豪ドル円の推移 南ア・ランド円の推移;pdf

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
March 27, 2015
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
■豪ドル円の推移
■南ア・ランド円の推移
100.00
10.60
98.00
10.40
96.00
10.20
94.00
来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 90.00-96.00円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
南ア・ランド円
2015/3/23
2015/3/17
2015/3/5
2015/3/11
2015/2/27
2015/2/23
2015/2/17
2015/2/5
2015/2/11
2015/1/30
2015/1/26
2015/1/20
2015/1/8
2015/1/14
2014/12/29
2015/3/23
2015/3/5
2015/3/13
2015/2/25
2015/2/9
2015/2/17
2015/1/30
2015/1/22
9.60
2015/1/6
88.00
2015/1/14
9.80
2014/12/29
90.00
2015/1/2
10.00
92.00
9.70-10.30円)
豪ドル円は上方向がいくらか軽くなりそうだが、上昇の勢いは鈍いだろう。前のめり気味だった 6 月の米利上
げ開始期待が後退し、豪米の金利差縮小の流れが一服したため下値不安は緩和している。94 円台を上回る水準で
推移すれば、来週以降、これまで抵抗だった日足一目均衡表・雲の上限がサポートに転じ、豪ドルが一段上を目
指すことも考えられる。ただ、雲の厚みが薄く、上抜けたとしてもサポート力が乏しい点で、上値追いが長続き
しない可能性があり注意したい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、メンバーの 2015 年末時点のフェデラルファンド(FF)レート予想中央
値は、昨年 12 月の 1.125%から 0.625%へ大きく低下。それに伴って、米利上げ開始時期の見通しも 6 月から 9
月へシフトし、豪ドルの下押し圧力は和らいだ。短期的には豪ドルの買い戻しが進む流れもありうる。
しかし、豪州国内の経済成長スピードが遅いほか、世界的な需要回復も鈍く、豪準備銀行(RBA)が政策転換
するのはまだ先になりそうで、当面は緩和スタンスが維持される見通し。来週は、住宅指標や貿易統計などが発
表されるが、金融政策の方向を考える上でのヒントは少ないだろう。
中国に対する不安も残っている。足元の経済指標が振るわず、1-3 月期の国内総生産(GDP)成長率が政府目
標の 7%を下回るのではとの懸念がある。こうした点を踏まえれば、豪ドル上昇に対する期待は高まりづらい。目
先は、日足一目・雲の上限を中心に上下しながら次の方向を探る展開となるか。週末にかけて主要国がイースタ
ーの連休に入ることも、方向性を見極めづらくしよう。
南ア・ランド(ZAR)円は上値が重いか。貿易でつながりが深い欧州の景況感のもち直しや、米国の利上げ開
始見通しの後ずれから新興国不安が後退し、ZAR は下値を切り上げつつある。格付け会社フィッチ・レーティン
グスの中東・アフリカ担当ソブリン格付け責任者が、南アに対する格付け(現状は「BBB」)が最大でも 1 ノッチ
しか引き下げられないだろうとの見解を示し、投資不適格級への引き下げ不安が和らいだことも、ZAR を下支え
しそうである。
とはいえ、6 月に格下げされれば投資適格級の最低ランクとなるため、手放しで喜べる状況にはない。国内では、
消費拡大のペースが鈍っていることもあり、先行きに対する不透明感は残っている。ZAR 円は下落の勢いが一息
ついた格好だが、本格的な戻りはまだ先で、10.25 円付近へ低下中の 90 日移動平均線近辺では上昇スピードが弱
まりそうである。中東情勢に伴うリスク回避の流れも警戒したい。
今週の回顧
豪ドル円・ZAR円は買い先行。米国が利上げを急がない姿勢を示すなか、豪ドル円は94円半ばと2カ月ぶりの高
水準へ上昇。ZAR円は主要な輸出品である金価格のもち直しも手伝って、10.18円付近まで戻した。南アの格下げ
をめぐる不安がいくらか緩和したことも、下支えとなった。しかし、中東情勢の混乱などを受けてドル円が1カ月
ぶりに118円前半へ下げたため、後半は売りが強まった。(了)
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