Pictet Market Monthly

ご参考資料
ピクテ・マーケット・マンスリー 2016年5月発行
水関連株式市場
Pictet Market Monthly
2016年4月の水関連株式市場
図1:水関連企業の株価推移
4月の投資環境
円換算ベース、月次、期間:2006年4月末~2016年4月末
4月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨
ベース)で上昇しました。
250
世界の株式市場は、2月のドイツ製造業受注が市場予想を
下回ったことや3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議
事録で世界経済の成長減速に対する懸念が示されたこと
などを背景に、上旬は下落基調となりました。しかし中旬以
降は、国際エネルギー機関(IEA)が原油の需給が改善す
るとの予想を発表したことや米国の原油生産の減少などを
背景に原油価格が大幅に上昇、その他の商品価格につい
ても反発したことから、エネルギーや素材セクターを中心に
株式市場は反発しました。またJPモルガン・チェースが市
場予想を上回る決算発表をしたことなどが好感され金融セ
クターが上昇したことも世界の株式市場の上昇要因となり
ました。
200
業種別では、商品市況の反発を受けてエネルギーや素材
が市場全体を大きく上回って上昇しました。一方、主要企
業の決算が期待外れの内容となった情報技術に加え、原
油価格反発によるインフレ期待の高まりを背景に長期金利
が上昇したことから公益や電気通信サービス、生活必需品
など配当利回りが高いセクターは下落しました。
こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)も上昇し
ました。セクター別では上下水道ビジネスセクター及び装
置製造・エンジニアリングセクターが堅調に推移しました。
上下水道ビジネスセクターでは、年初来、軟調に推移して
いた新興国市場が大きく回復しました。中でも、株価の回
復力を期待していた広東インベストメントが堅調に推移しま
した。また、ブラジルで公益事業を展開するサンパウロ州
基礎衛生公社やミナスジェライス水道会社などは同国内の
政治的不安が和らいだことが下支え要因となって上昇しま
した。装置製造・エンジニアリングセクターでは、クボタや荏
原などの日本銘柄が上昇しました。これらの銘柄は年初来、
農業や原油などに関連する事業が下押し圧力となっていま
したが、当月、大幅に株価を回復させました。米国におい
ても原油価格や産業市場が回復する中で、ペンテアや
ミューラー・ウォーター・プロダクツなどが好決算を発表し、
株価が上昇しました。一方、環境マネジメント・サービスセ
クターでは廃棄物量は増加傾向にあるものの資源のリサ
イクルや低コスト化が進む中、まちまちな企業決算が下押
し要因となりました。また、同セクターの設計・コンサルティ
ング分野では、水やその他の環境関連市場において業績
は堅調だったものの、依然として原油関連事業が業績の
重しとなりました。
ピクテ投信投資顧問株式会社
2006年4月末=100として指数化
水関連企業
150
100
先進国株式
50
0
06年4月
08年4月
10年4月
12年4月
14年4月
16年4月
※ 先進 国 株式: MSCI 世 界 株価 指数 、 水 関 連 企 業: S&P グロ ー バル・
ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投
資顧問株式会社作成
図2:水関連企業の株価収益率(PER)の推移
月次、期間:2007年4月末~2016年4月末
30
倍
25
21.6
20
平均 19.6
15
10
5
07年4月
09年4月
11年4月
13年4月
15年4月
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その
銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料における
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巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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ご参考資料
Pictet Market Monthly
水関連株式市場
今後の見通し
米国で労働市場の健全化が示されているほか、製造
業や消費者の心理にも改善の兆しが見られており、世
界経済の正常化は継続していくものとみています。な
お、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げにつ
いてはインフレが落ち着いていることから緩やかな
ペースになるとみています。また、欧州や日本において
金融緩和が継続しており、こうした環境は2016年の株
価を下支えするものと考えています。新興国市場は、
商品市況や中国の力強い回復が経済指標などによっ
て確認されれば、世界経済を支える好材料になるとみ
ています。こうした環境の中で水関連企業は着実な成
長が期待され、中長期的な投資機会を提供するものと
考えています。
水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期
的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄の
ファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の
影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干
ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を
呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続
き魅力的な投資対象であると考えます。
※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変
更される場合があります。
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