RBA 声明・GDP、利下げ期待振幅か

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
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週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
February 19, 2016
豪ドル、低位安定か
◆豪ドル円は円相場次第、豪ドルの存在感ない
◆豪ドル/ドルは引き続き低位安定か
◆ZAR は対ドルで戻り歩調、ZAR 安の調整局面に
予想レンジ
豪ドル円 78.00-86.00 円
南ア・ランド円 6.80-7.70 円
2 月 22 日週の展望
今週は 10-12 月期の豪民間設備投資が発表される。豪州の資源開発ブームのピークは 2012 年で、鉱
業セクターの設備投資縮小が全体をさらに押し下げる見通しだ。中国を中心とした新興国の資源需要
の弱さ、コモディティ価格の低迷が背景。非鉱業部門の設備投資が伸びているとはいえ、全体として
は鉱業セクターの縮小によってさらに低下するだろう。
民間設備投資は資源国通貨である豪ドルの先行きを見通すうえで重要視されてきたが、縮小続きの
設備投資額がさらに減少したところで、あらためて豪ドル売りを検討する市場参加者はほぼ皆無だろ
う。これまでのトレンドが継続しても材料にはなりにくい。市場予想との対比で短期筋やアルゴリズ
ムが反応する程度だろうが、非鉱業セクターの設備投資の伸びは確認しておくべきだ。資源関連の企
業は財務状況の悪化に悩んでいるものの、その他の企業の資金需要は旺盛で、豪州の民間部門信用の
伸びは加速している。豪金融緩和策の影響が現れている。
豪州は資源国であり、豪ドルは今後も資源国通貨であるとしても、設備投資の動向が豪ドルの先行
きを占うような展開は想定しにくい。結果を確認するだけで済みそうだ。豪準備銀行(RBA)はまだ数
年間は鉱業部門の設備投資縮小が続くと見通している。
今月 26、27 日に上海で行われる 20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、為替や原油
市場の動向など金融市場の混乱が協議される見通し。この週末に向けて期待感が高まるようなら、豪
ドルなど資源国通貨に浮上する余地が生じるかもしれないが、杓子定規的な声明文が失望を誘う可能
性が伴う。円相場を軸として豪ドル円は上下しやすいだろう。豪ドルに主体的なトレンドが発生する
のはまだ先のことか。
南ア・ランド(ZAR)では、手がかりとなりそうな南ア経済指標の発表は見当たらない。豪ドルと同
様に、南アの経済指標が ZAR の動向を左右するような相場ではなく、ドルや円が中心となり、為替市
場の方向感を決定づけている。南アの経済指標は確認するだけでよさそうだ。ただ、ドル/ZAR は昨年
10 月以降の上昇トレンドラインを下回っており、ドル高・ZAR 安の調整に勢いがつきやすい。G20 財務
相・中央銀行総裁会議に向けた雰囲気の移り変わりに注目したい。
2 月 15 日週の回顧
豪ドルは買いが優勢だった。原油安に調整が入ったことから、資源国通貨が買われた。ただ、対円・
対ドルで豪ドルが反発基調へと移行していくような雰囲気は限られ、豪ドルの水準の変化はわずかだ
った。豪雇用統計を受けて豪ドル売りとなったものの、市場予想からのかい離が大きい経済指標であ
るため、短期筋中心の売買となった。ZAR は対ドルで戻りを続け、年初来高値をつけた。新興国からの
資本流出懸念が一巡したこと、原油安に主導されたコモディティ価格の下げが落ち着きつつあること
が ZAR を支援した。
(了)
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