豪ドル円の推移 南ア・ランド円の推移

株式会社 DZHフィナンシャルリサーチ
東京都中央区明石町 8-1 聖路加タワー32 階
April 10, 2015
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
■豪ドル円の推移
■南ア・ランド円の推移
100.00
10.60
98.00
10.40
96.00
10.20
94.00
10.00
92.00
9.80
90.00
来週の展望(予想レンジ 豪ドル円 90.00-95.00円
5日線
21日線
90日線
200日線
イエロー
オレンジ
スカイブルー
グレー
転換線
基準線
先行1
先行2
遅行
ブルー
グリーン
レッド
ピンク
ブラウン
南ア・ランド円
2015/4/6
2015/3/31
2015/3/25
2015/3/19
2015/3/9
2015/3/13
2015/3/3
2015/2/25
2015/2/19
2015/2/9
2015/2/13
2015/2/3
2015/1/28
2015/1/22
2015/1/16
2015/4/6
2015/3/27
2015/3/19
2015/3/11
2015/3/3
2015/2/23
2015/2/13
2015/2/5
2015/1/28
2015/1/20
2015/1/12
2015/1/12
9.60
88.00
9.80-10.30円)
豪ドル円は上値の重い展開か。豪準備銀行(RBA)は、豪ドル安を志向している姿勢を改めて示したほか、今
後の会合で追加措置について判断していくことを明らかにした。これを受けて、市場では 5 月理事会での利下げ
期待が強まっており、豪ドルの上値は抑制されやすいだろう。
RBA は 7 日の理事会で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の 2.25%に据え置いた。据え置
きは 2 会合連続となる。ただ、声明では「内需の成長見通しはかなり弱い」、「追加利下げが適切となる可能性が
ある」との認識が示されるなど、内容はハト派スタンスのままである。消費の底堅さなど、一部にこれまでの緩
和効果を示す結果もあるが、資源安による景気鈍化とディスインフレ懸念が残存する中で、成長に対していくら
か慎重になっている。通貨高に関しては「さらなる豪ドル安がバランスのとれた経済成長の実現に向け必要」と
の見解を示し、通貨安誘導の手を緩めていない。こうした点を踏まえれば、5 月緩和の現実味が増していると思わ
れる。
22 日に発表される 1-3 月期の消費者物価指数の結果をみるまでは、思惑がぶれる可能性がある。しかし、原油
安や鉄鉱石価格下落の影響で交易条件が悪化し続けており、利下げは時間の問題だろう。緩和観測がくすぶる中
で、豪ドルの上値は抑えられそうである。
経済的な結び付きが強い中国への不安もある。中国は景気刺激策を矢継ぎ早に出してはいるが、その効果はま
だ表れていない。表れるとしても今後であり、目先は経済の鈍化が意識されやすい。15 日の 1-3 月期国内総生産
(GDP)の結果が市場予想や政府目標の+7.0%を下回るようなら、豪ドルに対する逆風は強まるだろう。
南ア・ランド(ZAR)円は小幅に上昇するも、上値は限定的か。主体性のない中で、ドルに振らされる展開が
続いている。目先はドルの上値が重く、ZAR は買い戻しの流れが続くかもしれない。テクニカル的にも 200 日移
動平均線を上回ってきたことで、今年 3 月につけた年初来安値を起点とする N 計算値にあたる 10.30 円近辺まで
の上昇は期待できそうである。ただ、世界経済の回復が鈍いほか、南アフリカの回復力も限られているため、さ
らに上放れするだけの手掛かりは見付けづらい。ZAR 円は上方向をそれほど期待できないだろう。
今週の回顧
豪ドル円は買いが先行。利下げ観測がくすぶる中で、RBAが政策金利を据え置いたため、足元のショートカバ
ーが強まり、豪ドル円は93円付近と約2週間ぶりとなる水準まで上昇した。しかし、追加緩和期待を払しょくする
だけの材料はなく、反発の勢いは限定的だった。ZAR円はじり高。米国の金融引き締め開始が後ずれするとの観
測が高まり、ドル高が一服したことが下支えとなった。ZAR円は日足一目均衡表・雲の下限が切り上がるのに連
動して、10.19円付近まで上昇した。幅広い企業の景況感を示すHSBC算出のPMIは2カ月連続で分水嶺の50を上
回ったことも、サポートとなった。(了)
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