商品相場の下落を通じた新興国か らの資金流出懸念も、先行きへの不安を煽っている。テクニカル的には、10.12 円台へ上昇中の 90 日移動平均線 にサポートされて戻りを試す格好だが、先行き日足一目均衡表・転換線の低下が見込まれる中で、見通しは明る くない。一目・雲の下限を下回れば三役陰転の状態となる可能性がある。 今週の回顧 豪ドル円は、昨年12月中旬以来の安値となる95円半ばまで売りが先行した。原油安による石油関連企業の業績 悪化懸念や、ギリシャのユーロ離脱をめぐる不安から、リスク回避ムードが強まったことが上値を重くした。世 界的な株安が進行したことも、投資家の不安心理を高めた。ZAR円も前半は下値を探る流れとなり、10.08円付近 まで下げた。下げ一巡後は、株価下落の一服感から豪ドル円・ZAR円ともに切り返した。(了) 本レポートはお客様への情報提供のみを目的として作成したもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。実際に投資をなさる場合の最終ご判断は、お客様ご自身でご判断なさる ようお願い致します。本レポートを原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については一切補償には応じません。 Copyright DZH Financial Research, Inc.
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