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2014年8月26日
ニュージーランド、利上げの先陣を切るも息切れ気味なのか?
ニュージーランドは2014年3月に先進国のなかでは先陣を切る格好で利上げを実施し、その後の利上げを織り込
む形で通貨は上昇しましたが、イエレン議長の利上げ示唆などを背景にNZドルは下落傾向に転じています。
ニュージーランド(NZ)ドル:米ドル高が進む
中、約半年ぶり安値
週明けの2014年8月25日からオセアニア外国為替市場では、
米ドルが対主要通貨で広範に強含む展開となり、ニュージー
ランド(NZ)ドルが対米ドルで半年ぶり安値に下落しました
(図表1参照)。NZドルの対米ドル相場は足元(8月26日)、1N
Zドル=0.834米ドル近辺での取引となっており、2013年2月後
半以来の安値水準での推移となっています。米ドル上昇の
背景は8月22日の経済シンポジウム(ジャクソンホール)で米
連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が他の中央銀
行総裁と比べ金融緩和姿勢を示さなかったためです。
ニュージーランドは2014年3月に先進国のなかでは先陣を切
る格好で利上げを実施しました(図表1参照)。その後も利上
げを織り込む形でNZドルは上昇しました。しかし7月半ばの
米国議会証言でイエレン議長の利上げ示唆などを背景にNZ
ドルは下落傾向に転じています。
NZドル安の背景として以下の点に注目しています。
1点目は、相対的な高金利通貨に投資するキャリー取引が7
月半ば以降後退したと見られる点です。理由は資金調達先
である米国金利に上昇懸念が高まったことと、マレーシア航
空機の撃墜(7月17日)などによりリスク回避志向が高まった
ためです。
2点目からは主に国内要因です。まずは、かつては5%を超え
ることもあった消費者物価指数(CPI)変化率が足元前年同
期比で1.6%と落ち着いています(図表2参照)。
3点目はニュージーランドのGDP(国内総生産)成長率が足元
横ばいで推移するなど2014年年初の過熱感に後退の兆しが
見られる点です。景気の方向感に先行性があると見られる製
造業購買担当者景気指数(PMI)は7月53.0と3月の58.5から
急低下しています。
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:ニュージーランド・ドル(対ドル)と利回りの推移
(日次、期間:2013年8月25日~2014年8月25日)
政策金利(左軸)
米ドル/NZドル
10年国債利回り(左軸)
0.90
ニュージーランド・ドル(右軸)
%
4.75
4.25
0.85
3.75
3.25
2014年3月13日
政策金利を2.5%から
2.75%へ引上げ
2.75
2.25
13年8月
利上げを織り込む
形で通貨上昇
高 通貨 安
どこに注目すべきか
キャリー取引、利上げ再開、インフレ指標
最後に、雇用市場を見ると、雇用者数の増加ペースは2013年
後半には前期比1%を超えるペースだったものの、2014年4-6月
期は0.4%とペース・ダウンしています。
以上の点を踏まえ、当面NZドルは上値の重い展開が想定され
ますが、経済成長率は低下したとはいえ約3.8%と、潜在成長率
を上回っていると見られることから当局もインフレ懸念を依然注
視していると見ており、利上げを再開する可能性もあると見て
います。NZドルの動向を占う上で、経済指標に注意が必要と
見ています。
0.80
0.75
14年8月
14年2月
図表2:ニュージーランドのGDPとCPIの変化率の推移
(四半期、期間:2009年7-9月期~2014年4-6月期)
6
%
GDP(前年同期比)
CPI(前年同期比)
4
2
0
-2
09年9月
10年9月
11年9月
12年9月
13年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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