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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2016年7月19日
先進国
Pictet Market Flash
米国小売売上高: コア売上高は6月単月、4-6月期ともに堅調
2016年6月の米国小売売上高は総じて堅調でした。コア小売売上高は過去2ヵ月の速報値がいずれも上方修正さ
れ、改善基調が顕著となりました。4-6月期の個人消費は、年率+4.0%を上回る底堅い推移が見込まれます。
図表1:米国小売売上高と個人消費
6月の小売売上高は総じて堅調
3ヵ月移動平均、年率、期間:2007年1月~2016年6月
米 国 の 2016 年 6 月 の 名 目 小 売 売 上 高 は 、 前 月 比
+0.6%と市場予想の同+0.1%を大きく上回りました(図
表1参照)。ガソリン価格の上昇を背景とした燃料(ガソ
リンスタンド)売上と、過去3ヵ月連続の落ち込みの反
動で急増した建設資材(及び園芸関連)売上が大きく
貢献しました。また、6月の自動車販売統計が低調だっ
たにもかかわらず、自動車・関連部品売上はプラス圏
に留まりました。なお、4月ならびに5月の名目小売売
上高は、併せて0.3%の下方修正となりました。
名目小売売上高から、最も変動の大きい項目を除いた
コア小売売上高(GDPの個人消費の算出に使われる
数値)も予想以上に力強い数字となりました。2016年6
月のコア小売売上高は、前月比+0.5%と市場予想(同
+0.3%)を上回りました。また、4月改定値は、速報値
の同+1.0%から同+1.1%に、5月改定値は同+0.4%か
ら同+0.5%にいずれも上方修正されました。その結果、
4-6月期のコア小売売上高は、前期比、年率+7.4%と
な り 、 1-3 月 期 の 同 +2.8% 、 2015 年 10-12 月 期 の 同
+1.3%を大きく上回りました。
4-6月期の個人消費は底堅い推移を予想
6月の自動車販売統計と小売売上高統計は、4月以降
の家計の消費の伸びに減速感がないことを示唆するも
のとなりましたが、その他の消費関連指標も、総じて堅
調 で す 。 し た が っ て 、 4-6 月 期 の 個 人 消 費 は 年 率
+4.0%を上回る公算が高いと思われます。
下期については、上期の水準は下回っても、堅調な基
調を維持することが見込まれます。雇用の伸びは若干、
鈍化するとしても堅調さを維持し、賃金の伸びも次第に
勢いを増していくことが予想されるからです。
原油価格が家計の消費に及ぼす影響については、足
元の原油価格の反発を広い観点から分析することが
必要だと考えます。季節要因調整後のガソリン価格は、
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%
%
4
8
3
4
2
0
1
-4
0
実質個人消費(前期比、右軸)
-1
-8
-2
-12
名目小売売上高(ガソリン、建築資材を除く)
(前期比、左軸)
-16
-3
-4
-5
-20
07年
09年
11年
13年
15年
(7月は若干の下落が見込まれるものの)2月から6月
にかけて16.6%上昇していますが、6月の水準は2015
年10-12月期の平均価格を6.3%下回る水準に留まっ
ています。また、エネルギー価格の下落が家計の消費
にプラスの影響をもたらすまでには、時間のずれが生
じることには留意が必要です。これまでに生じた原油
安の恩恵(実質所得押上げ分)の多くが消費に回って
いなかったことは、貯蓄率が高位に留まっていることか
ら確認されますが、貯蓄率は今後数ヵ月のうちに低下
し始めることもあり得ます。
2016年7月は、月初以降これまでに発表された経済指
標は概ね堅調です。ニューヨーク連銀発表の6月の製
造業景況指数は前月から大幅に反発し、米小規模事
業楽観指数(NFIB)も底堅く推移しています。
4-6月期のGDP(国内総生産)成長率については、従
来予想を維持しており、通年ベースでも2016年、2017
年ともに良好な推移を見ています。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内
容が変更される場合があります。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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