2014年10-12月期のユーロ圏GDP:中核国経済は強弱交錯

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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2015年2月18日
先進国
Pictet Market Flash
2014年10-12月期のユーロ圏GDP:中核国経済は強弱交錯
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)成長率は、前期比+0.3%と市場予想を上回りました。また、
2014年通年の成長率は+0.9%と、2013年の-0.3%からプラス成長に転じた模様です。ドイツならびにスペインが好調
で域内経済をけん引しました。ユーロ圏経済は、2015年を通じて緩やかな回復を続けるものと見ています。
ユーロ圏経済は改善基調
図表1:ユーロ圏実質GDP成長率の推移
(四半期、期間: 1999年1-3月期~2014年10-12月期)
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)
成長率(速報値)は市場予想を僅かに上回り、7四半期
連続のプラス成長となりました。足元の景気先行指標
は2015年1-3月期についても同様の緩やかな成長が
続くことを示唆しています。
6 %
4
前年同期比
2
0
前期比、年率
-2
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP
成長率は予想を上回る
欧州連合統計局(ユーロスタット)が発表した2014年
10-12月期のユーロ圏実質GDP成長率は速報値で前
期比+0.3%(年率+1.4%、前年同期比+0.9%)と、7-9月期
の前期比+0.2%ならびに市場予想の同+0.2%を僅かなが
ら上回りました(図表1参照)。この結果、2014年の実質
GDP成長率は前年同期比平均で+0.9%となり、2012年
の同-0.7%、2013年の同-0.4%から改善したことを示唆し
ています。
-4
-6
-8
-10
-12
99年
01年
03年
05年
07年
09年
11年
13年
出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
イタリアはマイナス成長に歯止め
ドイツの改善際立つ
2014年10-12月期のユーロ圏構成国実質GDP成長率
は、ギリシャ、フランスを除き、域内全域で予想を上回
りました。なかでもドイツの成長率は、おそらく、昨年半
ばの景気停滞局面からの反発を一部反映し、前期比
+0.7%と市場予想の同+0.3%を大きく上回りました。(詳
細はまだ発表されていませんが)ドイツ統計局によれ
ば、家計の消費や輸出の大幅な改善に加え、4-6月期、
7-9月期ともに減少していた設備投資が幾分ながら改
善された模様です。
2014年10-12月期のスペインの実質GDP成長率は、ド
イツと同じく前期比+0.7%と、2007年10-12月期以来の
高成長となりました。また、ポルトガルとオランダも同
+0.5%と好調でした。一方、フランスは7-9月期には同
+0.3%と予想外の回復を見せたものの、10-12月期は、
市場予想に並ぶ同+0.1%に留まりました。イタリアも低
調で、市場予想は上回ったものの、2011年4-6月期以
降プラス成長を実現していません。ギリシャは前期比
-0.2%とマイナスに転じ、市場予想の同+0.4%に届きませ
んでした。
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ピクテ投信投資顧問株式会社
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先進国
個人消費と輸出が貢献
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP速報値には支
出項目の詳細が含まれていません(発表は3月6日の
予定)が、フランス、ドイツ、オランダの国別GDP統計は、
家計の消費と輸出が最も大きく貢献し、原油安とユー
ロ安のプラスの効果が現れたことを示唆しています。
一方、企業投資はまちまちで、ドイツ、オランダ両国で
は拡大した一方、フランスではマイナス圏で推移してい
ます。
2015年のGDP予想は変わらず
ユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)、ドイツIfo企業景
況感指数など、足元の景況感指数や調査結果は、
2015年のユーロ圏経済が、2014年10-12月期と同様の
緩やかな改善を続ける公算が高いことを示唆していま
す。
原油ならびにユーロ安、緊縮財政の緩和ならびにマ
ネーサプライの改善、欧州中央銀行(ECB)の量的金
融緩和等は、すべて、ユーロ圏経済の強い追い風にな
ることが予想されます。一方、ギリシャ情勢を巡る不透
明感が個人消費や企業投資を抑え、域内経済の短期
的な下押し要因となる可能性は否めません。したがっ
て、2015年のGDP成長率予想は、従来予想を維持しま
す。
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