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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2016年11月1日
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ユーロ圏消費者物価:総合指数は小幅の上昇、コア指数は小幅の低下
2016年10月のユーロ圏消費者物価指数は、概ね、市場予想通りでした。欧州中央銀行(ECB)が、12月の政策理
事会でインフレ見通しを大きく変える公算は低いと思われますが、域内の物価基調は、短期的には上昇の、中期
的には下落の可能性があると見ています。
総合指数は上昇、コア指数は低下
図表1:ユーロ圏インフレ率の推移
月次、前年同月比、期間:1999年~2017年、予想含む
欧州委員会(EC)統計局(ユーロスタット)が発表した
2016年10月のユーロ圏消費者物価指数(総合インフ
レ率、欧州連合(EU)統一基準インフレ率、HICP)の速
報値は、前年同月比0.5%と9月の同0.4%を上回った
一方で、(エネルギー、食品、アルコール飲料・タバコを
除く)HICPコア・インフレ率は同0.8%と前月からほぼ
横ばいとなりました(図表1参照)。コアHICPを小数点
下2桁まで表示すると前月を下回りますが、これは10
月のHICPサービス価格指数が同1.07%と9月の同
1.15%を下回ったことに起因します。
ユーロ圏消費者物価は、今後数ヵ月、エネルギー価格
の回復を受けたベース効果が効いて上昇の勢いを増
すものと予想されます。原油価格とユーロに対する市
場予想をもとに試算すると、2017年3月末のHICPは、
前年同月比で1.5%に迫る可能性もありそうです。一方、
コアHICPが2017年中に1%を上回る公算は低いと思
われることから、ピクテでは、従来通り、HICPが2016
年、2017年ともに安定推移するものと見ています。ま
た、今後の物価基調については、短期的には上昇の、
中期的には下落の可能性を見ています。
国別のHICPは、イタリアが前年同月比マイナス0.1%
と予想外の低下となりました。また、ドイツは同0.7%
(予想に一致、前月から上昇)、フランスは同0.5%(予
想を若干下回り、9月と変わらず)、スペインが同0.5%
(予想を上回り、9月から上昇)となりました。また、国別
のコアHICPは引き続き総じて低調ですが、足元では
主に周縁国の物価の伸び悩みが響いています。
12月のECB政策理事会見通し
欧州中央銀行(ECB)が12月の政策理事会で、中期的
な物価動向に対する評価を大きく変える公算は低いと
思われます。足元のHICPが、4-6月期以降のECBス
タッフ予想に極めて近い水準で推移していることに加え、
ピクテ投信投資顧問株式会社
5.0
%
4.0
ユーロ圏HICP
3.0
ECB目標=2%
2.0
1.0
ユーロ圏コアHICP
0.0
-1.0
99年
02年
05年
08年
11年
14年
17年
出所:ピクテグループ
12月の会合で発表される新規長期予想(2019年予
想)が1.8%前後と、ECBのインフレ目標に近い数値と
なることを、複数の当局者が示唆しているからです。
もっとも、表面下では低調なコア・インフレと賃金動向
が懸念されています。ECBは、2017年にはサービス価
格が上昇し財貨の低迷を十分に相殺すると見ているよ
うですが、スタッフ予想は楽観的過ぎると思われます。
購買担当者景気指数(PMI)等、直近の経済指標が改
善しつつあるとはいえ、12月の政策理事会では、コア・
インフレの低迷が主要議題になると予想されます。月
間の資産買入額を800億ユーロに維持する一方で、資
産買入期間の6ヵ月延長や資産買入プログラムの円滑
な実行を担保するための技術面での調整が発表され
るものと見ています。
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